無言の悲鳴

その日任務が伝えられた

内容は、施設の安全確認だった

古い軍の施設の解体をするので作業する際に計画道理出来るかの調査することだった

命を奪う、奪われる内容ではないので気は楽だと思う

その任務を受けて現地には、私を含めて5人で行くことになった

私が、外で無線で指示で4人が現地で調査する流れだ

ただ、疑問に思うことがある

(地下にある4つの部屋の入口にカメラをセットして部屋の中を1時間写せ)

という条件があることだった

そんな疑問を持ちつつ車2台で施設に向かった

施設の場所は、市街近くの山の頂上で、反対側は、海だった

任務でなければ綺麗な景色を楽しむには最高だったと思う

現地に着き休憩を5分取りミーティングを始めた

「任務の内容を確認だ、私は、ここで無線で指示を出す

A班B班は、最初に地下に行きカメラのセット

電気と水道はまだ生きていると聞いているが

念の為バッテリーと照明を4つ持って行くこと

セット後A班3階からB班は1階から調査開始

その後2階の調査時に合流して正面玄関のここに集合

以上だ、何か質問は?」

隊員の返答は、沈黙だった

「質問がなければ、準備出来次第任務開始だ」

その言葉で隊員たちが準備に入る

10分後準備が出来た隊員の一人が

「隊長、準備完了しました。只今から任務を開始します」

「了解、では任務開始」

「「「「はい」」」」

その返答で4人の隊員は、施設に入る

そんな隊員を見送った後に駐車場を見る

第一印象は、やけに広いなと

ヘリ何台着陸出来るのかと・・・・

それに施設の横には、小さな工場が一つ

資料によると閉鎖しているアスファルト工場だった

補給特化の施設だったかもしれない

そんなこと思っていると

「隊長、地下に着きました、1と3番の2部屋は、照明は付かない模様です」

無線を聞いて地下の見取り図を見る

地下の部屋には番号を振っている

左奥は1、左手前は2

右奥は3、右手前は4

と番号を振っている

「了解、1と3番には照明で対応

2と4番は、そのままカメラをセット

動作確認終わり次第AとB班で別れて

調査開始」

「了解」

その返答を受けて見取り図に照明で対応と1と3の部屋に書く

まぁ古い施設だから、付かないこともあるか

そんな感想抱きながら、時間が過ぎて行った

しばらくすると無線が入る

「隊長、A、B班2階で合流し、調査終了しました」

報告を受けて、時間を見る

カメラセットして2時間は経っていることを確認して

「了解、地下に行きカメラと照明を回収せよ」

「了解、地下に向かいます」

それから、20分ぐらいで集合場所に隊員たちが帰っくる

「報告します、A、B班ただいま戻りました」

「了解、お疲れ様、問題と負傷者は無しか?」

「いません」

「では、機材を車に乗せて戻るぞ」

「「「「はい」」」」

それから、機材を車に乗せて私たちは、基地に戻る

基地に着いた時は、日が暮れていた

隊員たちに機材を車から降ろしたら休憩と伝えて

私は、上司のいる部屋に向かう

部屋の前に着いて、ドアをノックする

「はい、どうぞ」

と返答が返ってくる

ドアを開けて

「失礼します、報告に来ました」

「ご苦労、報告を頼む」

「はい、隊員からは、問題なしとのことです」

「カメラの映像の確認は?」

「まだしてません」

「では、映像確認後に資料を頼む」

「了解」

「今日は、遅いから、明日からでいいからな」

「はい、失礼します」

そして、部屋から出て、隊員の所に向かい明日の朝から、調査の詳細の資料作りと

映像の確認することを伝えて解散した

解散後夕食を取ってお風呂に入り就寝した

号令がなり、起きて、今日の予定を手帳で確認する

昨日の調査の資料作りと映像確認だったなと思い出す

それから、朝食を取り隊員を集める

「では、A班は、カメラの映像を確認

B班は、私と一緒に資料作りだ」

「了解」

それから、私は、B班の意見とA班の調査表を見て聞いてまとめいた

ふと時間を見るとそろそろ3時間か、休憩するかと思ってA班の元に行く

「休憩するから一度集合だ」

「はい」

と返って来たが、A班の2人は少し青ざめていた

うん?と思って疲れて変な物でも見たかと思って

休憩後にそれとなく聞いてみるかと思った

それから、5人で休憩を10分取った

休憩後

「A班何か映像に問題あったか?」

と質問した

「はい、問題と言うか気になることがあります」

「気になること?」

「お手数ですが、映像見ながら説明させてもらっていいですか?」

「あぁ分かった」

B班に資料をまとめるように伝えて映像室にA班と移動した

「で、気になるのは、どのシーンだ?」

「はい、まず、2、4の部屋なんですけど、部屋の蛍光灯を見て下さい」

蛍光灯?そんなものが気になるって、変な物でも映ったかと思って見ると

特に何もない、ただ蛍光灯が繰り替えし点滅してるだけだ

「特に問題ないように見えるが?」

「それが、一定の間隔で点滅しているのです

2の部屋が

ピカー パ ピカー パ パ   

パ パ パ 

パ ピカー パ

パ ピカー

パ ピカー パ ピカー ピカー パ パ

で繰り返し

4の部屋は、           

ピカー ピカー パ パ ピカー

パ ピカー パ パ

パ ピカー パ

パ ピカー

パ ピカー パ ピカー ピカー  パ パ 

と繰り返し点滅します」

「古い蛍光灯なら、よくあることだろ?」

「そうですね、ただこれが1時間も同じリズムで繰り返し光ると・・・

そこで気になってモールス信号で言語化しました」

「で、結果は?」

そう返答したが、そんなに同じ映像だけ見るのが嫌で現実逃避でもしたかな?と思った

「はい、2の部屋は、き・ら・な・い・で

4の部屋は、ひ・か・な・い・で

でした」

「きらないで?ひかないで?なんだそれは?」

「解りません、ただ気になって資料室に向かい調べものをしました」

「調べもの?」

「はい、この施設のことです

結果は、どうやらこの施設で拷問していたみたいでした」

「拷問だと・・・」

「はい、それを元に、「きらないで」と「ひかないで」を考察してみると

刃物で切って拷問していたのでは、思いました」

「なるほど、まぁ拷問を前提にしても、やり過ぎて、遺体の処理なんて

したら、市民にバレるだろ?」

「普通はそうですね、でも思い出して下さい、無駄に広い駐車場と反対側にある海を」

「あぁ、そうだったな」

「はい、それに横にはアスファルト工場です」

そこまで聞いて、まさかなと思ったこと口に出した

「まさか、アスファルトに混ぜて処理したと・・・・」

「だと思います」

「そうなると「ひかないで」なんだ?「きらないで」は、刃物で切ったと解るが」

「のこぎりみたいなギザギザの刃物で切った時だと思います

牛肉や豚肉や油が乗った魚を包丁で切ると油で切れ味が落ちます

でも、ギザギザの刃物だとその心配がありません」

そこまで聞いて、まさか怨念が訴えてるとでも言うのかと思った

「それで、刻んだものは、海に捨てれば、魚の餌になって証拠が残りません

駐車場を広げるにも限界があるので」

そこで、最初に感じた疑問を思い出す

(地下にある4つの部屋の入口にカメラをセットして部屋の中を1時間写せ)

まさかこれを見越して映像を残して確認を・・・

偶然にしては、出来過ぎている・・・・

「そして、1・3の部屋です」

その言葉で思考を止める

「確か別で照明を付けた部屋だな」

「はい、そこでは、水滴でした

1の部屋は           

ポチャン ポチャ ポチャン ポチャ ポチャン

ポチャン ポチャ ポチャン ポチャ ポチャン

ポチャ ポチャン ポチャ

ポチャ ポチャン

ポチャ ポチャン ポチャ ポチャン ポチャン  ポチャ ポチャ

で、3の部屋は    

ポチャ ポチャ ポチャ ポチャン

ポチャン ポチャ ポチャン ポチャン ポチャ

ポチャン ポチャン ポチャ ポチャン ポチャ

ポチャ ポチャン

でした

これを言語化すると「ささないで」「くるしい」でした」

「くるしいは、解る、呼吸系だろうな」

「はい、私もそう思います、「ささないで」は、

針とかの先端が尖った物で刺したと思います」

ここまでくると偶然で片づけるには無理があると思った

もし、軍が拷問の証拠を消すために今回の任務をしたと思うと・・・

いや、辞めておこう証拠もないのに空想で語るのは・・・・

「このことは、ここだけの話にしよう、無駄に考えるとありもしない空想に

悩んで精神が疲れるぞ」

「そうですね」

「では、映像は、問題なしで報告するから、A班はB班と合流して資料作りだ、

いつまでも見ていると余計な思考を作るからこっちに移動だ」

「了解」

それからの時間は、5人で資料を作った

資料を作り上司の部屋に向かいドアの前に立つ

すると声がする

良くないと思いつつ聞き耳を立てる

「・・・・した方が」

「考え過ぎでは?」

「過去あるので」

「まぁ解りますが、解体するので」

「そうですね、綺麗に忘れましょ」

それを聞いて、まさかなと思いつつドアをノックする

「はい、どうぞ」

ドアを開けて

「失礼します、施設の報告書を持って来ました」

「ありがとう、貰うよ」

「はい」

資料を上司に渡した

「では、失礼します」

そして私は、部屋を出た・・・

でも聞こえた会話が頭から離れない・・・・

「お祓いした方が」

本当に拷問があったのか?

そして、怨念が?

辞めておこう、私の精神が持たないと思って思考を停止した

それから、月日は流れ施設の解体が始まった

私は、解体最終日の夕方に施設の前にいた

あの日の会話と映像が頭の隅に残っていた

解体が終わればこの記憶も消えると思ったからだ

そんなこと思いつつ車に乗って一服していると駐車場の蛍光灯の一個が点滅していた


ピカー パ ピカー

ピカー ピカー ピカー パ ピカー

ピカー ピカー ピカー 

パ ピカー パ

パ ピカー

と点滅した 


最後のモールス信号は「わすれない」です


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