見習いの見習い

食事が終わって、診断室にロイと向かう。

「で、僕は何をすればいい?」

「とりあいずは、そこの椅子に座って仕事風景を見ていればいい」

つまりは、観察して考察して覚えろってことか・・・

この世界の医学を知るにいい機会か。


座ってからロイを観察していると仕事前に数枚の紙を見ている。

見終わったら、別の紙に何か書いている。

書いている内容を見ると補充する医療品の数を書いているみたいだ。

仕事終わってから、今日消費した医療品を足して注文するのかな?と思った。


書き終わるとその紙を渡して来た。

「この文字は、全部読めるか?」

軽く内容を見る。

包帯や薬草みたいな名前などが書いてあって、数字はアラビア数字だったかな?

種類的には・・・特に問題なく読めるな。


「うん、読めるよ」

「声に出して読んでくれ、確認したいから」

「解ったよ、えっと包帯が5本と添木が4本とヒール草10本と・・・・・」

まだ舌の動きが良くないのか、詰まることあるが、読み終わった。


「そうか・・・本当に文字が読めるみたいだな・・・」

「試しましたね」

「あぁ」

するとロイの顔は、何か考える顔になった。

何かを考察しているとアンが開店すると声を掛けてきた。


「おはようございます、先生」

「おはようございます、今日はどうしたか?」

最初の患者は、歳的に40~50ぐらいの男性で、左膝が痛いと言ってきた。

話を聞くと昨日の夜に寝ぼけて階段を踏み外して膝から着地したみたいだ。

軽く考えれば打撲で、酷いと骨折かな?と思っているとロイは、ズボンを上げて

くれと指示してるみたいだ。

上げ終わったら、怪我部分を触りながら「痛いですか?」と質問しながら指で押していた。


「打撲ですね、処置するので少し待ってて下さい」

と言って、ロイは席を立って奥の棚を開け始めた。

「そういえば、君は?」

「初めまして、息子のアレクです」

「仕事の手伝いしてるのかい?」

「いいえ、見てるだけいいと言われて、見てるだけです」

「そうなのか・・・歳はいくつ?」

「三歳です」

「そうか、しっかり勉強して、いつか俺や、息子の診断してくれよ」

と微笑みながら言ってきたので、「はい、頑張って勉強します」と答えた。


そんな雑談しているとロイは帰ってきて、患者の膝に包帯を一周させて、

水色の葉を一枚添えて、その上から包帯を2周回して固定した。

「挟んだ葉は、冷草です。1週間ぐらいは、冷たく感じると思いますが、

腫れが引かせる為なので、少し我慢して下さい。無理な時は、布を1・2足してもいいです。」

「解りました。」

「何か他に質問はありますか?」

「いいえ大丈夫です」

「では、お大事に」

患者は、席を立って診察室を後にした。


それから、3・4人診断を見ていたが、基本は、薬草の葉を挟むか塗り薬で対応する

みたいだ。

用は、シップが葉っぱで傷の程度によって葉を挟むか塗り薬するか

選ぶ感じと思った。

そんな風に考えているとアンが診断室に入ってきた。

内容は、大けがをした患者が来たから、準備するように言われた。






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