ギンギツネわんだーらんど~少年・少女の異質な青春~

チ=ウルシ

StrangeAct:1

時は現代、この世界には”サイキック”や”超常現象”、”妖怪”を全て〈能力〉として解明してしまい、それらの〈能力〉を全てひっくるめて”アクト”と呼ばれ、その名が浸透していくには時間はそんなにかからなかった……。

そして、そんな”アクト”を解明する研究やその能力を追求する施設が近年、増加し続けている。


─日本・中部地方・岐阜県 那騎袖市─


「やっと着いたさね……。 さぁ、ここから始まるさね、私の楽しい学生生活がッ!」

この少女は、「小崎川こさきがわ 有栖ありす」。

見た目の雰囲気は……、肩辺りまでの長さの黒い髪と左右にはねてるくせっ毛がある。

顔は普通で、目は垂れ気味で、瞳の色は黒と灰が混ざった感じである。

そんな、有栖はこの春に高校生になり、中学生まで住んでいた町から那騎袖市に移り住んで

来た。


「やっと、入学式が終わったさね。」

そう言って教室に入ると……、

「ん? この教室の人数、やけに少ないさね。」

そう思った、有栖その答えは……

「よく集まった、ここに選ばれし”7 人の未熟な〈アクター〉達”ッ!」


そう高らかに声を出した人物は、この高校の教師がひとり、”稲瀬いなせ 荷穂かほ”である。

余談ではあるが、稲瀬は周りの生徒や先生からは”イナホ”というあだ名で呼ばれている。


「……イナホさん? というかここで教師をしていたのですね。 じゃなくて 今”7 人”って

言いました?!」

そう疑問をぶつけるが、

「おい、有栖。 お前が一番最後か? 遅刻は感心しないなぁ。」

無視され、そのまま話を進める。

「んじゃあ、点呼を取るぞお前達。」

そう言った稲瀬は名簿に記された”7 人”の名前を読み上げる。


雨夢あまゆめ 静ッ!」


「はぁ~い。」

気だるそうに返事をした少女は「雨夢 静」。

特徴は、肩辺りまで揃えたぱっつんと前髪を留めているヘアピン。

見た目は大人しい印象を受けるが、その性格は……、

「へぇー、あなたパンツ履いてないのね?

レオタードらしきものが……、」

このように性格に少し難ありである。

「おい、静? 何をしてい……、」

静の暴走を止めようと有栖の方へ 1 歩踏み出す瞬間、

「……、ふんッ!」

と有栖は後ろ回し蹴りをして静のアゴに炸裂しその衝撃で気を失った。

「あー、その大丈夫か有栖?」

「えぇ、大丈夫ですので引き続き点呼をしてください。」

その顔は半分怒っている様子だった。


「あぁ……、次は”貝塚かいづか 天羅てんら”ッ!」


「はい。」

きちんと返事をした少女は「貝塚 天羅」。

特徴は、腰辺りまで伸びた青く整った長い髪と前髪には貝をあしらったヘアピン。


「よし、次は”小崎川 有栖”ッ!」


「はいッ!」

と、いい返事で稲瀬に言った。


「よし、次は”神鳴じんめい 龍成たつなり”ッ!」


「はい。」

普通の返事をした少年は「神鳴 龍成」。

特徴は、短めでくせっ毛だらけの少しごわっとした髪質。


「よし、次は”墨田すみだ 密狸みつり”ッ!」


「は、はいッ!」

少しおどついた返事をした少女は「墨田 密狸」。

特徴は、左右対象にある「八の字」のくせっ毛と茶色の瞳と髪色。


「よし、次は”稗田ひえだ ぬえ”ッ!」


「はいッ!」

はっきりとした感じの返事をした少女は「稗田 鵺」。

特徴は、ツヤのある黒い髪と肩にあるおさげ。


「最後は、エレーナ。……、えーっと”ブラッド=エレーナ=みさお=ハーヴェスト”ッ!」


「Sir。」

英語で返事をした少女は「ブラッド=エレーナ=操=ハーヴェスト」。

特徴は、くせっ毛だらけの白い髪と真紅の瞳、そして眼帯を左にしている。


「よし、これで点呼は終わった。次にすることは……、お前達の実力を知りたいから、4 人

で戦ってくれ。

ちなみに言っておくが、有栖と龍成を除くお前ら 4 人だ。

私は静を保健室に連れて行くから、少し遅くなる。

いいか、全員体育館へ向かって行くんだぞ、分かったか?」


各々返事をすると稲瀬は、静を抱え保健室へ行った。


「……、龍成? 久しぶりさね。」

そう言った有栖を見た龍成。

「そうだな、小学校以来か?」

そう返した龍成、

「んじゃあ、俺は1回廊下に出るから、さっさと着替えろよ。」

そう言って、廊下に一時的に出た龍成。

「それじゃあ、着替えますか。」

その後、6 人は稲瀬の指示通りに体育館へと向かった。

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