第7話 キャラ濃い系の担任

 午前8時となる。

 一人の女性が、教室の中へ入ってきた。

 教師だろうか?

 彼女は、教壇きょうだんの上へ足を乗せる。

 そして、口を開けた。


「――今日からぁ、キミたちの担任たんにんつとめることになりましたっ! 鎌野かまのさやです! 出会いのを求めて、教師になったので、これからよろしくねっ!」

「…………」


 クラス一室が、沈黙ちんもくした。

 そして、半数以上の生徒の口に、ポカンと穴ができる。


「「「…………えっ??」」」


 おそらく、大多数だいたすうの生徒が思ったことだろう。


 ――出会いの場を求めた結果、なぜに教師??


(担任のキャラ、ぎるだろ)


 クリーム色の長髪ちょうはつを風になびかせ、可愛かわいけいの大人の女性というちの人だった。

 年齢は、容姿ようしだけで勝手かって推測すいそくすると、20代前半に見える。

 普通に美人ではあった。


 鎌野先生は、目を細めた。


きんたまごを探しに来たわ……! キミたちも、3年後には合法ごうほうの存在となるんだからね!」


 ――出会いの対象が生徒!? 危なくね??


 教師になったらいけないタイプだろ、この人。


「私の専門教科は、保健体育よ!」


 ――1番やったらいけない教科だ。


「ぐへへへへ……! 可愛い女の子がよりどりみどり……っ!」


 ――百合そっちかよ!

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