第25話 女神オステリアは探している

/////////////女神オステリア視点////////////


ここは神界。


女神オステリアは、目を瞑りながら。地上界を探っていた。


(くくくく。どこに逃げようとも、必ず見つけて見せます。)


女神は神界の禁忌を犯していた。


地上界不介入。そのルールは上位神であろうとも絶対。


それなのに、地上界にアンテナを張り巡らせて“とある人物“を探そうとしていた。


その人物とは、地球という星がある世界から呼び寄せた神崎龍ニという男の魂だ。


(おそらく、転生している。魔力の痕跡だけでも見つかれば。)


神の力を使い。


飛び抜けた能力の人物をサーチするオステリア。


(こいつか!?ミヤビ・コバヤカワ。うん?転生者か?しかし、違う……。)


神崎かと思われたが、神崎にしては魔力量とスキル。そして魔法属性が3属性と低すぎる。すぐにオステリアは、サーチを切り替えた。


(魔力・スキル・属性数。この3つに絞り込んで調べてみよう。)


女神はさらに地上界への監視を続けた。


/////////////ヤマト視点////////////


俺は 今、離乳食を食べてる。


歯が生えてきたことで、徐々に固形物を食べられるようになっている。


うま、うま。


そんなことよりも、俺は困っている。


何に困っているかというと。


あと後、両親は相談し合ったらしい。


そして家族会議の結果。俺は告げられた。


「ヤマトちゃんは魔法以外の道で才能を探す。」という方針になった。


才能なき子……。俺。


くそう……。


普通、異世界転生って言えばチート能力を授かるもんだろう。


まぁ、俺の場合は元々女神に焼かれたり。


突然に森に放置プレイされたり。


転生っていうか、強制送還見たいな感じだけど……。


「ちなみに!家の魔法本も全部燃やしたから、遠慮なくスクスク育つのよ!私のヤマトちゃん!」


そして。俺はお早寝の時間。


今は一人で部屋にいる。



そこで独り悩む。


これは、本気でやばいと思った。


このままでは魔人のエサになってしまう。


何とかしなければ……。


魔法がダメなら、どうする?遠くに逃げるか?


しかし、両親の協力が絶対である。


これを説得する自信が無い。


(ああ!どうすれば!)


グルグル同じ思考を繰り返していて、俺の頭から湯気が出始めたときだった。


ふと右手の紋様を眺めた


何故だか、リリスを思い出した。


リリスか、あいつなら何か教えてくれたのかな。


俺は独り言をつぶやいた。


「リリスがいてくれたらなー。」


すると、急に脳の中に声が響いた。


“何じゃ?呼んだか?“


「え!?」


周囲を見渡すが誰もいない。オーブも無い。


「リ、リリス?!どこだ?!」


“ここじゃ。ここじゃ。“


「どこよ? どこにいるんだ?」


俺は部屋中をハイハイで探してみたが、どこにもいない。


まさか!アイツ小人になれるんじゃ!?


“オヌシの右手の中じゃよ“


「訳わからないこと言うなよ、いいから出てこい」


#ホレ、実体化したから見えるはずじゃが?#


目の前に美女が突如として現れた。


その美少女は、見たことなど当然にない。


年齢は10代だろう。


凄い美少女だ。女神オステリアに負けずとも劣らない。


髪の色は、パープルロングヘアー。


肌は透き通るように白く、目の色はアイスブルーだ。


身長は170cmほどであろうか。手足は長く、スタイルがかなり良い。胸ははち切れんばかりに大きい。


服装は、どこかの古代ギリシアを思わせるヒラヒラした服装だ。しかし、真っ白ではなく青の原色などが使われており、ちょっとオシャレである。


「呼んだか?ヤマトよ。」


「ど、どなたですか?」


俺は思わず敬語で返してしまった。


「は?ワシじゃよ。ワシ!リリスじゃ。」


「は……!?(思考停止中)」


「お、おい……?」


「……………………(思考停止中)。」


「おーい?」


「は!ちょ、ちょっと待って?」


「うむ。どした?」


「あのさ。今、リリスって言った?」


「ああ、ワシはリリスじゃ。」


「はぁぁ!?」


「お前、何でそんな超絶美少女なんだよ!」


「美少女。はっはは。照れるのぅ。」


「いや、照れられてる困る。その外見どうしたんだよ。」


「どうしたも何も、これは生前のワシの外見じゃ。」


「は!?そ、そうなの?」


これは驚いた。リリスって、こんな美少女だったの?


「そうじゃ。ワシは龍人族の中でも特に容姿に恵まれていたのでのぅ。」


「ひゃ、百歩譲って外見がそれだとしてだ。何で若いのよ!」


「若い?いや、ワシは晩年もこれじゃったぞ。」


「んなわけあるか!どう見ても10代の美少女だぞ!」


「ははは。力のある龍人はいつまでも若いのじゃ。惚れたか?」


「……あ、アホか!」


ぶっちゃけ惚れてしまいそうになる。中身がリリスと知らなかったら、間違いなく惚れる。


「ははぁ?まじで惚れてしまったようじゃのぅ。」


俺は誤魔化すように会話を変えた。


「と、ところで。何で急に消えたんだよ。それにもうオーブじゃ無いのか?」


「ああ、それなんじゃがな。」


リリスは真剣な表情で語り始めた。

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