2話 助けるかどうかは俺らがえら部
公立春華高等学校、かつては不良だらけで校舎の至る所に落書きがあったり窓ガラスが割れてたりと、地元民はもちろん他所の人も恐れる学校、しかしある日、1人の女子生徒が入学してきた、正義感が強く力もあった彼女は不良の軍団に恐れることなく学校で生活していた。
何人もの不良にイタズラをされても、喧嘩を売られても、全て巧にかわし、そして倒した。
彼女を恐れた生徒たちは大人しくなり、彼女を慕うようになった、彼女は元不良の生徒たちに校舎の清掃からあいさつ運動、そしてレベルの高い大学への進学までも指導した。
しかし生徒の大半は目指していた大学よりも持ってレベルが低い場所にしか入れなかった、春華学校のイメージそのものが問題だった。
しかし大多数の生徒は春華に入学したことを後悔していなかった、自分たちはあの人のおかげで変われたと口をそろえて言ったのだ、その人こそ春華を大きく変えた人物であり当時の生徒会長であった。
***
「ところで例の部活のお話聞きましたか?」
とうもろこしの話から1時間後、美咲が本を閉じてみんなにある噂について聞く、例の部活と聞いて3人はピンとくる、それが指すのは一つしかないからだ。
「助けるかどうかは俺らがえら部ってやつらか」
「あぁ……ついに依頼を受けたんでしょ?」
怪しげな宗教を扱うような声色で優也と凛が話す、部室の前には依頼ボックスなるものがあり、そこにはこう書かれている。
困ったこと、解明してほしいこと、調査してほしいこと、あとその他助けてほしいことがあれば紙に書いてここに入れてくれ、ただし……助けるかどうかは俺らが選ぶ。
今年度設立された新しい部活、部長の黒川隼は学校でも名高い生徒である、悪い意味で。
「黒川の奴なにを考えてるのかしら」
凛と優也、そして美咲は2年のときも生徒会役員だったため、黒川とは付き合いが長い、生徒会の開催したクリスマスイベントに黒川が血のサンタとして変装して乱入されたりもした。
「でも黒川くんは誰かを傷つけたり、犯罪をしてるわけじゃないから」
「そうなのよね、ただの馬鹿ってこと」
「まったくですね!黒川先輩は」
いきなりとうもろこしの話をする奴が何をいうんだといいたげな表情を浮かべる一同、美咲の言う通り黒川は誰かを攻撃したりはしない、ただすこし過激なエンタメをしているだけと語っている。
「現に黒川には隠れファンというか信者というか、変なのが付いてるからね」
「それで、依頼の内容は?」
美咲が紅茶のカップを机に置き口を開く。
「春華高等学校は誰かが後悔を書き残したノートが存在する、これが本当か確かめて欲しい」
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