禍殃絵図

河邑呂談(カワムラロダン)

禍殃絵図

参宿オライヲンねむる原子炉踏みしだく

夜半の冬タービン廻るまはるかな

生物屑デトリトゥス地を降る夜あけ核の冬

日脚伸ぶみどりごに悪れし日を

寒鴉ああ来世といふくわよと鳴け

負数のみゑがく縄跳び断つまじや

含嗽のたび赤黒きつらら吐く

火の鳥やたがふ両翼黒みぞれ

旗ふりし手も失せゐしに悴むよ

冬ざれにむくろ躍れど不死ならず

深雪晴れ民族浄化果てにけり

磔刑を黒天鵝こくちやうしろく迎へ入る

雪しまき護国といへば侵攻は

英霊のこゑ逆巻ける狩場かな

殺戮ののち煤払ふニケの頸

るる汝は独房を祖国とす

絵屏風やしき南蛮吸血鬼

美男子の血吸へどかわく憂国忌

千年の渇水期、午后の〈悪習〉

息しろし陽を享くる頭ゆ灰となる











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禍殃絵図 河邑呂談(カワムラロダン) @gaucheka

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