第6話 激動の時代
マナティは本当に人が変わったように精力的に解読に没頭していた。ミオはそれが少し心配で時々気を紛らわすように冗談を言っては彼を笑わせた。
「マナティ、ちょっと聞いてくれる? 今日、ハルとお昼食べてたら、鉢巻きをしたおじさんが居てさ。何か歌を歌いながら踊っていたの。きっと、TikTokの影響だよね。」
「どんな歌だったの?」
「いやあ、そこまでは聞き取れなかったけどね。何か、月が出たとか言っていたような気がしたわ。」
「それ炭坑節じゃない?」
「炭坑節ってどんなの?」
「ミオ知らない? 『月が出た出た月が出た。三池炭鉱の上に出た・・・』って感じの歌だよ。おーい、それ待てよ、石炭だよ、そう石炭に違いない。」
「何? 急にどうしたの? 」
「いや、例の解読の件だけど、今調べている9章のくだりでさ、それがどうも石炭の話じゃないかと思える描写があるんだよ。
今となっては石炭も観光向けの蒸気機関車や高効率火力発電くらいしか使われなくなって来たけど、黒ダイヤとか呼ばれて昔は一世を風靡したんだよ。ミオ、ここの所読んでみて。」
「『第五の御使いが、ラッパを吹き鳴らした。
すると私は、一つの星が天から地に落ちて来るのを見た。この星に、底知れぬ所の穴を開く鍵が与えられた。
そして、この底知れぬ所の穴が開かれた。
すると、その穴から煙が大きな炉の煙のように立ちのぼり、その穴の煙で、太陽も空気も暗くなった。
その煙の中から、イナゴが地上に出てきたが、地の蠍が持っているような力が、彼らに与えられた。
彼らは、地の草やすべての青草、またすべての木を損なってはならないが、額に神の印がない人たちには害を加えてもよいと言い渡された。
彼らは、人間を殺すことはしないで、五か月のあいだ苦しめることだけが許された。
彼らの与える苦痛は、人が蠍に刺される時のような苦痛であった。
その時には、人々は死を求めても与えられず、死にたいと願っても、死は逃げて行くのである。
これらのイナゴは、出陣の用意の整えられた馬によく似ており、その頭には金の冠のようなものをつけ、その顔は人間の顔のようであり、また、その髪の毛は女の髪のようであり、その歯は獅子の歯のようであった。
また、鉄の胸当のような胸当をつけており、その羽の音は、馬に引かれて戦場に急ぐ多くの戦車の響きのようであった。
その上、蠍のような尾と針とを持っている。
その尾には、五か月の間人間を損なう力がある。彼らは、底知れぬ所の使を王にいただいており、その名をヘブル語でアバドンと言い、ギリシャ語ではアポルオンと言う。』これが石炭のことを言ってるってこと?」
「そうだよ。『その穴の煙で、太陽も空気も暗くなった。』という表現はまさに石炭による公害そのものを描写していると思うんだ。
さっきの炭坑節の歌詞にも『さぞやお月さんも煙たかろ』という歌詞があるんだ。
炭坑から掘り出した石炭を積み出すための貯炭槽などの設備はホッパーと呼ばれ、イナゴやバッタ類の英語名グラスホッパーと同じなんだ。
ホッパーの形状は円錐や四角錘なのでイナゴなどの頭部と見かけが似ているため比喩で用いられたんじゃないかと思われる。
石炭などの公害は、煤煙による大気の汚染だけでなく、採炭従事者のじん肺、石炭に含まれる二酸化硫黄による喘息などの呼吸器疾患を引き起こすから、蠍に刺されるような苦痛が与えられるという描写になっているんじゃないだろうか?
そして、この石炭から作られるコークスは製鉄所の鉄を溶かす溶鉱炉の熱源として使われたんだ。」
「なるほどね。でも『星が落ちて、この星に底知れぬ所の穴を開く鍵が与えられた』という部分はどう解釈するの? 」
「僕もこの表現が何を暗示しているのかはわからないけど、例えばここで言っている『星』とは隕石を意味しているとすると、太古の昔に大量の隕石が落下して地球に水や炭素で構成される有機化合物が存在するようになったとか聞いたことあるし、隕石の落下地点で石炭が燃えて燃える石として石炭の存在が知られるようになったとかも考えられるよね。」
「そうね。はっきりとはわからなくてもその可能性はあるわね。取り敢えずここまでで第1の災いは過ぎ去ったとされているけど、石炭などの化石燃料の使用による公害を第1の災いとしているのかしら?
私たちが思い描いていた災いとは少し違和感があるけどね。
この後2つの災いが来るとも書かれているけど、どんな災害なんだろう?
次の第六の御使いのラッパも調べて行けば何かわかるかも知れないね。」
そういう訳で、二人は9章後半の『第六の御使いのラッパ』の記述を調べることにした。
「じゃあ、私が読んでみるね。『一つの声が神の御前にある金の祭壇の四つの角から出て、第六の御使いに[大ユウフラテ川の畔につながれている四人の御使を解いてやれ]と呼びかけた。
すると、その時、その日、その月、その年に備えておかれた四人の御使が、人間の三分の一を殺すために解き放たれた。
騎兵隊の数は二億であった。幻の中でそれらの馬とそれに乗っている者たちとを見ると、火の色と青玉色と硫黄の色の胸当をつけていた。
そして、それらの馬の頭は獅子の頭のようで、その口から火と煙と硫黄とが出ていた。
この三つの災害、すなわち、彼らの口から出て来る火と煙と硫黄とによって、人間の三分の一は殺されてしまった。
馬の力はその口と尾とにある。
その尾は蛇に似ていて、それに頭があり、その頭で人に害を加えるのである。』以上です。」
「ありがとう。さっきの第五の御使いのラッパの時は『人々は死を求めても与えられず』という記述だったけど、今度は『口から出て来る火と煙と硫黄とによって、人間の三分の一は殺されてしまった』という記述だから、人間を殺傷する兵器を意味しているような気がするね。
『口から出て来る火と煙と硫黄』とは火薬を用いる大砲やライフル銃などの銃火器をイメージするよ。
そう、そしてさっきの石炭が鉄を作る熱源となったことで人間を殺傷する兵器を量産できるようにしたことが第一の災いと言っているのかも知れない。」
「確かにね。さっき感じた違和感の謎がこれで解けたような気がするわ。でも、『尾は蛇に似ていて、それに頭があり、その頭で人に害を加える』とはどういう意味かしら?」
「例えば機関銃をイメージすると、多くの銃弾を数珠繋ぎで装填できる弾帯は、蛇のように長くなり、それに頭と言える銃弾が付くから、このような描写になっているとしても違和感はないよね。」
「じゃあ、これは戦争を意味しているのかな? そうだとしたら、11章の例の太平洋戦争の前になるから第一次世界大戦を含む一連の戦争とすれば辻褄は合うわね。これは確かに大きな災い( 禍 )だけどね。」
「そうだね。19世紀辺りかな。確かに19世紀から20世紀は新しい技術が続々と開発され、それが逆に人災を及ぼした時代だったのかもね?
2つの災いとは、この第一次世界大戦と後の第二次世界大戦( 太平洋戦争 )を指しているのかも知れないね。
でも、11章にはその後に『第3の災いがすぐに来る』と書かれているけど、それが第三次世界大戦や核戦争といった類なら、その災いに関するような記述は見当たらないし、今のところはまだそれらしいことは起きていないと思う。」
ヨハネの黙示録の解読作業は、大地震のワードをピックアップすることで、11章を20世紀前半の太平洋戦争の記述だと見出し、その年代を基準として大地震やその他の象徴的描写から類推するというマナティたちの解読手法により、6章が十字軍の遠征していた12世紀頃のキリスト教の聖地でもあるエルサレム周辺での地震災害、8章が16世紀頃からの大航海時代が幕を開けてその開拓先となった18世紀の日本の南海トラフを震源域とする宝永地震や富士山の宝永大噴火災害、9章が石炭に象徴される19世紀に始まる工業化と公害、火薬と鉄を使用した銃火器による大量虐殺による戦争禍を予言していることを浮き彫りにして行った。
そうなると、11章の先にはこれからの未来に起こるであろう出来事の描写が込められている可能性が高い。
アンディがハルに言った。
「じゃあ、太平洋戦争の後には何が起こる?」
「えー、その後は、そう、朝鮮戦争が勃発して、38度線で朝鮮半島は分断され、ドイツもベルリンに壁ができて東西ドイツに分断されるわ。」
「そうだね。米国率いる自由民主主義陣営と、ソ連率いる共産主義陣営の対立する東西冷戦時代が続くよね。だから、12章にはそのことが書いてあるように思えるんだ。」
「そうなんですね。じゃあ12章はまだ未来の話じゃなくて、近年の話だってことね。ということは・・・、これからの未来のことはどこに書かれているんですか?」
「僕はね。千葉君と立花さんが波照間島で出会った出来事がこれからの未来を切り開いて行くきっかけになっていると思うんだ。
つまり、それは14章に書かれている『小羊がシオンの山に立っていた。・・・わたしの聞いたその声は、琴をひく人が立琴をひく音のようでもあった。
彼らは、御座の前、四つの生き物と長老たちとの前で、新しい歌を歌った。
この歌は、地からあがなわれた十四万四千人のほかは、だれも学ぶことができなかった。』というくだりの『新しい歌を歌った』という記述に象徴されていると思うんだ。
そして、15章の『またわたしは、火のまじったガラスの海のようなものを見た。
そして、このガラスの海のそばに、獣とその像とその名の数字とにうち勝った人々が、神の立琴を手にして立っているのを見た。
彼らは、神の僕モーセの歌と小羊の歌とを歌って言った・・・』という例の『ガラスの海』の記述もそうだ。」
「それって私たちが今進めていることじゃない?」
「そう、僕もそう思っている。僕らが新しい歌を歌って世界にこの潮流を浸透させていくことだと思っているんだ。」
「先生、私何だか胸が熱くなって来たわ。」
そう言うと、ハルの目からひとりでに涙がこぼれた。
「先生が病院に担ぎ込まれて来た時、私は一種の使命感を感じたの。この人を何としてでも助けなきゃとね。神にも祈ったわ。」
「君に救われた命だから僕は何としてでもこの潮流を世界に広めていくよ。」
「先生、私も及ばずながらお手伝いさせてもらいますね。」
「ありがとう。でも、君がいなかったら、これほどキリスト教の奥義に至るまで深掘りすることはできなかった。君たちと出会ったのは本当に必然じゃないかと思っているよ。もう遅くなるから送って行くよ。今日の成果は僕の方でアップしておくから。」
この日はハルが礼拝の帰りの電車で偶然アンディと出くわして、近くのカフェでアンディの解読作業を手伝ってもらっていたのだ。
アンディが12章から15章の大まかな構成についてグループLINEにアップすると、マナティも12章について彼の意見をアップしていた。
<マナティ>
「11章を太平洋戦争とすると、12章は戦後の話ですよね? だから『大きな赤い龍』とは『共産主義』を指しているように思うんですが、先生のご意見をお聞かせください。」
<アンディ>
「僕の意見も同じだよ。ということは、『太陽を着て足の下に月を踏みその頭に十二の星の冠をかぶって子を産もうとしている女』とは何を指すと思う?」
アンディはコメントを追加して、マナティに質問した。
<マナティ>
「その対極と考えると『自由民主主義』とかじゃないですか?」
<アンディ>
「その通り。正確には生まれて来る子が『自由民主主義』じゃないかと思うけどね。
多分、ヨーロッパでは17世紀にイギリスでピューリタン革命が起きて議会政治が始まり立憲君主制の下でイギリス産業革命が起き世界を席巻していく。
そして、18世紀にフランス革命が起きて人権宣言が採択され人間の自由と平等、国民主権などを謳うが、周辺の君主国が危機感を持ち干渉を加えて来たため、共和制を経て例のナポレオンが登場することになる。
また一方ではピューリタンの一派ピルグリムファーザーズを乗せたメイフラワー号がアメリカ大陸に辿り着き、18世紀末にはイギリスとのアメリカ独立戦争に勝利しアメリカ合衆国が誕生するわけだ。
したがって、子を産もうとしている女とは『自由の女神』に象徴されるピューリタンなどのキリスト教徒を中心とした民主化の流れを意味していると僕は思っている。
12の星の冠とは例のイスラエルの12支族などを象徴するものじゃないのかな。」
<マナティ>
「なるほど。比喩として語られる黙示録ですが、その記述内容は実はこれまで辿って来た歴史を如実に言い表しているんですね。
それじゃあ、『女は自分の場所である荒野に飛んで行くために大きな鷲の二つの翼を与えられ、そこで蛇から逃れて一年、二年、また、半年の間、養われることになっていた。』とは、荒野であった新大陸のアメリカに渡って、そこで自由民主主義が育ったことを意味しているんですよね?
だからアメリカ合衆国のシンボルには白頭鷲が描かれている?」
<アンディ>
「千葉君、君の言う通りだよ。僕もそう解釈するね。」
<マナティ>
「よかった。これでだいぶ現代に近づいて来ましたね。いよいよ佳境ですね。
先生の書き込みにもある通り、14章か15章辺りからこれからの未来の予言に踏み込んで行くことになるんですよね。
じゃあ、この調子で13章の解読を進めて行きますね。」
<アンディ>
「いよいよだな。千葉君よろしく頼む。でも、焦っちゃだめだよ。」
しかし、マナティは13章辺りで現代に突入し、いよいよ未来の扉が開かれると思うと解読作業に没頭し、思うような成果が得られないと焦らずにはいられなかった。
「ねえミオ、『龍に大いなる権威を与えられ、豹に似て熊のような足をし、獅子のような口をした一匹の獣が海から上って来る』って何を意味しているかわかる?」
「いよいよ、難しくなって来たわね。マナティそんなに深刻に考え込んじゃ逆効果だよ。一つ一つ順を追って進めたほうがいいんじゃない? まず、『龍』が何を意味しているかを考えてみたらどう?」
「そうだね。ちょっと焦ってたかな? 『赤い龍』を『共産主義』としたら、単に『龍』と言った場合、『自由民主主義』のもう一つの対極にある昔の専制君主や独裁政権が統治していた時代にも通じる『専制主義・帝国主義』と考えるのが妥当かな?」
「そうね。私もそういう気がする。そして、『獣が海から上がって来る』という表現だけど、『海から上がる』というのは海外から輸入された舶来品と捉えられないだろうか?
それを象徴する豹や熊やライオンの毛皮は拝金主義の一種のステータスになったと考えられるわ。」
「なるほどね。確かに日本でもバブル経済絶頂期などにはみんなヒョウ柄のコートなどに身を包んでブルジョア気取りだったのかも知れないね。」
「『ほかの獣が地から上って来るのを見た。
それには小羊のような角が二つあって、龍のように物を言った。
そして、先の獣の持つすべての権力をその前で働かせた。
また、地と地に住む人々に、致命的な傷がいやされた先の獣を拝ませた。』というのはどう解釈する?」
「『角が二つあって龍のように物を言う』というのは日本では『鬼』じゃない?
つまり、私情を挟まないいわゆる『鬼と化した企業戦士』よね。
そして、『致命的な傷がいやされた先の獣を拝ませた』というのは、戦争で壊滅的な痛手を負った日本が驚異的な経済復興を遂げ、その経済至上主義を他国が見習ったことを意味していない?
それに当時の日本人は『エコノミックアニマル』と言って揶揄されたわよね。」
「じゃあ、『ここに、知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。その数字とは、人間をさすものである。そして、その数字は六百六十六である。』とは?」
「『666』って、以前に『オーメン』とかいうホラー映画が流行った時期があったよね。その中で悪魔の数字として使われたような気がするけど。」
「えー、日本人は悪魔だって言うの?」
「いや、そういうことじゃないけど。ハルだったら何か知ってるかも知れないから聞いてみるね?」
ミオはこれまでの情報をLINEにアップして、ハルに確認した。
<ミオ>
「ハル、忙しいところ悪いけど、キリスト教で忌み嫌われている『666』という数字の意味分かる?」
<ハル>
「ここまでよく調べたね。
でも、『6』は黙示録に記されている『666』に象徴されるように悪魔を表す数字とされていて、『7』は一般的にラッキーセブンと言われるように好まれる数字だけど、その理由はよくわからないわ。
例えば旧約聖書創世記には『神は天地万象の創造をして7日目に休まれた』とされており、だからキリスト教では7日目は安息日として休む日となっているの。
神でも7日に1日は休みを取るわけだから生身の人間ならなおさら休まないと息切れしちゃうわよね。
『7』と『6』の違いはその辺にありそうな気がするけど。」
ハルが即座に返信してくれたので、それからは3人での会話となった。
<ミオ>
「なるほどね。じゃあ、『666』は休みなしが続くから働き詰めということになるのかな。やっぱり、拝金主義で経済至上主義の働き詰めを『悪』としているんじゃないかしら。」
<マナティ>
「僕に言えることじゃないけど、仕事が山積みで一生懸命働くことを『悪』としていいの?
そんなこと言ってたら世の中回らなくなるんじゃない?
休みたくても休めない時ってあるでしょ。
君たちみたいな医療従事者ならよくわかってるんじゃない?」
<ミオ>
「マナティお気遣いありがとうね。
私たちだって当然休めない時はあるよ。
でもね、始終休みなしじゃ心身がもたないし、ミスだって増えるし、仕事の整理や段取りも付けられないし、学びの場も得られないし、第一家庭生活や趣味や余暇との両立ができなければ何のために生きているのかわからなくなっちゃうよね。」
<ハル>
「ミオの言う通りだと思うわ。
つまり、人間は仕事のために生まれてきたわけじゃないでしょ。
もし、そうだったらロボットや奴隷と一緒になっちゃうわ。
あくまで仕事は人生を有意義に過ごすための『演ずる場・学びの場』だと思うの。
そりゃあ仕事がうまく行って達成感などを味わうことも意味あるけど、それが全てじゃないよね。
当然、お金を稼ぐだけの場でもないよね。
成長しない職場じゃつまらないでしょ。」
<マナティ>
「そうか、みんな人生の目的をしっかり持っているんだね。
僕も見習わないといけないなあ。
ところで、話を戻してもいい?
『獣の像を造ることを地に住む人々に命じ、その獣の像に息を吹き込んで、その獣の像が物を言うことさえできるようにし、また、その獣の像を拝まない者をみな殺させた。』という記述もあるけど、それはどう解釈したらいいのかな?」
<ミオ>
「まず、『獣』が何を意味しているかだよね? 私は、龍の手下で人間の心を持ってないものと捉えるわ。
だから、『龍』を専制主義や共産主義などとしたから、金儲けのためなら何でもするような拝金主義者で自由民主主義を否定し人権侵害する輩だと考えたいわ。」
<マナティ>
「なるほどね。じゃあ、『獣の像』とは何だろう?
金儲けのためなら何でもやっちゃうような為政者や経営者の銅像とかかな?
でも、『獣の像が物を言うことさえできるようにした』って書いてあるから、銅像に喋らせるってこと?」
<ハル>
「前にどこかの国の銅像が倒されたよね。でも、銅像は喋らなかったけどね。」
<マナティ>
「最近喋るようになったのは、ロボットとスマホくらいかな? でも、拝んだりはしないけどね。」
<ミオ>
「そうよ、ロボットやスマホじゃない?
つまり、AI( 人工知能 )のことだと思うわ。
そう言えば、会社の人事査定をAIにやらせているとかいう話を聞いたことがあるわ。
AIが間違わずにみんなに公平な判断を下せるというのならいいけど、AIを作るのは人間だから、AIを拝んでAIが命令を下すようになったら、以前にSF映画であったような惨状が起きかねないよね。
やっぱり、最終判断を下すのは人間じゃなきゃ。そのためのデータを揃えて間違いのない判断が下せるように支援するまでがAIの役目じゃないとね。」
<マナティ>
「いやあ、黙示録って凄いね。近未来のことを言い当てているのかも知れないね。
今日はありがとう。安藤先生にも十分伝わるように整理してアップしておくね。」
<ミオ>
「ハル、今日は忙しいのに急に参加してもらってゴメンね。」
<ハル>
「いいえ、どういたしまして。今日は有意義な議論楽しかったよ。」
そういう具合で13章の解読を終えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます