え!?サーペント!?
「はい…。先日、第一騎士団が討伐に出向いたのですが、ほぼ全滅状態で…」
「え!第一騎士団が!?」
「はい……。あっ、幸い死亡者はおりません。ただ、その。復帰が難しい者が多数いまして……」
ケツァルサーペント。ケツァルコアトルの名の一部を冠する、大型のヘビの魔物。牙には毒があり、鱗はそんじょそこらの剣では傷つかない。 とはいえ、倒せない相手ではない。鱗や牙は良い値で売れる。
そして、第一騎士団もケツァルサーペントに易々と追い込まれるような実力ではない。
第一騎士団は、5つある騎士団の中で最も強く、最も人数の少ない、少数精鋭の騎士団だ。
「サーペントかぁ…。ふ、ふふふ…」
「………姫様、まさか」
「一度食べてみたかったんだ!毒を避ければ問題はないだろう?城下町ではときたま、屋台で串焼きが売られているんだ!」
これこそが、執事の悩みだった。
ベルゼローナ第三王女は、倒した魔物を美味しく調理して食べるのが趣味なのだ。
興奮する主人を見て、執事は呆れる。
「第一団長。わざと姫様に言いましたね」
「ふふっ。ベルゼローナ王女ならやる気になってくれると思っていました」
「ちょっと……!」
「なあ、ロゼルト。いいだろ?第一団長も困ってるんだ。それにいつか、周辺に住む国民が襲われるかもしれないんだ。お前だって本望ではないだろ?」
正面の姫から頼み込まれ、左隣の第一団長から ( 笑っているようで笑っていない ) 目で圧をかけられた執事は、勝てなかった。
「っ…今回だけですからね」
「やっっったーーーーー!!」
「わー。おめでとうございます」
勝利した姫は急いで遠征の準備に取り掛かった。
そして翌日の早朝。
執事と第一騎士団団長と第二騎士団の1/3を引き連れて、ケツァルサーペント討伐に出向いた。
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