第11話 ギルドでの新たな仕事探し
翌朝、舞は早く目を覚ました。昨夜の決意を胸に、今日こそ新たな一歩を踏み出すと心に決めていた。朝の光が小屋の中を温かく照らし、彼女に一日の始まりを告げていた。
「今日はギルドに行ってみよう」
舞はそう決心し、準備を整えて小屋を出た。村の中心に向かう道すがら、彼女は村人たちに挨拶をしながら歩いた。皆の笑顔が、彼女に勇気を与えてくれた。
ギルドの建物は村の広場に面しており、大きな木製の扉が印象的だった。扉を開けると、中には多くの冒険者や村人たちが集まっており、活気に満ちていた。彼女は一瞬戸惑ったが、すぐに心を落ち着け、カウンターに向かった。
「こんにちは、仕事を探しています」と舞はギルドの受付にいる若い女性に声をかけた。
受付の女性は優しい笑顔を浮かべ、「こんにちは、舞さん。お待ちしていました。こちらへどうぞ」と案内してくれた。彼女は舞をギルドマスターの部屋に案内した。
部屋の中には、威厳ある中年の男性が座っていた。彼がギルドマスターであり、村の冒険者たちを統括している人物だった。
「君が桜田舞さんか。噂は聞いているよ。君の力が必要なんだ」とギルドマスターは静かに言った。
「よろしくお願いします。私はできる限りのことをしたいです」と舞は答えた。
「いい心構えだ。では、早速だが、いくつかの仕事を紹介しよう」とギルドマスターは机の上の書類を広げた。
ギルドマスターは幾つかの依頼を取り上げ、舞に説明を始めた。
「まず、これは村の近くの森で起きている魔物の増加に関する依頼だ。最近、魔物の活動が活発になっていて、村人たちの安全を脅かしている。君の力なら、この問題を解決する助けになるだろう」
「次に、これは村の防衛設備を強化するための手伝いだ。トーマスと協力して、防衛壁や見張り塔の建設を手伝ってほしい」
「最後に、これは薬草の採取だ。ミリアが新しい治療薬を作るために特定の薬草を必要としている。君の体力と速度なら、危険な地域でも安全に薬草を採取できるだろう」
舞はそれぞれの依頼を真剣に聞き、自分にできることを考えた。
「私は森の魔物の問題に取り組みたいです」と舞は決意を込めて答えた。「村の人々の安全を守るために、全力を尽くします」
ギルドマスターは満足げに頷き、「いいだろう。君の勇気と決意に期待している。必要な装備や支援はギルドが提供する。気をつけて行動してくれ」と言った。
「ありがとうございます。必ず成功させます」と舞は感謝の気持ちを込めて答えた。
ギルドマスターからの説明を受けた後、舞は森の魔物討伐に向けて準備を整えた。彼女はギルドの倉庫で必要な装備を受け取り、他の冒険者たちと合流した。
「こんにちは、君が桜田舞さんか?」と一人の若い男性冒険者が声をかけてきた。「僕はリック。君と一緒に森の魔物を討伐するチームに入った」
「よろしく、リック。私は舞。皆で力を合わせて頑張りましょう」と舞は笑顔で答えた。
リックの他にも数人の冒険者が舞のチームに加わった。彼らはそれぞれの役割を果たし、舞と共に森の魔物討伐に向かう準備を進めた。
「舞さん、あなたの力があれば、きっとこの依頼も成功する」とリックは自信を持って言った。
「皆と一緒なら、どんな困難も乗り越えられるはず。頑張りましょう」と舞は仲間たちに声をかけた。
準備を終えた舞とそのチームは、村の外れにある森へと向かった。森の中は薄暗く、静寂が広がっていた。彼らは互いに警戒しながら進んでいった。
「皆、気をつけて。魔物がいつ現れてもおかしくない」とリックが指示を出した。
舞はゾンビとしての力を駆使し、鋭い感覚で周囲を探った。彼女の体から漂う腐敗臭は薬草のおかげでほとんど感じられなくなっていたが、彼女の中には常に緊張が走っていた。
「ここからが本番だわ」と舞は心の中でつぶやいた。
その瞬間、彼らの前方に巨大な魔物が現れた。鋭い牙と爪を持ち、赤い目がギラギラと光っている。舞と仲間たちは即座に戦闘態勢に入った。
「さあ、皆で力を合わせて倒すぞ!」とリックが叫び、チームは一斉に攻撃を開始した。
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