第6話 検~tyousa~

 僕――星井照は普通の高校生…ではなく、少し変な高校生。

 ある日怪人に襲われて刀を握り断斬という戦士に変身するようになった高校生。

 今は後輩の友達がおかしくなったというからその生徒のところは行ったら怪しい指輪をしていて、それの写真をあるお店へ持っていき調べてもらっていた。

「店員さん、どうですかねこれ」

 後輩の森井華が店員さんの狐面を被った少女に話しかける。

「いやぁ…これやばいね」

「相手を段々と自分に依存させる効果がある」

「挙げ句の果てに装着者には強大な力が手に入るから装着者も外そうとしないから」

「新たな力とくれた人への執着で意地でも外そうとしないだろうね」

「さらにこれを流通させてるのがH&Hなんていうもんだから調べてみたら」

「身分の差に囚われず恋愛できるために力を的な目的だったんだけど」

「あれ怪人にさせてるんだね」

「あの野郎…なんでこんなこと」

「その感じだとどうやらトップのことを知ってるようだね」

「知ってるも何も俺の元カノだったんだよ」

「「――は?」」

 二人の声が重なる。

「いやぁ…ようわからん理由で振られたと思ったら怪人作って暴れてるなんて思わんやろ普通」

「戦ったことがあるのかい?」

 魔狐が質問したくる。

「あぁ、負けたけどな」

「今の俺じゃ弱すぎる」

「それよりも今はあの指輪をなんとかする…というか小雨さんを助けるのが先だろうね」

「あと先輩」

「気になってたんですけど、なんでそんな口調がコロコロ変わるんですか?」

「あ~なんでだろ」

「喋りやすい喋り方で喋ってたらこうなってた」

「そうなんですか…」

「それじゃあありがとうな、魔狐」

「あとは頑張るわ」

「頑張って」

「一応もう少し調べてみるわ」

「もしかしたら、あれを負の側面なしで使えるようになるかもしれないし」

「わかった」

 そうして店を後にする僕と森井さん。

「さて、これからどうしたもんか」

「一旦探すしかないですよ」

「手がかりを?」

「いや、小雨ちゃんを」

「まぁどうにかしてあの指輪壊せばいけそうだしな」

「とりあえず明日もう少し話を聞いてみますね」

「わかった」



 次の日、僕たちは学校にいた。

「あー今日選択かぁ」

「嬉しいなぁ!」

「わかる!」

 友人の東と話をする。

「あ、そうだ」

「聞いてくれよ照」

「どうしたの?」

「最近さ、やばい指輪を見たんだよね」

 一瞬ドキッとする。

「すごい黒色の指輪でね」

「なんかめっちゃかっこよかったんだけど」

「でもなんか…オーラ?みたいなのが出ててやめた」

 ホッ…と胸を撫で下ろす。

 流石に東まで向こうに回ったらやってられないからな。

「ちなみにその指輪ってどこでみたの?」

「この間行った寿司屋かな」

「あそこのお寿司美味しんだよね」

「一応場所は送っとく」

 小雨さんの情報と一致する。

「でもあそこ滅多にやってないんだよね」

「ありがとう!」

 そうして僕は急いで森井さんの元へ向かう。

「照のやつ……そんなに寿司が好きだったか?」

「今度美味しいところ連れてってやろうかなぁ」



「森井さん!寿司屋の場所わかったぞ!」

 1-1の教室に突っ込む。

 すると他の1年が困惑の顔で見てくる。

 森井さんを冷やかしてる人もいるっぽい。

「ちょっ先輩!恥ずかしいんでちょっと!」

 顔が赤い森井さんが止めにくる。

「あっちょっせっかくわかったのに!」

 そうして教室の外に追い出される。

 クラスからはキャーキャー聞こえる。

「と、とりあえず店主のことを探りますか?」

「そうだな、とりあえず場所は共有しておくな」

「…頼むからミイラ取りがミイラになるなよ?」

「わかってます!」

「それじゃあ一旦今日行ってみようぜ」

 そうして放課後、僕らはその寿司屋に来た。

「……やっぱりやってないか」

「そうみたいですね」

「でももしかしたら中で用意してるかもしれないから、何も気づいてないことにして入るか」

「えっそうするんです?」

「あぁ」

 そう森井さんに言うと扉を開け中に入る。

「すいません今日ってやってますかね?」

 すると小雨さんの言う通りイケメンの店主が対応してくる。

「今日は休みなんですよ~すいません」

「後扉に書いてありますよ」

「本当ですか?見落としてました」

「それとお連れのお嬢さん、可愛いですね」

 森井さんに話しかけてきた。

「えっあっ私ですか?いや~それほどでも~」

 そういう森井さんの横腹をつつく。

「そんなお嬢さんにはこの指輪をあげよう」

 正体表したね。

「良かったな、もらえば?」

「は、はい、ありがとうございます」

 しかし別に漆黒というわけではないな。

「それじゃあ」

 僕達が店を出た後、

「もしかしてあの指輪に勘づいたか?」

「まぁそんなわけないか」

 と呟く店主に僕らは気づかなかった。

「しっかしこの指輪……どうやったらあんな黒く染まるんだろうか」

「感情とかですかね?」

「あーなるほど?」

「ってことは小雨さんはなんかやばいほどの感情があるとかなのかな?」

「あの子色々闇深いしなぁ」

「多分あの子も何かで叶わない恋があったとかじゃないですかね」

「にしてももしそうならヤンデレ的な存在ってことに……」

『死ねい!断斬!』

「まじかよ!」

 華を抱えて避ける。

「危ねぇだろうが!」

『殺すきで攻撃したのだ』

『危なくないわけがないだろう?』

「零!頼む!」

≪よっしゃあ!≫

「全てを斬り捨てる者、断斬!」

「その力を解放せよ!神剣・零!」

≪融合・承認!≫

「フェーズ2!」

「フェイスオン!」

 フェーズ2……重火力形態へと移行する。

「ノイン・ガトリング!」

 指の先から銃弾を繰り出す。

 それは着弾すれば爆発する弾なため、エネルギーシールドで防いだ怪人はダメージを受ける。

「どんなもんよ!」

『やはり皆が言う通りバカにならんな』

「なるほどね?俺のことは共有されてるんだ」

『流石にな』

『我らの脅威2人のうちの1人だからな』

「もう1人は魔狐か?」

『あぁ』

「そうか」

「よかったな」

『何?』

「もう既にお前は両方に会ってるんだからよ!」

 そう叫ぶと同時に怪人の背後から魔狐が

「狐狗狸燦!」

 動物型のエネルギー弾をぶつける。

『何?!』

 そのままこちらに飛んできた怪人を

「おらよ!」

「ショルダーキャノン!」

 肩に掲載されているキャノンを真正面からぶつけてやる。

『ぐっ……人間風情が!』

 空中で体勢を立て直した怪人は両腕をこちらへ向け。

『キャンドル・フレイム!』

 炎のエネルギー弾を撃ち放ってくる。

「おおっと」

 俺は足にタイヤを生成し回避する

「そんなのは当たらないわよ!」

 魔狐はフィジカルで避けている。

 やっぱこの形態フィジカル弱いからそれどうにかしたいなぁ。

「しかしお前が炎使いなら!」

海神弾ワダツミストライク!」

 両肩のショルダーキャノンか高圧の水流を放つ。

「あんた…ほんとなんでもできるのね」

 魔狐が困惑している

『ぐっ…お前なんかに負けるわけがないだろう!』

『キャンドル・スライサー!』

 炎の刃を海神弾を避けながら飛ばしてくる。

「やべっ!」

 肩のキャノンを斬られてしまう。

「んもう何やってんのよ!」

「喰らいなさい!」

妖狐の魔弾キュウビ・ストライク!」

 今度は九尾の狐のエネルギー弾が怪人めがけて飛んでいく。

『このキャンドル・サービスに!』

『よくもよくもよくも!』

 どうやらあいつはキャンドル・サービスというらしい。

『フレイムノヴァ!』

 極大の火炎弾を形成するキャンドル・サービス。

「まじかよ!」

「華!逃げろ!」

 華に逃げるように指示するが動けそうにない。

「零!フェーズ0だ!」

≪え?≫

「いいから早く!」

≪わ、わかった!≫

 鎧武者の形態に戻る。

 しかし顔には零という文字と刀があしらわれたフェーズ1、2のような装備が装着される。

「はぁぁぁぁぁぁ!」

「断罪剣・嵐!」

 刀に竜巻を纏わせる。

「一・刀・両・断!」

「オラァァァァァァァ!」

 火炎弾ごとキャンドル・サービスを真っ二つに斬り捨てる。

『流石…皆んなを仕留めて来ただけあるな!』

 そういうと同時に爆散するキャンドル・サービス。

「やっべぇ…死んだかと思った」

「…ごめんなさい、もう行かなくちゃ」

「わかった」

「今回は助かったよ」

「どういたしまして」

 そう言い煙となり消える魔狐。

「よし、あとは店主を問いただすだけだな」

「えっあっうん!」

「?」 

「それじゃあまた明日」

 そう言って走り去る華。

「なんだったんだ…」


























「…なんで」

「なんで私の指輪、少し黒くなってきたの?」

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