第7話 飾~neckless~
僕――
とある事情から刀とともに戦うようになった高校生。
「あの指輪どうすりゃ壊れんだよ」
キャンドル・サービスと戦闘した後
「あれ物理攻撃だいぶ軽減するみたいよ」
そう伝えてくるのは
「いやぁ……これやっぱり本人に外させないときつい感じか?」
「でしょうね」
「でも小雨ちゃん外さないみたいで、寝る時すらもつけてるんだとか」
後輩の
「よく知ってるな」
「向こうの親とも交流あるので」
「なるほどな」
「しかしあの指輪……どれほど出回ってるかもありそうだな」
「そうね」
「でも一旦はここまでが限界ね」
次の日、僕と友人の
「そういえばこの店の近くであれに巻き込まれたよな」
東が話しかけてくる。
「あ~あの怪人の時な」
「……二人とも怪人に会ったんですか?」
「あぁ、
東が何気なく言う。
「すると藤野さんも?」
僕が藤野さんに聞くとコクリと頷いた。
「何回か会ったことというか襲われたことがあるんだけど」
「何も覚えてないんですよね」
「覚えてないって?」
「怪人に襲われたところまでは記憶があるのだけど、そのあとどうやって逃げ切ったかとか」
「なるほど……まぁ」
「誰かが助けてくれたんじゃないの?」
「魔……じゃなかった、狐面の少女とかさ」
「狐面?」
「僕と東が怪人にあった時に助けてくれたんだよ」
「な?東」
「あぁ、めっちゃかっこよかった」
「かっこいい……へへっ」
何か小声で藤野さんが言う
「どうした?」
「い、いや、何でもないです!」
「「?」」
僕と東は頭の上に?が浮かぶ。
「知り合いだったりするの?」
東が質問する。
「いや?私の名前と見た目が似てるなって」
「確かに狐どうしか」
ついでに名前も似てる……まさかね?
「それよりも、最近有名な指輪をくれる寿司屋って知ってるか?」
東が急に聞いてくる。
「最近SNSではやっててな」
「すごく綺麗な指輪をくれるんだけど」
「人によって指輪の色が白~黒の間で変わるらしいんだ。」
「そんなお寿司屋さんあるんですか?」
「そこには行くなよ?」
「どうしたんだ?照、珍しく怖い顔をして」
つい怖く言ってしまったらしく東と藤野さんが少し驚いてる。
「いや、あの指輪やばいらしくてな」
「後輩の友人が狂ったようにつけっぱなしらしい」
「何それ……怖いですね」
「特に女性に渡すらしくてな」
「藤野さんは気をつけてな」
「やっぱり
「そうかな?」
「元に戻ったね」
昔戦闘する時の口調で色々な人と接してたせいで嫌われて、いじめられたけどやり返したせいで誰も関わらなくなったからなぁ。
今となっては懐かしい記憶だけど。
「ま、多少はね?」
「あっここ」
そうして僕は話をずらすように目の前の雑貨屋を指さす。
ここは僕が
その勾玉のおかげで零の声が聞こえたし、怪人どもの言葉がわかるようになったんだよね。
「ん?Open?」
「すまん藤野さん、ちょっと覗くわ」
「えっちょっ」
藤野さんに前止められたけどそれでもちょっと気になることがあり入る。
「いらっしゃーい」
そうするといつも通りの声で魔狐が対応してくれる。
「やっほー」
「今日は友達と一緒ね」
「友達いたんだ」
「ちょっと!失礼だなぁ!」
「ごめんごめん」
「いつもあの子といるから」
そう話していると
「あの子って誰だ?」
東と藤野さんが入ってくる。
「あー後輩だよ」
「さっき話しただろ?」
「今相談受けてるんだ」
「それよりも」
「藤野さん、何でそんな気まずそうなんだ?」
「いや……その」
「あー、それはね」
「貴方の名前と私の見た目が似てるからでしょ!」
「よくわかりましたね……」
「そりゃ色んな人見てるからねぇ」
「天狐と魔狐かぁ」
「なんか関係あるかと思ったんだけどなぁ」
そう小声で呟く。
「それよりも今日はどんなようで?」
魔狐が聞いてくる。
「いやぁ……またなんかいい小物ないかなって」
「貴方そういうの好きだっけ」
「結構好きだぞ」
「なんかかっこいいじゃん」
「照はまだ厨二病なところあるからなぁ」
「東!」
「悪い悪い」
「別に悪くないと思いますけどね」
「藤野さぁん……!」
「あっちょっと、こっちに来ないでください」
「んな……まぁ俺男だししょうがないか」
「納得までが早いな」
「このネックレスいいなぁ」
「ちょっと欲しいかも」
藤野さんが呟く、東はきょとんとしてるから多分聞こえてない。
「お客さんお目が高いね!」
魔狐が嬉々として説明している。
きっと客来ないんだろうな。
「このネックレスには色々なものと会話できるようになる呪いというか魔法がかかってるんだ!」
「別に取れなくなるとか依存性があるわけでもないし、聞こえるって言っても虫とか動物くらいだから気にしないで!」
「じゃ、じゃあ買ってみようかな……」
数分後、藤野さんは嬉しそうな顔をして店を出ていくのだった。
その後の帰り道、早速つけている藤野さん。
「藤野さん似合ってるじゃん!」
「それな!天狐にあったいいものだと思うぞ!」
ちなみにネックレスの見た目は狐の尻尾、多分東は名前から似合ってるって言ったんだろうなぁ。
「そ、そうですかね?」
いつのまにか敬語にもどっている。
「別に敬語じゃなくてもいいんだぞ?」
「い、いや~まだ慣れなくて」
「そうかぁ」
ほのぼの会話しながら歩く。
零に会わなかったら、きっとこんな感じの日常だったのかもしれないな。
『見つけた』
「?!」
「どうした、照?」
「急ぐぞ!」
「走れ!」
俺は急いでみんなを走らせる。
「ど、どうしたんだよ!」
「急に走らせるとか準備できてないから結構きついんですけど!」
「すまん!でもお前らを助けるためにこれしかないんだよ!」
『逃がさない』
「やっぱり速いよなぁ!」
俺は自分たちの上を飛ぶ怪人を見て言う。
「何が狙いなんだよ……」
『あの人をこちら側に引き抜くためにはお前が必要なんだよ』
『藤野天狐』
「まじかよ!」
「照……あいつの言ってることがわかるのか?」
「今はそんなこと気にしてる場合じゃないだろ!」
「天狐が狙われてる!東、そいつを連れて逃げろ!」
「いやいや!お前はどうするんだよ!」
「どうにかなるさ」
「逃げんぞ!天狐!」
「なんで……」
「早く立て!」
「声が……言ってることがわかるの?」
「あのネックレスそういうことかよ!」
「東、担いででも連れてけ!」
「お、おう!」
「怪人……俺が相手だ」
『まぁいい』
『お前も確保せよと言われてるからな』
「はぁん?哀の野郎……まだ付き纏ってくんのか」
『貴様が邪魔するのも原因だがな』
「んで、お前はなんで名前なんだ?」
『私の名前はタキシード』
『お前を倒す』
「どの口が!」
「零!一気にカタをつけるぞ!」
≪了解!≫
「全てを斬り捨てる者、
「フェーズ0!」
≪融合・承認!≫
そうして鎧武者のようなアーマーとヒーローのような仮面を被った戦士、断斬となる。
「つまらなくあるなよ?」
「
刀に雷を纏わせ振り下ろすと同時に雷を相手に放射する。
『うぅむ、確かに痛いな』
『ならば!』
『ウェディング・シュート!』
相手の指と足から20本のビームが飛んでくる。
「数多すぎるだろ!」
「
自分の周りの空間を削り取りビームをかき消す。
『それはアリなのか?』
「全てを斬り捨てる者なんで」
≪使ってみてわかると思うが連発したら体が持たないからな、気をつけるんだぞ≫
「わかってる」
タキシードには無反応のように見せかけているが実際はすごい反動があり、零の言う通り使いすぎたらほんとに体が持たないだろう。
使い所はきちんと見よう。
『ならば、斬り捨てきれない量の弾幕を出すまでだ!』
「やってみろ!」
『ウェディング・スプレッド・シュート!』
より広い範囲に弾幕が飛ぶ。
その時
「なんだ?これ」
世界がモノクロになり相手の動きがスローモーションになる。
「っ!見切った!」
「
真っ直ぐに飛び込み刀を真っ直ぐに振り下ろす。
『んな……普通は焦って変な行動を起こすと言うのに』
『よくも見切ったな』
『その調子だぞ、少年!』
そう言い残すと爆散するタキシード。
「どうやってあいつらに言い訳しようかなぁ」
「天狐!さっきは大丈夫だったか?」
俺――
「わかんない……なんであの化け物の声が!」
天狐はどうやら俺にはわからなかった怪人の言葉が理解できて困惑しているようで地面にへたり込んでしまった。
「落ち着け、きっとあのネックレスのおかげだ」
「おかげ?なんで感謝しなきゃなのよ!」
「あのネックレスのおかげでお前が狙われてるのが自分自身でもわかったんだろ!」
「なら助けてもらったんだよ」
「……それもそうね」
「ごめんなさい取り乱してしまいました」
「別にタメでいいっての」
「じゃあそうさせてもらおうかなぁ?」
「あっお前さては馬鹿にしたか?」
「してないわよ!」
逃げる天狐を俺は追いかける。
「お前顔真っ赤だぞ!」
「うるさぁい!」
言い争いをしながら二人で楽しむのだった。
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