黒指輪編

第5話 求~soudan~

 僕――星井照ほしいてるは普通…とはちょっと違う高校生。

 ひょんなことから出会った刀と融合して怪人と戦うちょっとした高校生。

 一応僕の正体を知っている人は1人だけ。

「先輩!きちゃいました!」

 森井華もりいはな、高校1年生で僕の一個下の後輩。

 ケーキカットという怪人から助けるときにばれてしまった。

「華はよく照に会いに来るなぁ」

 東雷豪あずまらいごう、僕の数少ない友達ですぐに人と仲良くなる。

「物好きもいるもんだねぇ?」

「ひどいこと言わないでよ、東」

「悪い悪い」

「珍しいもんだからからかいたくてな」

「やっぱりひどいじゃないか!」

「それでですね…ちょっといいですか?先輩」

「ここじゃ話しづらいんで」

「――わかった」

 そうして僕と森井さんは体育館裏に行く

「話しづらいって、怪人がらみか?」

「いや、まだそうと決まったわけじゃないんですけど」

「最近友達が変で」

「友達が?」

「はい、衣笠小雨いかさこさめっていう子なんですけど」

「ほう?」

「なんか前に黒い指輪を持ってきたんです」

「したらそれ以降なんか変で」

 …黒い指輪、そういえばあいつら結婚の名前がついていたような。

「――エンゲージリング」

「先輩?」

 どうやら思っていたことが口に出てしまっていたようだ。

「いや、あいつらの名前が全部結婚だったから」

「もしかしたらって」

「なるほど?」

 僕なりの考察を森井さんに伝えてみる

「じゃあその怪人を探せばいいってわけですね」

「あぁ、でもいったん小雨?さんに会わせてくれるか?」




 その日の放課後、小雨さんに会いに1-1に行ってみる。

「えっと…あなたが華ちゃんの友達の先輩さんです…か?」

「えと…華ちゃんがお世話になってます」

「…これが変なのか?」

「いや、この口調はもとからなんですが」

「もとからなのか」

「ひぃっ!ごめんなさい気持ち悪いですよね?」

「いや悪い、そんなことないぞ」

「森井さん、続けてくれ」

 僕は続きを言うよう促す。

「まぁ見てもらった方が早いんですけど」

「小雨ちゃん、あの指輪見せてくれる?」

「あ…この指輪ですか?」

 そうして漆黒に染まっている指輪を見せてくる

「この指輪は誰からもらったんだ?」

「えっと…顔は忘れちゃったんですけど」

「とにかくイケメンでした」

「大好きなイカ料理を頼んだら」

「お嬢さんかわいいね、おまけでこれあげるって」

 …こりゃ別に普通なんじゃ

「なんかこれを持ってると落ち着くっていうか…自信がつくっていうか」

「よかった…のか?」

「別に変じゃないじゃないか」

「いや!えーとそうじゃなくて!」

「なんか最近いつにもましてぼーっとしてるし」

「なんかずっと乙女みたいな顔してるんです!」

「いや、それ普通にそのイケメンさんに恋してるだけじゃ」

「この子恋愛のれの字もないんですよ!」

「だいたいこんな黒いリング、何かあるにきまってます!」

 すごい表情で鬼気迫る森井さんに少し引いてしまう。

 いやこの子こんな感じに焦ることあるんだ。

「いやそんなこと言っても」

「なら、一回あの人に見せるかぁ」

「あの人?」

「知り合いと言ったらあれだけど」

「ちょっとしたお店を営んでる人がいてね」

「胡散臭いけど多分そういうのには詳しいと思う」

「だから、小雨さん、一回それを貸してくれないかな?」

「あ”?」

「え?」

「私の大事なもんに触れようとすんじゃねぇよボケがぁ!」

「大体なんだよ聞いてりゃさっきからよぉ!」

「なんだ?ぼーっとしてちゃいけねぇのかよ!」

「ごめんよぉ指輪ちゃん、かわいそうにねぇ」

 な、なんか

 なんか性格めっちゃ変わってるんですけどー!

「森井さん!この子どうしちゃったの?!」

「もう一つのおかしな点ってのかこれなんですよ!」

「なんか指輪のことになると性格変わるっていうか」

「いや、前まで怒るとめっちゃ怖いのはそうだったんですが」

「指輪に以上に執着してるっていうか…」

「なるほど、こりゃ異常だな」

「あ”?異常じゃねぇって!」

「ったく、いったん帰らせてもらうぜ!」

 そう言い残してドスドスと帰ってしまった。

「こりゃ面倒くさくなりそうだな」

 そう僕は確信するのだった。

「ってそんな考え込んでるよりも追いかけましょうよ!」

「そうだな、すまん!」

 僕と森井さんは急いで小雨さんを追いかける。

 すると小雨さんはある路地裏に入っていく。

「路地裏…一体何を」

「えっと…なんでついてきてるんですか?」

 そう僕と森井さんの方を向いて問いかけてくる小雨さん。

「いや?単純に…」

 そう言いかけた時

『友人の邪魔はしないでほしいな』

 空から怪人が降ってくる。

「やっぱりお前らがらみかぁ」

『流石の貴様も予想がついたようだな』

『人間風情が…我々の邪魔を』

「よし、こい!零!」

≪任された!≫

「そういえばなんだが、あの姿に名前ってあるのか?」

≪あるぞ≫

「なんで名前なんだ?」

≪名前は断斬だんき

≪全てを斬り捨てるものだ≫

「なるほど、呪文って変えれるんか?」

≪可能だ≫

「なら、全てを斬り捨てるもの、断斬で行こう」

≪了解!≫

「全てを斬り捨てるもの…断斬!」

「神剣・零よ…その力を解放せよ!」

≪融合・承認!≫

「フェーズ1!」

 そうして軽装の鎧が俺の周りに纏われ

「フェイスオン!」

 刀と壱があしらわれた頭部装甲が頭につく。

「かかってこいよ!」

『小雨、急いでここから去れ』

「は、はい!」

「華!追いかけろ!」

「こいつは俺がなんとかする!」

「えっあっはい!」

 逃げた小雨を追いかける華。

「これで一騎打ちだな」

『さて…断斬と言ったな』

『私はチャペルH&Hヘルアンドヘブンの尖兵だ』

「やっぱりな!」

「ぶちのめしてやるよ!」






 



 私――森井華は友達の小雨ちゃんを追いかけている。

「待ってよ小雨ちゃん!」

「なんで追ってくるんですかぁ!」

「私は小雨ちゃんが危ないと思って!」

「もうほっといてくれよ!」

「お前には何も関係ないだろうが!」

「小雨ちゃん…」

繧医¥險?縺」縺よく言った

「え?」

「怪人…」

 そうだ…怪人が一人な訳がないんだ。

 それなのに追いかけて…馬鹿だ。

「あ…あぁ」

 地面にへたり込んでしまう。

「誰か…助けて!」

隱ー繧よ擂縺ェ縺?◇?誰も来ないぞ!

「じゃあ助けてあげる!」

「え?」

 声が下方向を見ると

「狐…面?」

「魔狐って呼んでほしいな!」

 そう言いながら降りてくる魔狐さん。

雋エ讒倥?窶ヲ縺ゅ?迢舌°?きさまがあの狐か?

「最近やっとあんたらの言ってることがわかったよ」

「でもね…私はただの狐じゃないわよ!」

「九尾の狐よ!」

 そう魔狐さんがいうと後ろに9本の尻尾のようなものが現れる。

「化かし…化かされ…その末路はいかなるものか!」

「狐狗狸燦!」

 狐、狗、狸のエネルギーが怪人へと向かっていく。

『|蜿励¢蛻?l繧九′窶ヲ縺薙l縺ッ蟆代@荳榊袖縺昴≧縺?《受け切れるが…流石に不味そうだな》』

「へぇ?あんたらもそういう判断はできるんだ」

「私も日に日に強くなってるからね!」

「あんたらにだって攻撃は通るのよ!」

謦、騾?縺吶k?撤退する!

 そう言い残すと同時に煙が発生して気づけば小雨ちゃんごといなくなってしまった。

「貴方も災難ね」

「それじゃ、私はこれで」

「待ってください!」

「ん?どうしたの?」

「貴方が星井先輩が言ってた店員さん?」

「もしそうなら、小雨ちゃんのしてた指輪について調べてほしいんです!」

「参ったなぁ…そういうのは受けてないんだけど」

「写真なら前に撮ったのであります!」

「お願いします!」

「~んもう!」

「そういうのに私弱いのよ!」

「わかったわ、やるだけやってみるわね」

「ありがとうございます!」





 俺――星井照は少々苦戦していた

「お前速くないか?」

『貴様が遅いだけだ』

「これでもスピード系のフェーズなんですが」

『貴様は…周回遅れってやつだ!』

「零!なんかないのか!」

≪あるぞ!≫

速化チューンアップ・スピードって言えば使える≫

「速化だな、よし」

≪ただ速いから気をつけ…≫

速化チューンアップ・スピード!」

 するととてつもないスピードで体が動き始める。

「あぶね!」

 速すぎてビルに衝突しそうになったのを住んでのところで止める。

≪だから言ったのに、十分気をつけて使えよ!≫

「慣れるまで時間がいりそうだな」

「もう一回!」

 そうしてチャペルを上回るスピードで攻撃を加え始める。

『んな…お前が私の速度を上回るなど!』

「ふん!これで決めさせてもらう!」

真紅の衝撃クリムゾンブレイク!」

 超高速でチャペルに連撃を仕掛け、

「落ちろ!」

 心臓を貫く。

『なるほど…人間バカにならんとはこういうことか…』

 そう言い残し爆発四散するチャペル。

「…疲れたぁ」

 変身を解く。

「先輩!」

「森井さん!」

「あ、呼び方戻ってる」

「それよりもその感じは」

「逃げられました…」

「だけど、狐面の店員さんに写真を渡したからどんなものか調べてくれるって!」

「ナイス!明日明後日あたりに聞きに行こうか」

「はい!」






























「そろそろ新しい人たちを増やしたかったから、あの子の作戦は助かるわ」

『ですが…いいのですか?無関係な人間を巻き込んで』

「全員恋の悩みをしている人たちにしか渡していないから」

「問題はないわ」

「私たちは家柄に囚われず自由に恋愛できる世界を…」

『そうでしたね』

『だから私たちが惹かれたんですが』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る