第7話 ダンジョン配信その2
ボス部屋の5階層を降り、6階層に着くが敵は少し強くなった4階層と言われるくらいには余り変わらないので、魔力を纏わせた手刀で首を切り飛ばし先に進む。
7階層に進む前にふと気になってシルキーに尋ねる。
「視聴者は何人かのう?まだ始めたばかりじゃからおらんのかの?若しくは一桁くらいには伸びたかの?」
聞かれたシルキーは
「いえ、今現在配信開始から1時間で三桁を超えてなお勢いは止まりません。今の勢いのままもう1時間経てば四桁は固いでしょう」
とマスターである天華へと言葉を返す。
「何と!もうそんなに来られたのかの!…ホントかや?」
「配信画面見ます?マスター」
そう言ってマスターである天華に配信画面(リアルタイムに数値が変わる視聴者の画面)を見せた。実際に視聴者数が配信1回目とは思えない程に上がり続けている。コメントには、
:漸く気が付いたみたいだ。
:スライムを魔力を纏う魔功をして足で天井に蹴り飛ばし、ゴブリン、コボルトを一刀のもとに首を切り飛ばしボスのホブゴブリンはゴブリンに毛が生えた程度とは言えボスなのだから強いはずが一瞬で両腕を切り飛ばし直ぐに首を切り飛ばすやべー奴を見ない奴はいないと思う、多分。
:同上
:てか切るとき腕見えなかった。
:確かに
:スゴスギ
等多数の好意的な意見が散見された
「こんなにおるとは思わなんだ。おるのであれば自己紹介をしようかの!」
自分が見ていた画面を見えなくしてからカメラの前に少し胸を張り、右手に扇を持って口を隠し、左手を腰に当て自己紹介をする。
「妾は、狐楽院天華。このモフモフダイスキチャンネルの運営者じゃ。宜しゅうのう、皆の者。」
と自己紹介をしたが、視聴者には姿は少女や幼女と言っても差し支え無いはずなのに、妖艶な色香を感じた者が少なからずいた。
:…なんだったんだ?今の?
:?只の自己紹介だろう?メスガキ風味の
:一瞬色香を感じたんだが?
:気のせいだろ。
と感じた人が一桁くらいでそれ以外は気付かなかった。
「インパクトは大事じゃからのう。それでは先に進むのじゃ。」
:何かさっき違和感が…
:気のせいだろ…気のせいだよな?
:のじゃロリカワユス
:天華タソprpr
:キモいからヤメーヤ
等コメント同士で話している中、天華は7階層に降り立つ。
7階層は森林地帯と草原地帯がランダムに配置されたエリアでの全ての方角の端に岩壁無限に続いている様な気持ちにさせるほど高くそびえ立つ変な造りのフロアだ。
このフロアは普通はウルフが1匹~3匹程度の群れを形成して行動している。極稀にウルフリーダーがいて10~20
「おー。凄い数のウルフが来ておるのう。」
100匹を越えるウルフがこちらに突撃してきた。
「始末するのは面倒じゃのう…」
:いや、それ以前に勝てるわけねーだろうが!だから逃げろ!
:ぼ、冒険者協会連絡を!
:何ボーッとしてんだよ!早く逃げろよ!
「
刀で戦うのは至極面倒なので刀を時箱に収納して魔功を両手両足にて行い、更に身体強化、攻防と素早さにかなりのバフを掛けて此方も突撃する。会敵したウルフは全て首を一撃目に切り飛ばされた。違いは蹴りにて切り飛ばされたか、手刀にて切り捨てられたかのどちらかである。
:うわぁ…
:凄惨な場面なのに余り気分が悪くならない不思議。
:血と死体が残ってないからかも
:何か演武に見えてしまう。それくらい美しい。
一部魅入られる者が現れるもウルフを計235匹討伐した。経過時間は1時間も掛かっていない。
:おいおい…全部倒しやがったぞ、こいつ。
:しかも全ウルフ、首を切り飛ばされていやがる…
:ヒェェ…
:天華ちゃん息乱れてない相当鍛錬を積んでから来たのか?
コメント欄は阿鼻叫喚の様相を呈している。
「さてと、居るのであろう!この群れのリーダーよ!妾と勝負じゃ。まさかウルフのリーダーがいぬの様に尻尾を巻いて逃げるのかや!」
叫ぶ様にウルフの群れのリーダーを煽ると森から1匹のウルフが出て来た。その姿は新雪の様に白く美しい毛並み、若草の様に明るい緑色をした瞳、大きさはこの辺りのウルフと変わらないが、このウルフからは只のウルフには無い圧を感じる。それが気になり、魔眼の女神を使い魔物鑑定をする。
フェンリル(幼体)
レベル9
名前無し
HP 1,200
MP 900
ATK 2,700
DEF 1,000
INT 900
RES 2,900
SPD 3,000
スキル
創世級
┗敵を攻撃時ステータスやスキルをランダムに3つ強奪。スキルは神話級からした、ステータスは1回につき最初のステータスの1%を戦闘中奪い、戦闘に勝利した場合そのステータスとスキルは自分のものになる上に創世級スキルも全て奪える。創世級スキルの耐性はこのスキル発動時無効になる
戦闘に敗北した場合全てを戦闘に勝利した相手にスキルとステータスを捧げ死ぬ。
遺物級
嵐魔法
泥魔法
雷魔法
希少級
水魔法
風魔法
土魔法
光魔法
主人公の現在のステータス
狐楽院天華
レベル20
HP 3,000
MP 8,000(スキルの効果で実質∞)
ATK 5,000
DEF 6,000
INT 7,000
RES 6,500
SPD 6,000
「ほう!幼体とは言えフェンリルとな!」
:まじ!?
:うおっ!?マジかよ!?ヤベー今回初回にしてじ神回ゃないか!?
やる気を滾らせる天華だがフェンリルの幼体は怯え腹を見せている。勝負をする前に勝敗が決してしまった。
「…こやつ、即座に降伏しおった。まあ良い弱いのであれば育てれば良い。のう、フェンリルの幼体よ妾の配下にならぬか?」
「クゥン…、ワン!」
少し考え首肯した。
「よかろう!お主を妾以外に勝てる様に一緒に頑張ろうぞ!では、テイムするぞ。汝、フェンリルの幼子に名を与え、妾、狐楽院天華の配下とせん!汝の名はフェンリス・ヴォルフなり!!」
2人は光に包まれたが直ぐに戻った。
「これでお主は妾の配下じゃ。大切に育ててやろう」
「ワン!」
フェンリス・ヴォルフは主の胸に飛び込み、天華はそれを受け止める。
「フェンリス・ヴォルフは長いから愛称として『ルフ』と呼ぶ。これからよろしくのう、ルフや」
「ワン!」
そんな中コメント欄は
:裏山
:おいそこかわれ
:ロリの胸に…裏山ッ!!!
:フェンリ・スヴォルフかわいい。
:おいワン公そこ変われ下さい
:ロリコンが生えてきた!?
「おい、妾の僕を貶したりしたら麻酔無しで切るぞ。ナニを」
:ヒュッ!?
:ヒェッ!?
:今玉ヒュンした…
:やめてクレメンス
:そ、そうだよ(恐怖&便乗)
「まあ無駄な時間を使うだけじゃからやらんが、以後気をつけるのじゃ」
:ウッス
:ウッス
:ウッス
:ウッス
「…まあ良い。さてこの階層は突破したようなものじゃな」
そう言いながら8階層へと足を踏み入れる。
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