第9話 ツキ La luno
おや、猫が立ちどまった。家と家にはさまれたごく細い道の入口で、なにかの
猫が入っていかないように
あのなまけ
道が明るいのは、
その先に、コンクリートの低い
そしてそこで猫とわたしは、
猫はその半球体の匂をかぎ、
光を弱く
月なら
いまの月が
そして、しまったとあわてたものの、
まあ、まったく
わたしの考えを口にして、そうなんでしょう、と
もっと小さくはなれないの? と
あるいは写真に
このまま
大きく、大きく、
ぺろりと舌を出して口を舐め、ついでに前足を上げて舐めては、自分の顔を撫ではじめる猫。
驚いたわたしは、猫を抱きあげその口もとを見つめる。
お腹もさわって
ひとまず
出番が来たらちゃんと出してあげるのよ。
猫はちらりと目を
地面に下ろしてあげると、猫は
わたしはその
今夜のような出来事は、この町の猫たちには
うちの猫といい町の猫といい、わたしがお腹をなでてあげるたび、ぐるうぐるぐる、と
いま
もしそうだとしたら――この町は
Fino
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