　その宗教（しゅうきょう）に属（ぞく）する女性（じょせい）は皆（みな）、自（みずか）らを腐（くさ）っていると卑（いや）しめる。

　聞けば、薄（うす）い本を神（かみ）の象徴（しょうちょう）として崇（あが）める邪教（じゃきょう）で、千年（せんねん）も前から存在（そんざい）するらしい。

　いまに至（いた）るまで特定（とくてい）の国の国教（こっきょう）に定（さだ）められたことはないが、信徒（しんと）は世界中にいるという。

　ある日、親友（しんゆう）と思っていた女性から、自分は腐っていると告白（こくはく）されたのにはおどろいた。

　母（はは）にそれを相談（そうだん）したら、あら私（わたし）もよ、と薄く笑（わら）った。

　Fino

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