第3話 スキル

だいぶ森の奥まで進んだ。

もう少しで着くのだろうか。

なにか不思議な感じだ。

ん?横から音がする。


アダム《カルマ!モンスターだ!》


緑色のブニョブニョしたモンスターがいた。


カルマ《あれはトロイムだな。

トロいから基本的に無視されるしモンスターの中でも最弱だぞ。》


アダム《トロイムってさっきなんか聞いたな。

まぁ戦ってみるか!》


カルマ《ああ。俺武器持ってないからちぎらねぇとあいつ死なねえからな。》


アダム《武器持ってないとか戦う気あるのかよ..》


カルマ《やだよ重いし。拳で戦うんだよ!》


アダム《武器くらい普通もって...きた!》


トロイムが飛んできた!

おれはとろいむを掴み引きちぎろうとしたが

引きちぎれ無かった。

トロイムのネバネバが身体に広がり鎧の中に入ろうとしてきたので急いで引き剥がして茂みの方に投げた。


アダム《おいカルマ!あいつ固くて引きちぎれない!》


カルマ《力不足だな!多分引きちぎれねぇ!》


アダム《この鎧は一体なんなんだよ!》


トロイムが茂みからでてきた。


カルマ《仕方ねぇ!遠回りしてダンジョンに向かうぞ!てったい!てったい!てったーい!》


後ろを振り返り逃げようとしたが、

なんと後ろにもトロイムが!

周りを見たらトロイムに囲まれていた。


アダム《おいカルマ!囲まれてる!どうする!?》


カルマ《大丈夫だ!スキルを使え!》


アダム《どうやって出すんだ!》


カルマ《目を開けて念じろ!そしたら色々出てくる!》


意味がわからなかったが、なんとなく想像したら

目の前に何やら文字が浮かんできた。

エレメント(元素)・スペシャル(特殊)・ユニーク(固有)と書いてある。


カルマ《ユニークスキルだ!念じろ!!》


アダム《なんだよ俺の視点見えてるのかよ!》


カルマ《見えてない方が後々面白い

と思ったから言わなかったんだ!ケケケ!

今はそんな事どうでもいいから

早く念じろ!》


よく分からないが心の中でユニークスキルを勝手に想像したらまた新しい文字がでてきた。


シーフ(盗み)・ステルス(隠密)・メタモル(変身)

アンロック(解除)・スペルクション(呪吸収)・

スペリムーブ(呪い移動)

と書いてある。

今つっこむ余裕は無い。


カルマ《ステルスだ!言葉に出せ!》


トロイムが一斉に飛びかかってきた。


アダム「ステルス!」


叫んだあと先程のように体が動かなくなっていた。

どうやらカルマ本人が動かしているようだ。


カルマ《よし!逃げるぜ!》


カルマ本人のまま走って逃げた。


カルマ《ぜぇ...ぜぇ...ぜぇ...死ぬかと思ったぜ...》


何とか逃げ切りダンジョン目の前に到着した。


アダム《危なかったな。》


カルマ《いやー。ほんとだぜ。まじで死ぬところだった。まぁ終わり良ければだな!ケケケ!ダンジョンにも着いたし》


アダム《あのー。》


カルマ《なんだ?》


アダム《スキル内容も気になるのですが、

おれらって。最弱モンスターより弱いんですね...》


カルマ《いやまぁ武器ないから手じゃちぎれなかっただけじゃん?あったらイチコロよイチコロ!》


この先不安だ。不安しかない。


カルマ《スキルはあれだ。3つに分けられてる

エレメントが火とか水とかなんかボワーって出たりドーンって出たりするやつだ!》


は、はぁ。


カルマ《スペシャルは、他の神から貰ったスキルや

特殊なスキルがここに入るんだ。多分。試しに開いてみろ。》


はぁ。多分ね。

身体が動かせる様になったので俺は先程にみたいに

念じながらスペシャルスキルを想像した。


ヌワッチ


さっきポータルを出す時に言ってたヤツだな。

このスキルを使うとポータルが出てきてさっきの変な世界に行けるんだな。


カルマ《このヌワッチを使うと

ポータルが出てきてさっきの世界に戻るんだぜ!》


だろうな。


アダム《ああ。分かった。因みにエレメントスキルはないんだろ?》


カルマ《おうよぉ!》


だろうな...


アダム《ユニークスキルはシーフが盗みスキルで

ステルスがさっきのやつだろ。

んでアンロックは解錠。そしてメタモルが変身ねぇ。

あ、あとスペルクションとスペリムーブな。

さっき言ってたヤツだな。確か呪いを吸って色んな鎧に付けれたりモンスターにも付けれるとか。

あ、あと位置も変えれるんだよな。便利だな。》


カルマ《うーん!125点!くー!》


アダム《はぁ。スキルとかはだいたいわかったよ。

とりあえずダンジョンの中に入るとしますか。悪魔さん!》


俺は今からカルマに操られてとんでもないことをするに違いない。そう思っている。


カルマ《そうだな!行こうぜ行こうぜ〜!》


もう取り憑かれてるから何も出来ないので大人しく言うことを聞こう。いや、取り憑いてるのは俺の方じゃ?

まぁ。行こう。























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