第3話 次なる手紙

【拝啓 親愛なる叔父さんへ2。



 あんな夢など、もう一切、見たくも無いのですが、毎夜毎晩、彼女に襲われるのです。……ホントに、猛獣のように、襲いに来るのですよ!!!



 最近は、体重も数キロ落ち、日中は精力が抜け過ぎていて、勉強にも力が入らず、徐々に、自分の心が病んでいくのが、ホントに実感できるのです。



 ああああああああ、叔父さん、僕はこのまま気が狂ってしまうのでしょうか?



 では、何故、こうなったかって?



 僕には、ある思い当たる事が、一つだけあるのです。



 最初の手紙でも書きましたが、高校3年生の9月に入って早々、彼女から、激烈な恋の告白を受けました。



 あの彼女は、その時に、次のように言いました。



「この私の体を、御自由にしても、いいのです。

 貴方の男性器を、この私のアソコに挿入されようが、どうぞ好きなようにして下さい。……それほど、貴方が大好きなのです」と、確か、このような、告白だったかと思います。



 いくら、受験勉強で忙殺されているとは言え、それなりに頭には自信があり、既に合格ラインに到達していたこの僕には、彼女の告白に、肉体的な事は別としても、軽く答えてあげれるぐらいの余裕はあった筈です。



 しかし、彼女にはある変な噂があり、それを聞いていた僕は、その理由のため、彼女の期待には、どうしても添えなかったのです。



 その噂話とは、僕がまだ中学3年生の時に、近所の叔母さん達の井戸端会議で、偶然に、耳にした話が原因なのです。



 彼女は、早くから本当の父親を病気で亡くしています。で、彼女が、中学2年生の時に、彼女の母親は、建築関係の男性と、再婚しています。



 問題はここからで、この頃から、真夜中に、若い女性の悲鳴が、夜な夜な、聞こえるとか、聞こえないとか……。



 そして、これは、あくまで、近所の叔母さん達の噂ですが、どうにも義理の父親に、彼女が、犯されているのではないのか?との、もの凄い噂話だったのです。



 しかも、更に、恐ろしい事に、この義理の父親は、僕が高校入学後、交通事故であっという間に死んでいます。



 事故の主たる原因は、対向車線の車が、センターラインオーバーで突っ込んで来た事は、ドライブレコーダー等で確認出来たそうですが、この時、この義理の父親には、そこそこの生命保険がかけられていたとも聞きます。

 ただし、この保険金額はそこそこの額であったため、別に、問題にはならなかったとか?



 で、口の悪い、近所の叔母さん達は、義理の父親に「天罰」が当たったと言ってましたが、しかしですよ……。実は、ここが問題なのですが……。

 仮の話ですが、もし彼女にある特殊な力や能力があったとしたならば、正に、彼女の怨念や情念で、義理の父親は、あの交通事故に遭ったのでは無いでしょうか?



 何故、そう考えるかと言いますと、この僕自信が、彼女の告白を断って以来、夜な夜な、不思議な夢に魘(うな)されるようになったからです。



 これは、一体、どう言う事なのでしょうか?



 単なる、受験ノイローゼが、僕の心に、突然、具現化したのでしょうか?



 それとも、ホントに彼女の怨念と言うか情念が、この僕の、夢の中に現れて来たのでしょうか?



 ですので、叔父さん、なるべく早急に、僕に会いに来て、助けて下さい。



 このままでは、僕は、悶死してしまいます。



 ああああああああああああああああああああああ……本当に、もう狂いそうです。



 今日の朝方に見た夢では、巨大な、彼女の「アソコの花弁」に飲み込まれると言う、訳の分からない夢でした。もはや、常軌を完全に逸脱した夢が、これでもか、これでもか、と、この僕を襲って来るのです。



 僕は、現在、このような状況の為、今は学校を休んでおり、叔父さんの勤務する大学病院へ通う元気すらも、全く有りません。



 叔父さん、大変に忙しいのは、よくよく分かっておりますが、一度、この僕を診に来てくれないでしょうか?



 もう、時間がありません。ただただ、ひたすら、待っております】

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