第3話:帝国王族と教皇の対立

神聖イングランド帝国。それは、四つの王国から成る。順番にプロイセン王国、フランク公国、ガリア国、西イングランド王国という国が集まっている大帝国である。


そんな帝国が今、長い歴史を閉ざそうとしていた。


タッタッタッタ

「ハッハッハ」


暗く長い廊下を小走りで駆ける。

このままじゃ死んじゃう。


そんな恐怖が私に襲いかかる。


「おいおいおい!待てよ〜第二皇女さんよぉ」


「今楽にしてやっからなヒャッヒャッヒャッ!」


なんでなんでなんで!


そんな気持ちを抑える。


門番さんは、侍女さんは、騎士団は・・・・・・。


襲うのはただの盗賊、蛮族では無いのは明白だ。なぜなら唯の盗賊、蛮族ならば帝国王族守護騎士団ライヒ・ナイツが負けるはずなど無い。つまり、我が騎士団に勝ちうる武力と権力どちらも持ち合わせた者が今回の首謀者。今帝国王族と敵対している中でもそれを持っている人物は・・・・・・


「教皇ウィリアム!」


「おっとぉ?流石は第二皇女アネット様だなぁ。まさかまさか首謀者にまで辿り着くとは。これでウィリアム聖王陛下がこの第二皇女の暗殺を命じられた理由が分かった。なぁ、ムヴァラよ。」


「へぇ、頭。その通りだと思いやす。それよりも、この先行き止まりで部屋も無い。早く殺りましょうや。」


教皇ウィリアム。神聖イングランド国教会の最高指導司祭であり、前イングランド帝国王族の末裔。そうは言っても前のウィリアム王朝は今から約140年前に閉じた。今は皇帝の座を我が父君つまり、現皇帝のオットー2世と争っている。聞いた話では構成王国はどちらに着くかで既に戦争の火蓋は切られているらしい。


「なっ!」


気づくとそこは行き止まりだった。


「へへへ皇女さんや。もう終わりだ。」


「待ってくだせぇ頭。ウィリアム聖王陛下からは連れて来いと指示されているはずですぜぇ。今思い出しました。」


「あぁ?あぁ、そういや陛下は第二皇女を・・・・・・まぁ、いい。早く気絶させろ。」


「かしこまりやした。【黒魔法:眠り姫】」


その瞬間。私は意識を刈り取られた。










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