横臥賦
赤端 独楽男
横臥賦
夕に臥す蝉も車も伽藍堂
夜の雷ひとの一等深きへ墜つる
夏至来たり湿度の底に亀の這ふ
嘘吐いた子に何を言ふ夏祭り
川向い藪に鬼百合一輪挿し
流星雨幾つが訃報となりしかな
月今宵潮汐を語る賢しさや
咳重し薄紫で胸濯げ
木の葉髪梳き合ふ医院のエレベータ
花八手人といふ字を幾度書き
霜降るや新しき禁忌産まれけり
凍星が無責任なり熾の鳴る
赤い目の人皆優し聖誕節
大寒のコンビニ記憶喪失す
誰も助けてくれなかつたね
断食す黒い財布に木瓜の花
魔女だって箒を降りて花宴
春乗せて往くバス見たり牛丼食ふ
菜種梅雨目の色少しく青くなり
サヨナラを云ふだけのため春山行
横臥賦 赤端 独楽男 @a_konmao
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