愛に恋!

神威

第1話 プロローグ

唐突だが俺には2人幼馴染が居る。どちらとも女子だ。家も近く、親同士も仲が良く、そういうこともあり仲良く遊んだ日も少なくない。俺たちが7歳の時その2人は家庭の事情で引っ越すことになった。その時俺はしこたま泣いた2人も号泣していたのを覚えている、2人が引っ越す当日、涙目になりながら2人は


『凪くんまた会えたらお嫁さんにしてくれる?』


『なー君大人になったら私を貰ってほしーなー』


当時の俺は泣きながら『いいよ』って答えたのを覚えてる。それから早10年俺は高3になって高校生活を満喫していた。


(あいつら元気にやってっかな)


そんな俺こと茅森 凪はあの日のことについて考えていた


「おーい凪ー!」


「ん?どしたん?遥斗」


こいつは酒井 遥斗高校からの友達だ容姿は普通にイケメンだと思う陽キャの部類で誰とでも分け隔てなく接せるコミュ力の化け物だが、俺の友達でいてくれている最高の友達いや親友と言っても過言では無い


「いや、今日の放課後遊びに行かないかな〜って」


「どこに?」


「カラオケかゲーセンか両方」


「あ〜了解予定空けとくわ〜他に誰か来んの?」


「俺の友達の女子2人が来るらしい」


よりによって女子かよって内心叫んでいると


「そんなに気を張りつめんなよ〜お前はお前が思ってる以上にイケてるやつだよ、歌も上手いし、ダンスも上手いしオールマイティじゃねぇかよ羨ましい限りだよ全く」


「んな事ねぇって昔色々あったんだよ」


ほんとに色々あった俺の黒歴史であり誰にも話したくない秘め事だ


「それにしてもこの話題になったらお前雰囲気変わるよななんて言うんだろ、怖くなるんよな、悪ぃなこんなこと言っちゃって」


「気にすんな言いたくないだけだ」


「あんまし気負いすぎんなよ?」


「わかった」


それから時間がたち放課後になった俺たちはカラオケに来ていた


「ちゅーわけで誰が最初歌うのか決めよか」


遥斗がそう仕切る


「それならジャンケンとかか?」


ってかさなんかめちゃくちゃ女子から見られてるんだが?もしかして俺変な格好してる?それともいつもと違って前髪上げてるから顔が変とか!?


「遥斗」


「ん?」


「今俺変な格好してる?なんか女子の視線が刺さるんですが?」


そう言うと何かを察したかのように


「気にすんなって悪気があるわけじゃないしところでお前歌うの最後な」


「え?なぜに?」


「多分お前の歌声最初に聞いたらみんな自信なくすから」


「意味わからんけどわかった」


事が進みついには俺の番になってしまった仕方ない俺の十八番のラブソングでも歌うか


何事もなく歌い終わった俺は周りを見渡す


女子たちは心ここに在らずって顔して俺を見つめている


遥斗に関しちゃめちゃくちゃ頷いてる


「さっすがだぜーマイベストフレンド凪〜」


「やめろ抱きついてくるな!」


以外に悪い気はしなかったそこからゲーセンよったりして時間を潰す


そして遊び終わって俺は家に帰る


ちなみに俺は一人暮らしだ、親との仲は良好ではあるが海外出勤中だ。週一に電話するくらい仲はいいはず


ポストから何かはみ出している


そこには2つの手紙が入っていた。俺は手紙の封を切るそこには


『凪くん久しぶり!またこっちに帰って来たよ!あの約束ちゃんと守ってね!』


『なー君元気してた?私こっちに戻れるようになったの!だから約束守ってちょうだいね!』


俺は年甲斐にもなく涙を流す


ふたつの手紙の最後には2人の名前

『藤崎 愛』


『神崎 恋』


「ああおかえり、2人とも」


俺は1人つぶやく


俺のスマホが震えるそれは母さんからの電話だった。俺はその電話に出る


『凪ちゃん、手紙見たわよね?』


「うん、見たよ」


『なら3人でよく遊んでた公園に行ってみて!そこにお姫様が待ってるよ!』


「わかったねぇ母さん」


『ん?どうしたの?』


「アイツらが帰ってくること知ってたの?」


『当たり前じゃん!これも全部あの子達のサプライズだよ』


「粋なサプライズだよ全く。それじゃ行ってくる」


そう言って電話を切る


俺は家から歩きその公園に向かう


「ねぇそこの可愛いお2人さん俺とお茶しない?」


「いえ、結構です私たち今ある人待ってるので」


「そーよ!誰があんたみたいな能無しとお茶しないといけないのよ!」


公園の前で2人の女子と一人の男が揉めている


「チッ、顔がいいだけの女がよ黙って俺の言うこと聞いとけばいいんだよ!」


「やめてください!警察呼びますよ?」


その男に1人の女子の手を掴む


とりま止めに行くか


「そこのお兄さん、ちょっといいかな?」


「あん?なんだよ俺はこの2人とお茶に行く予定なんだよ」


「そのふたりと用あんの、俺なんだよね」


「ヒーロー気取りですかぁ?」


「ああ、そうかもな」


「かっこいいねぇけどてめぇの出る幕はねぇよ、雑魚が」


「そうやって弱いものいじめしか出来ないから女が靡かないんじゃないの?」


「何も出来ない雑魚のくせにしゃしゃるなよ!」


俺の言葉にブチ切れた男が殴りかかってくる


「俺はなこちとらこの2人を10年待ってんだよ!」


俺はその男を投げ飛ばす。大切な人を守るため格闘技を嗜ん出たからな咄嗟に出て良かった〜


「ちなみにお兄さん警察に通報しときました」


女子の1人が携帯を見せて言う。その一言に男は焦って逃げ出す


「とりあえず2人ともおかえり怪我はない?」


「うん!凪くんただいま!」


「なー君かっこよかったよ!そしてただいま!」


「ところで通報っていうのはガチ?」


「ガチなわけないよ色々と面倒だからね」


「最近こういうの多くてやになっちゃう」


ところで思ってたんだが


「2人ともすげぇ美人になったね!」


俺の一言で顔を赤らめる


「あ、ありがとう凪くんもかっこよくなったね」


「もっと好きになっちゃいそう、なー君もかっこいいよ!」


俺も顔が熱くなる


「照れてる凪くん可愛いです」


「わかる〜」


「からかうな!」


そしてみんな顔を合わせて笑い合う


そこから色々と話し合った。


「ところで2人ともどこに住むんだ?俺ん家の近く?」


「もしかして」

「お母さんから聞いてない?」


ん?なんの事だ?


「実は今日から私たち、凪くんの家に住むんだよ?」


俺は今日一驚きの声を上げた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

愛に恋! 神威 @kamui0327

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ