のんたんの小さなおはなし

第1話 音楽のない街

これは、ある国で音楽が禁止された時代のお話しです。

高校生の女の子、のんたんは音楽が大好きでした。彼女は音楽のもつ力を信じ、その美しさと感動を他の人々と分かち合いたいと思っていました。

しかし、この国では音楽は政府によって厳しく制限されていました。公共の場での演奏や歌唱は違法とされ、音楽に関する書籍や録音メディアは取り締まりの対象となっていました。音楽は禁じられた芸術となってしまったのです。

それでも、のんたんは諦めることはありませんでした。彼女は秘密裏に音楽を愛し続け、それを表現する方法を見つけました。彼女は自分の部屋で、小さなピアノを弾いたり、歌を歌ったりすることで、内なる音楽の情熱を満たしました。

ある日、のんたんは学校で音楽の授業が開かれることを知りました。彼女は大喜びし、他の生徒と一緒に音楽を学ぶことができることに感謝しました。授業では、音楽の歴史や理論、楽器の演奏方法などを学びました。のんたんはこれらの知識を吸収し、自分の音楽の力をさらに高めていきました。

しかし、彼女の喜びは長くは続きませんでした。政府は音楽の授業をも廃止し、音楽の教育を禁じる法律を制定しました。のんたんはがっかりしましたが、彼女の心に音楽の炎は消えることはありませんでした。

彼女は新たな方法を見つけることにしました。のんたんは地下の秘密の集まりに参加しました。そこでは、音楽愛好家たちが集まり、秘密のコンサートや演奏会を行っていました。彼らは音楽の魂を保ち、国の制限にも屈しなかったのです。

のんたんはその集まりで自分の才能を発揮し、他の人々と共有しました。彼女の美しい歌声や繊細なピアノ演奏は、人々の心を打ち、感動をもたらしました。音楽は彼らに希望と力を与え、暗い時代の中で光を照らし続けました。

時間が経つにつれ、のんたんの音楽はさらに広がりました。彼女の音楽は録音され、密かに広まっていきました。人々はのんたんの音楽を聴くことで、忘れかけていた喜びや美しさを思い出し、心の中で輝きを取り戻しました。

やがて、人々の抗議や声援が大きくなり、政府もその力に対応せざるを得なくなりました。音楽の禁止は次第に緩和され、そして解除されました。のんたんと彼女の音楽仲間たちは、音楽の自由を取り戻し、国中に音楽の喜びを広めることができました。

おしまい🌸