第41話:エピローグ
「無縁体との意思疎通…か。」
放課後の小学校、人気のない教室で、時任がつぶやく。
ここは時任にとって、初めて無縁体が視えるようになった思い出の場所だった。
窓の外には、五時を過ぎてもまだ明るい校庭で遊ぶたくさんの子供たちの姿がある。
「なんでまた、そんな顔してんだよ。」
寂しそう教室の後ろに目をやった時任の目線の先には、日本人形のような着物を着たおかっぱ姿の少女が、カーテンの陰に隠れるように立っている。
何も言わないその少女の顔は、怒りに満ち溢れた鬼のような形相をしていた。
宮下小学校の無縁体。
時任がこの世界に入るきっかけとなった忌まわしい事件で、最初に出会ったその無縁体は、出会った時と同じ、恐ろしい顔で時任を見つめ返していた――。
KIMIKO×KONO Fin.
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