雨の下、私のあの子は屋根の下
椎塚雫
雨の下、私とあの子はひとつ屋根の下
人間の心は天気模様みたいだなと思う時がある。
晴れていれば気持ちが前向きになるし、雨が降っていれば憂鬱になるみたいな。曇りの日の方が落ち着くなんてこともある。私は小学生以来めっきり見なくなった雪がちょっとだけ恋しい気持ちだった。
ちなみに今日は曇天。教室に漂う湿っぽい臭いと額に貼り付く前髪が少しだけ鬱陶しい。
「
「どういたしまして」
日本史の授業中に居眠りしていたクラスメイトからノートを返して貰っていると、突如肌を刺すような強い視線を感じた。
「……」
それを辿ると唇を尖らせた
その理由は同じクラスメイトであれば誰でも知っていて、誰が話しかけても話が続かないことだった。何を言っても「うん」「そう」と一言で済むことしか言わず、表情の変化に乏しいせいでみんな気まずくなって距離をおいてしまう。でもテストの成績は常に1位を取るので先生は何も対応しないし、現状いつも一人ぼっちだった。
――まぁその程度で離れていく友情なんて友達とは呼ばないとは思うけど。
私は笑顔で手を振ってあげると、麗華はぷいとそっぽを向いて本に目を落とす。うん、かわいい。麗華は感情や言葉を表すのが表に出にくいだけで内心はとても激しいのだ。きっと今は私に話しかけたいけど、いつも誰かと話しているせいでやきもきしていそうだった。よく見るとさっきからページを捲ろうとしている手がずっと止まっているし。
休み時間はあと一分。次で今日の授業も終わりだ。
お喋りするにはあまりにも短いし、放課後一緒に帰れば良いよね。そう思って私は窓際の席から麗華の後ろ姿を眺めていた。
ホームルームも終わり、放課後。
クラスメイトからカラオケに誘われていたけれど今日は用事があると断って、麗華と一緒に帰ることにした。
「麗華ちゃん、一緒に帰ろうってあれ?」
すでに教室にはいなかった。この薄情者め。
私はすぐにショルダーバッグを肩から斜めがけし、急いで階段を駆け下り、昇降口にたどり着いた所でローファーに足を入れている麗華の後ろ姿が見えた。
「麗華ちゃん!」
「……」
「ちょっと待ってってば!」
聞こえているはずなのに、麗華は振り返りもせずそのままスタスタと急ぎ足で校門へと向かってしまう。機嫌が悪い時はいつもこうだ。私は溜め息をつきつつも急いで同じ色のローファーに足を入れて駆け出す。
タッタッタッ。スタスタスタスタ。
小走りで近づくとより早く、もはや競歩のようなスピードで歩き出す麗華。もうどんだけ休み時間に喋れなかったことを根に持っているのやら。
帰宅部の生徒達が私と麗華を交互に見て何事だとちらちらと見てくるが気にしない。麗華が学校前の長い坂道を降り、駅へと続く通りから人気のない路地に入ったのを見てそのまま追いかけた。これも麗華の一種のサインなのを私は知っている。
麗華が段々歩く歩調を緩めていくのを目に捉え、私は走る勢いそのままに後ろから抱きついてこう言うのだ。
「ね、機嫌直してよ」
「……ん」
こくん、と麗華は頷く。そして長い黒髪が風に揺られていい匂いがする。
ちなみに無視して逃げるのは追いかけてのサイン。今回も間違っていなかったようで髪からわずかに覗いている麗華の耳はほんのりと赤い。
それから肩を並べてゆっくりと歩く。
「心配しなくても一番は麗華ちゃんだから」
「……その割には今日はあの子にノートを貸したり、カラオケに誘われていたよね?」
「情けは人の為ならずだよ。ああしておけばいざという時に頼み事しやすくなるし、たまにお菓子もらえるし。カラオケは割り勘にしたいから呼ばれただけっぽいしいいかなって断っちゃった」
「ふーん、私は
「相変わらずだねえ。麗華ちゃんは可愛いし、愛想良くすれば人生イージーモードなのに」
つい思った事を言って、すぐにしまったと思った。一気に麗華の表情が曇る。
「……先輩から毎日告白されて、同じ女子には疎まれ、男子にはいやらしく胸を見られ、教師には休日何をしているか詮索されるのはお好き?」
「ごめん、やっぱりただの小市民でいいわ……」
「わかればいい。人より恵まれているからといって必ず幸せな訳じゃないから」
はぁ、と大きく溜め息をつく麗華。学校でのコミュニケーションを消極的にしているのは彼女なりの処世術であり、過去に何があったかなんとなく察してしまった。
不意にひやりとする冷たい風がスカートの下を吹きぬける。
「傘、持ってきた?」
「ううん、突然どうして?」
薄暗い路地が更に暗くなってくる。上を向けばどす黒い雲が空を覆い隠し、遠くからゴロゴロと雷の音が聞こえ始めていた。
地面にぽつりぽつりと水滴が落ち、鼻の上が冷たいと思った瞬間。
バケツをひっくり返したような大雨が突然降ってきた。
「やば、走るよ!!」
「う、うん!」
今度は全速力で私と麗華は走る。数メートル先がよく見えなくなるぐらいの強い雨であっという間にセーラー服が肌に張り付くのが分かる。
最近テレビでよく線状降水帯という言葉を聞くようになったと思うけど、実際に経験するとたまったものじゃない。朝に雨が降っていないからといって傘を持ってこないのは私の悪い癖だった。
必死に走り、いつ潰れたか分からない酒屋さんの軒下に避難した頃には私も麗華もずぶ濡れだった。
「あぁもう最悪……」
制服はべったりと雨水を吸って肌に張り付いて冷たい。しかも下着まで透けて見えてしまっていた。こんな状態じゃバスに乗るのも恥ずかしいし、今なら麗華の気持ちがよく分かる。
「うわ、えろ……」
「……見ないで」
咄嗟に両腕で体を抱くようにして胸を隠す麗華。私より胸が大きいせいか、凹凸のシルエットがくっきりしていてなんだか憎たらしい。スカートも太ももにぴったり張り付いて鼠径部が浮き出ているのが非常にえっちだった。自分の貧相な体つきとつい見比べてしまって小さく溜め息をついてしまう。
雨で重くなったスカートの裾を手で絞りながら私は冗談交じりに言う。
「まっ女の子同士なんだから気にしない気にしない」
「……むぅ」
えっちょっと待って、なんで不機嫌な顔になるの?異性同士じゃないし、見て減るものじゃあないでしょ?
私は困ったように笑いつつ、外に目を向ける。
「雨、止まないね」
雨宿りのつもりで軒下に避難したのはいいけど、十分ほど待っても全く勢いが衰えない。地面に打ち付ける雨は未だに強くて強行突破しようという気持ちにはとてもなれなかった。
「うん……へくちっ」
だけども、このままじっとしていると風邪をひいてしまいそうな麗華がいて。普段は電車通学でもっと早く帰れたはずなのに私と話すためだけに寄り道したばっかりに体調を崩されるのも罪悪感がある。
麗華の家は私よりも遠いし、この先住宅街しかないから避難出来る場所もない、しかも私達は折り畳み傘すら持っていないし。
スマートフォンで天気予報を確認しつつ、麗華に提案したのだ。
「ねえ、ウチに来る?」
「……え?」
「雨雲レーダーも見たけどさ、今日の夜中まで止みそうにないんだって。ここから五分ぐらいの所に私の家があるから走っていけばすぐに着くよ」
「いいの?」
「風邪ひかれちゃうよりは全然。それに両親が仕事でいないからさ」
「へくちっ! あ、うんならお邪魔しようかな……」
「決定!んじゃ道分からないだろうし手繋いで走るよ」
「……ん」
妙に素直になった麗華の手を掴んで雨の中駆け出した。
水溜りに靴が入っても気にせず走り続ける。雨は痛いほど体を打ち続けるし、冷たくて寒くて仕方がなかったけれど。
「あははは!」
「冷たい!」
人目を気にせず麗華と走って帰れるのはとても楽しかった。繋いだ手だけは温もりを感じられて、ずっと離したくなかった。
「お、お邪魔します」
「ふふ、まぁ私以外いないけどね」
緊張気味に私の家に入ってくる麗華がおかしくて少し笑ってしまう。すっかりずぶ濡れになった私は靴下を脱いで玄関を上がると、すぐに脱衣所へ入って濡れた靴下を洗濯機に投げ込む。それから適当なバスタオルを手にとって麗華に渡す。
「ありがとう」
「とりあえず髪拭いちゃって。濡れた服は脱衣所にハンガーあるからそこに、下着は乾燥機使ってね」
「ん、分かった」
すぐにお風呂の追い焚きスイッチも入れて、自分の部屋から麗華の為に私のパジャマを持っていく。
「お風呂も先に入ってて。着替えとタオルはここに置いておくから」
「……ね、ねえ一緒に入らないの?」
もじもじとしながら私を見つめる麗華。下着姿で誘ってくるその姿は並の男ならノーとは答えられない美少女の殺し文句だった。急にいじらしくなるのは同性の私にすらドキドキするけど、現実的な問題が理性を与えていた。
「入りたいのは山々だけど、浴槽が狭くて二人も入れないのよね……」
「そ、そっか……」
すごく残念そうにする麗華ちゃん。さっき軒下で胸を見られて嫌がっていた態度はどこにいったのやら。
「次入るからちゃんとお風呂で体温めてきて」
「うん……」
脱衣所をあとにした私はリビングにあるエアコンのスイッチを入れつつ、私服姿に着替えた。窓からは稲光が走り、間もなくして落雷の轟音が鳴り響いた。大雨は更に勢いが増していることから、麗華を家に呼んだのは正解だったなぁと思う。テレビを付けると電車の遅延、道路の冠水情報のニュースが流れていた。
バチンッ。
「……え」
再び雷の轟音が聞こえたかと思ったら、突然部屋が真っ暗になった。雷で停電するなんて珍しいなあと思っていると。
「きゃああああああああ!!」
「麗華ちゃん!?」
同時に麗華の悲鳴まで聞こえたものだから私は慌てて脱衣所に駆け寄った。もしかしたら溺れているかもしれない、なんて心配していると。
「楓ぇ!!」
目の前で扉が開き、全裸の麗華が抱きついてきた。
むにゅんと大きなおっぱいが私の胸に潰れ、濡れた手が私の背中に触れているのが暗くてもよく分かった。同じシャンプーを使っているはずなのに麗華の髪からはとても甘くていい匂いがする。
うぅ、本当に胸でかくて羨ましいなぁ……。まぁ肩凝るってよく聞くから別にいいけどさ……。
抱きしめられてドキドキするどころか私は虚しくなる一方だったけど、それ以上に。
「ううっ……」
麗華は雷が鳴る度にびくっと体を震わせ、より強く抱きついてくる。こんなにも怖がる姿は初めてで、同時に私に頼ってくれるのがちょっと嬉しく感じてしまう。教室では目を合わせてもすぐにそっぽ向かれるし、私からスキンシップするのがほとんどだったから。
「もしかして雷、怖いの?」
「……」
びくっ。多分恥ずかしくて黙っているけど身体の震えが物語っていた。
私も小さい頃は停電で真っ暗なのが怖くてお母さんに抱きついてたなぁ。このままだと身動き出来ないし、ブレーカーを上げに行けないので私は麗華を抱きしめ返しつつこう言うのだ。
「大丈夫、私はここにいるから。どこにも行かないよ」
「……」
停電した部屋の中。屋根に打ち付ける大雨は更に強くなっていた。まるで世界に私達二人しかいないように感じられる。
「知ってる? 雷が人に落ちる確率は宝くじの1等の当選確率と一緒なの。そうそう当たるものじゃないよ」
「……へくちっ」
「えっと、このままだと風邪ひくからバスタオルで身体拭こうか」
「う、うん」
ようやく冷静になったのか慌てて体を離す麗華ちゃん。そして恥ずかしそうに片腕で胸を隠しているけど大きいおっぱいのせいで逆に谷間をアピールしているようにしか見えない。くそう。暗順応した視界が恨めしい。
そんなことはともかく、脱衣場にあるバスタオルを取りに行こうとした瞬間だった。
窓ガラスが真っ白に光ると同時に大きな雷が鳴った。
「きゃあああ!!」
むにゅん。何がとは言わないけど再び大きくて二つの柔らかい感触が左腕に押し付けられる。
「はなさないで……」
よっぽど怖いのか今度は私の腕にしがみつくように抱きついてきた。涙目に上気した頬、すがるような声で訴えてくる黒髪ロングの美少女。私が女じゃなかったら押し倒していたかもしれないぐらいに扇状的な光景だった。
「もう怖がりすぎだよ」
「だってぇ……」
「ほら手握って。脱衣所にバスタオルあるから一緒に行こ」
「ん」
脱衣所につくと不意に悪戯心が芽生えた。
「折角だから拭いてあげる」
「え……あ、くすぐったい……!」
戸惑う麗華ちゃんを他所に私はバスタオルを手に取ると腕、背中、腰、足の順で水分を拭き取っていく。
「ちょっと、自分で拭くから……」
「いいからいいから」
もじもじとくすぐったそうに体を捩る麗華ちゃん。それでも必死に声を出さないように耐えている所がとても可愛らしい。本当に触られるのが嫌ならば突き飛ばすなり、バスタオルを奪うなりすればいいのに。そうしないという事は満更じゃないって事だよね。
「……ふぅ」
「じゃ、次は前拭くよ」
「え、ちょっと……!」
何か制止を求めるような声をスルーしつつ私は麗華の大きな胸を揉んでみた。やっぱりというか自分のソレと比べると柔らかいし、たぷんたぷんという擬音が似合うぐらい大きい。一体何を食べればこんなに豊満な胸に育つというのか。私だって同じ女子高生だというのに。
雷の音なんて気にならないぐらいに私は麗華の胸をマッサージでもするかのようにもみ続けていた。
「(まぁ流石にビンタされそうね……)」
わざと揉んで怒らせて雷の恐怖から遠ざけようとしたーーというのは苦しい言い訳で女同士でもセクハラだった。
そう思い、そろそろ止めようかと思っていたのだけれども。
「……んっ、あ……」
「(あれ?)」
てっきり調子に乗らないで!と殴られるかと思ったのに抵抗がない。それどころか口に指を咥えて、赤く上気した頬で息を荒くしている。瞳は涙で潤み、何かを求めるように足をもじもじとさせていた。
「んぁ……ん、んん」
「(待って、予想していた反応と違う……!)」
喘ぎ声を抑えながら、こちらを見つめる涙目を見るとなんだかそくぞくしてしまう。まるで何も知らない子にいけない事を教えてしまっているような背徳感すら感じてしまうほどに。
妙な空気になってしまったので軽く咳払いをしつつ、ようやく胸を揉む手を離す。
「……ちょっと、少しは抵抗してくれないと私変態みたいなんだけど」
「……楓なら、いやじゃない」
「……」
前から薄々感じてはいたけれど、麗華ちゃんは私に対して友達以上の感情を抱いているような気がする。
口を開けたまま言葉に詰まっていると麗華はひどく傷ついたような顔をする。私はそれを見るととても胸が苦しくなった。
「楓は……私のこときらい?」
「どうしてそんな事聞くの?」
「私は……楓のこと好きだから。無視していたのにずっと話しかけてくれて、いつも笑わせようとしてくれて。それに最初の頃はあなたにひどい事結構言った気がするから」
「ひどい事? 言ってたかなぁ?」
「うん。『あなたって友達いないの?』とか『毎日独りで喋ってて暇なのね』とか」
「あーそんな頃もあったねぇ」
麗華はかつて無口で気味悪がられていた。笑わないし、喋らない。運動は並だけど、成績は常に学年1位。見た目はお人形さんのように艶のある長い黒髪に、俯くと目元が見えないほど前髪を伸ばしていて。制服越しでも分かるぐらい凹凸がくっきりしたボディラインがあって、男女問わず目を引く美少女。
一言で表せば深窓の令嬢といった感じで。
だけど実際は興味のない話題には「そう」「うん」としか言わず、帰りに誘われても門限があるからと全て断る。勉強を教えてと来るクラスメイトには「こんな事も分からないの?」「先生に聞いたら?」と言って怒らせる始末。
孤立した麗華がいつもつまらなさそうな表情で過ごしているのが勿体ないと私は常々思っていた。
笑えばめっちゃ可愛いのに。
愛想よくすれば友達なんていくらでも出来るのに。
この子はいつも何を考えているんだろう。優等生のように装うその化けの皮を剥がしたら、どんな姿をしているのだろう。
私も最初は相手にされるどころか挨拶しても無視されたけれど、毎日電車の中や教室の中で話しかけていく内にぽつぽつと反応を返すようになったなぁと思い出す。
「最初に口を開いた時の『あなたって暇なの?』って言った時の嫌そうな顔で言ったの未だに覚えてるよ」
「……ごめんなさい」
「もう謝らなくて良いの。過ぎた事なんだし、私は全然気にしない。それにーー」
麗華の肩を抱き寄せ、目元を隠す前髪をそっと左手で上げ、背伸びをしつつ額にキスをする。
「……ぁ」
息を呑む音が聞こえた。
「あの無視していた君が今じゃこんなにも甘えてきて本当可愛い」
「……ばかっ」
肩を叩かれるが全然痛くない。
「好きだよ」
「今言うのずるい」
「えー先に好きかどうか聞いてきたのそっちでしょ」
「そうだけど……楓の好きは友達としての好きでしょ? 私の好きはこれだけじゃ足りないの」
麗華はそう言うと唇を塞いでくる。
「……んっ!」
親愛を伝えるような啄むようなキスではなく、深く繋がる為の粘膜接触。脳が痺れるような感覚で何も考えられなくなる。言葉よりも行為で好意を伝えようと額にキスをしたのが不満だったのか。麗華のキスは深く息が苦しくなるほど長い。というか本当に息が、できないっ。
涙で前が見えなくなり、頭痛がしてきた辺りでようやく麗華と唇を離すと銀色に鈍く光る唾液で出来た橋が伸びていき切れ、顎に垂れた。
「ぷはっ」
「げほっげほっ」
お互い顔を真っ赤にさせて酸素を求めて肩で息をしている。
麗華も苦しかったのか涙目になりながらも、上気した顔で見つめてくる。
「……私にはあなたしかいないの。ただの友達なんていらないから」
「麗華……」
ああ、この子は私に依存してしまっている。本当ならこういう関係にはなってはいけないとは分かってはいるのだけれど。
「ね、キスしよ」
「もう、裸だから風邪ひくよ」
そう言って否定出来ない私がいた。誰も知らない甘えたがりの麗華を知っているのは私だけという事実が、関係性が愛おしく思ってしまう。
だから私はあくまで冗談交じりにしか言えないし、これからもこうして二人きりになったら過剰なスキンシップだってしてしまう自信がある。
「そしたら楓に看病して貰うから」
でも今だけは、このままでいい。
そしていつの間にか雷の音なんて気にならなくなっていた。私と麗華は汗をかいて一緒にお風呂に入ることになるのだが、それはまた別の話。
雨の下、私のあの子は屋根の下 椎塚雫 @Rosenburg
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