第6話:洗脳しちゃいました。

「ね、空・・・エッチ・・・ね?」

「なにため息なんかついてるの?」


「こんなに朝早くから飯も食わないでエッチって自己嫌悪に落ちいるよ」

「それに、まじ呑気にエッチなんかしてる時間ないんだ」

「早く働くところ見つけなくちゃな」


「ふ〜ん・・・つまんない・・・やっぱ浮気しちゃおうかな」


「なに、バカなこと言ってんだよ・・・右も左も分かんないくせに」


「外に出て、そこらへん歩いてる頭のハゲたおじさん捕まえたらいいんでしょ?」


「あのな・・・誰でもいいのか?」

「誰彼なしに声なんかかけてたら怖い目に合うぞ」


「って言うか・・・それまじで言ってるのか?それとも冗談?」

「僕への当てつけ?嫌がらせ?」


「うん、当てつけに嫌がらせ・・・だって〜」


「じゃ〜分かった・・・僕も覚悟決める」

「この会社に今から連絡とって面接してくれるって言ったら会社に

行って来るから、もし就職が決まっっても決まらなくても帰ってきて

決まったらお祝いのエッチ・・・決まらなかったらやけくそエッチしよう」


「本当?・・・嬉しい・・・結局どっちでもエッチするんだね」

「就職あんま関係ないね」


「いいじゃないかよ・・・エッチしたいんだろ、望み叶えてやろって

のに・・・文句か?」


「文句なんかありません!!」

「好きなだけ就職活動して来てください、服着ないで待ってるから」


「僕としては服着ててくれたほうがいいんだけどな」


「なんで?」


「すっぽんぽんなまま、おいでって言われるよりさ・・・そこはほら

服を脱がす楽しみ?・・・そう言うシュチュエーション必要って

思うけどな・・・」


「スケベ」


「・・・・面接してくれるって言うから、これから行ってくる」


そんな訳で、空は会社に電話をかけたところすぐに来れるなら面接したい

と先方の社長が言うので、絵留を置いて会社にでかけた。


空がでかけるのを見た絵留の中の有機体は絵留から抜け出して空の後を

つけていった。

有機体の絵留としては空の就職を阻止したい訳で、理由はどうしても空が

家を開けるのは反対だった。


会社に着いた空は事務員さんに案内されて応接室で社長が来るのを

待っていた。

その頃、有機体の彼女は会社の社長の脳に侵入して脳をコントロール

して、空を雇わないよう洗脳した。


そんなことなんか知らない空。

応接室で待ってると、社長がやって来て、空の顔を見るなり


「いや〜ひと足遅かったね〜君」

「もう必要な定員決まっちゃったんだよ、悪いね」


空はガックリ肩を落として、家に帰る気にもならなくて居酒屋で自棄酒

《やけざけ》を飲んだ。


「まあ、そんなに簡単には決まんないよな」

「ハローワークにでも行ってみようかな・・・」


瓶ビール一本とハイボール1杯飲んで、空はアパートに帰った。

日は西に傾きかけていた、家路がなぜかわびしく感じた。


「そうだ、アパートに帰ったら僕は一人じゃないんだ」

「絵留が待ってるんだった・・・急ごう」


で、アパートの前まで帰ってきた空、アパートの入り口の階段手前を

見て驚いた。

そこに花屋と見まごうばかりに花や鉢植えが売り物のように並んで

いたからだ。


「なんだこれ?・・・管理人、花屋でも始めるのか?」


つづく。



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