基地警備教導隊

 基地警備教導隊とは、9.11(アメリカ同時多発テロ)など海外での大規模テロを受け、航空自衛隊の基地がテロリストや工作員からの攻撃にさらされることを危惧した航空幕僚監部によって設立された特殊部隊です。


 前述した通り、航空自衛隊の基地警備隊はあまり強い組織ではなく、少数の陸自部隊でも制圧できてしまいます。(陸自の普通科(歩兵)が強いというのもありますが、おそらく北朝鮮の工作員は陸自と同等以上に強いです。そのため、相対的に弱いと言えます)


 陸自に比べれば装備品だって旧式な上に質も高くないですし、練度や弾薬の配備状況にも問題があります。


 そんな状況を改善するべく、基地警備教導隊は設立されました。


 彼らは全国各地の空自基地で防衛に当たる基地警備隊に教育を行うと同時に、最先端の基地警備を調査、研究するという重要な任務を担っています。


 航空自衛隊の自衛官がM4カービンかHK416らしき銃を持っている写真が存在しますが、おそらく基地警備教導隊の隊員でしょう。


 ですが主力小銃として使われているのは、この部隊でも64式小銃のようです。


 銃の購入はかなり上の機関でないと決定できないため部隊レベルでどうにかすることはできませんし、上の機関にとっても、小銃の購入なんて簡単にできることではありません。


 それが、自衛隊でも一部の特殊部隊にしか採用されていないような銃器ならば尚更です。


 そのような最新鋭の小銃がどのような経緯で基地警備教導隊に配備されたのかについては諸説あります。


 試験的に数挺導入されているだけに過ぎないか、あるいは米軍から借りているか、場合によっては購入したエアガンを訓練に使用しているだけという可能性もあります。


 個人的には、試験的に導入している説が最もあり得ると思います。M4カービンは警察の特殊部隊や陸自の特殊作戦群でも運用されていますし、基地警備教導隊が運用していてもおかしくありません。


 もちろん、実は本格的に配備されているけど補給や情報保全の都合で64式を使用しているという可能性もありますが、写真を見る限りは主に64式小銃(89式の可能性もある)を使っているのはほぼ間違いないでしょう。


 ですが、国内でも購入できる上に補給の問題も少ない戦闘服やヘルメット、防弾ベスト、ゴーグル、ホルスターなどは部隊レベルでも工夫されている可能性は高いですし、自衛隊の上層部にとっても銃に比べれば変更しやすいので、積極的に改善されていると思われます。


 例えば、基地警備隊では軍用犬(警備犬と呼ばれ、不審者対応の他にも災害時に救助活動を行う)が運用されていますが、この部隊では犬型監視システムという四足歩行ロボットを導入しており、このことからも、装備のレベルはかなり高いと見て間違いないでしょう。


 それに自衛官は意外と私物装備を使っていたりします。帽子から弾薬ポーチまで、各自で工夫していることは少なくありません。


 特殊部隊としての役割も持つ基地警備教導隊では、一般部隊よりも私物装備に寛容だと思われます。そもそも支給される装備の質だって、普通の基地警備隊に比べればかなり高いでしょう。


 規模は40人程度とそこまで大規模な部隊ではありませんが、世界の基地警備の最先端を走る精鋭部隊です。


 彼らが航空自衛隊の基地警備をさらに強化してくれることを、祈っています。




 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る