第238話

僕たちは久しぶりに学校を訪れていた。


今日は卒業式が行われる日だったため休むのもどうかと思ったのだ。

といっても3年生に関わりはないのだが。

「再来年には僕たちも卒業だね。なんか早いな」

「なにか、あったのか?」

僕の呟きにレクスがマイに何かを聞いている。

マイは首を傾げている。

「どうしたんだよ?」

「カイが何処かの親みたいな発言するからやろ」

後ろからリーセスがそう言ってくる。

「ま、まさか!?・・・・・・そういうことは先に言え」

なんかレクスがヤバイ方向で誤解している気が・・・・・・

「そういう事か。今、何ヵ月なんや?」

「違うわ!」

「マールス、恥ずかしいのは分かるが、正直に皆に話して協力してもらった方が後々助かるぞ?」

あ、ベン先生久しぶりだな・・・・・・って、何でベン先生まで誤解してるんだよ。

「本当に違いますって」

マイからも何か・・・・・・・・・

そうだった。こういうときはあまり頼りにならないんだった。



「あのな、カイ。紛らわしいことをするな」

「勝手に誤解したのはそっちだろ?それにもとはと言えばリーセスが・・・・・・」

「僕は感じたように言うただけやで」

「カイ、やめておけ。この件に関しては全面的にお前の発言が悪い」

本当に?

「僕は別に誤解させようと言ったわけでは・・・・・・」

「本心だったと?」

「もちろん」

「なら、気を付けろ」

え?何に?

「相当おじさんぽかったぞ」

転生してから今まで感じたことはなかったが、やっぱりジェネレーションギャップのようなものがあるのだろうか。

「確かにそう言われればおじさんぽかったな」

リーセスも転生者だろ?

覚えてろ、後で絶対同じようなことが起こるぞ。

「否定は出来ない・・・・・・かな」

レイさん?

それおじさんぽかったって言ってるようなものだよ?

「・・・まあ、大人っぽいことは良いことだと思うぞ」

ベン先生、言葉を選んだことが丸分かりです。

「どうしたら大人っぽくなれるんだ?」

真に受けた人がいたよ。

そして、それ多分カリアさん関連だろ?

「えと・・・・・・私はどんなカイくんでも受け入れるよ?」

嬉しいけど、結局それはおじさんぽかったということだよね?



思いもよらぬダメージを受けたカイだったが、その後しっかり卒業式に参加して家に帰ったそうだ。

そして、これを春休み中ずっと引きずっており言動には気を付けるようにしたらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る