第237話

「それはありがたいが、もう一つ言っておかなければならない」

なんだ?これ以上に何かあるのか?

「行く時期がな・・・・・・修学旅行と重なることになったんだ」

え?修学旅行って結構先じゃない?

「思っていることはわかる。だが、私の立場的にもう少し様子を見てからしか許可が出せないそうでな」

「それじゃあ、僕がサクッと行ってくるのは?」

「それは危険すぎる。それに、もう調べに行っている者がいるらしい。その者を待つという意味でも、その期間になったのだろう。まあ、修学旅行期間に行くことでその期間に帰ってこないといけなくなることを狙っているのだろう」

やっぱり、王子だから皆心配してるんだろうな。

「修学旅行に被るのは別に構わないよ」

「本当に良いのか?新婚旅行のようなものだろう?」

「だから、まだ結婚してねえって」



こうして一通り話終えたレクスは王城に帰っていった。

「怖いね」

恐らく、旧帝国領で起きている事件のことだろう。

「そうだね」

「修学旅行本当に良かったの?」

「だって新婚旅行は二人でが良いでしょ?」

「もう」



その頃、ギルドではリゼイル達がとある情報を仕入れていた。


「これってもしかして・・・・・・」

「ああ、あの時と同じことが起きているな」

「リーセスは・・・・・・?」

「一応確認しに行った方が良さそうですね」


こうして一行は今リーセスの住んでいる家にお邪魔することにした。



リーセスの熱は幸いにもすぐに引いており、いつも通りの生活に戻っていた。

ノインは毎日夕方には必ず、時々朝からカリアのところへ行っているため二人きりの時間が多く一足早く新婚生活が始まったようだった。


そんな中来客があった。

「突然どうしたんですか?」

来客はリゼイル、サイル、リーリエの3人である。

「ただ単に様子が気になっただけですよ。彼女さんとは順調ですか?」

「・・・・・・はい」

サイルの問いに答えにくそうに答える。

「彼女に心配かけんなよ」

「はい・・・・・・本当にどうしたんですか?」

「様子を見に来たっだけだって。それじゃあね。これからもたまに来るから」

「体調には気を付けるんですよ」

「元気でな」

それぞれそう言い残すとそのまま帰っていった。

リーセスは違和感を覚えつつもそのまま玄関の扉を閉めた。

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