閑話 クリスマス

「「メリークリスマス!」」

翌日となりローゼさんを含めて皆を集めた僕たちは二人で声を合わせてそう言うことで皆になぜ集まったのかを知らせることにした。

「めりーくりすますとはなんだ?」

レクスの質問は当然でこちらにクリスマスという概念はないのに何も説明せずに開催したためである。

「まあ、恋人達がイチャつく日かな」

サンタさん関連の話は子供がいないためその話はのけて外面的な話をした。

本当は宗教が由来だったりするんだけど多分そこまでの説明は求めていないだろうと考え勝手に省いた。

「凄い日だな。でも、ローゼも呼んだ理由がよく分かった」

確かに少し省きすぎて凄い日になってたな。

「・・・・・・俺、いる?」

この中で唯一相手がいないノインがそう言う。

気持ちはわかるぞ。僕も毎年クリぼっちだったから。

「まあ、細かいことは気にせず楽しもうや」

・・・・・・リーセスも説明するのが面倒くさかったのかな。



インベントリに用意していたクリスマスっぽい料理を並べる。

材料のなども同じには出来ないため完璧に再現できているわけではないが、見た目は海外のクリスマスパーティーの写真のような感じで机いっぱいにこれでもかと料理を並べた。

インベントリの中の料理が増える一方で中々減らない。

足りなくなるよりは良いだろう。

賞味期限、消費期限は気にしなくて良いわけだし。



食べ始めて少し経ちリーセスと目で合図を交わしそれぞれがプレゼントを机の下に用意する。

インベントリが大活躍である。

「プレゼントタイムや~!」

リーセスの掛け声に合わせマイにプレゼントを差し出す。

向こうではリーセスもレイにプレゼントを差し出している。

そういえばレイはノインと違って相手がいないって言わなかったな。

これはやっぱり・・・・・・

「開けても良い?」

「良いよ」

店の人に包装をしてもらったためそれを開けて良いか聞かれる。

当然大丈夫なので許可をする。


「わあ、ありがとう」

プレゼントは成功したようだ。リーセスの方も成功したようだ。

・・・・・・・・・あ!レクスにプレゼント用意しとくように言うの忘れてた。



案の定というかローゼさんが期待の眼差しをレクスに向けている。

でも、あの感じレクスを困らせようとしているな。


あれ?レクスがローゼさんに何か差し出したな。

こっそりと中身を確認したローゼさんが笑顔になっている。

凄いな。何も言ってなかったのに。

これはレクスが出来るからなのか勘のお陰なのか。

今回は後者な気がするな。

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