閑話 クリスマスイブ
冬休みのとある日カイはとある準備に取りかかっていた。
「何してるの?」
この問いからもわかる通りマイにも何かは伝えていない。
「秘密」
彼は今とある魔方陣を作っているのだが、はたから見れば戦闘の準備をしているように見えカイの知らないところでマイは心配していた。
◆
そんなカイが作っていた魔方陣とは光魔法が元となっているものだった。
イメージはイルミネーション。
カイはクリスマスにむけ準備をしていたのである。
当然この世界にクリスマスの概念はないが、サプライズをしようと考えたのである。
彼のインベントリには既にクリスマスっぽい料理が準備されている。
しばらくして、その魔方陣も完成し準備も残すところあと一つとなった。
それはプレゼントを買うこと。
サプライズにプレゼントは欠かせないだろう。
◆
しかし、それには一つ問題があった。
それは一人で買い物に出ないといけないということだ。
つまり、マイに悟られないように外出しなければならない。
移動魔法で家から出るのが一番可能性が高いが、何処に移動するかという問題が生じる。
透明になって移動するにしても移動した先で誰かにぶつかる可能性はないとは言えない。
結局あの場所に移動することにしたのだった。
◆
カイが移動した先にいたのはノインであった。
「わ!ビックリした。どうしたんだよ?」
「悪い。リーセスいる?」
「?今日は何処にいるのか知らないな。レイも知らないみたいだし」
そうか。巻き込もうと思ったのに・・・・・・
まあ、良いかこの家から出て外に出よう。
ノインに玄関まで送ってもらい、その家を出る。
◆
そこから少し早歩きで店に向かう。
長くなればなるほどマイに気づかれてしまう可能性が上がる。
サプライズを成功させるためにも、それは避けるべきだ。
そうやってアクセサリーを探すがそこで見知った顔を見かけた。
「こんなとこで何してるんだ?」
何となく察しはついているがわざと知らないふりをして聞いてみる。
「な、なんや。カイやないか。そっちこそこないなとこに一人、何しとるんや?」
お返しと言わんばかりにそう言われる。
「マイにプレゼンとを買おうと思って。そっちは?」
平然とそう答えもう一度リーセスに返す。
「何でそんな平然と言えるんや?僕も似たようなもんや」
やっぱりか。
ここであったからには一つだけ注意しなければならないことがある。
「同じのだけは買わないようにしよう」
これは大事だと思う。
多分、同じ場所で渡すことになるから被らないようにするのは大事である。
その後、それぞれのプレゼント選びにそれぞれが意見を出しながら無事にプレゼントを買うことに成功したのだった。
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