第212話

「まあ、大分危険な仕事になるからこちらとしてはお願いしにくいんだけど、戦闘をなるべくさける方針でいくと僕か君たちがエルフに会いに行くのが得策なんだよ」

「わかった。その案を受けよう。その代わりと言ってはなんだが、今後も友好の印として今回のような交流を続けていきたい」

感嘆の目でレクスを見るサテュロス。

「それはこちらとしても嬉しい提案だね。ただ、良いのかい?」

それには色々な理由が含まれているだろう。

まずは内政に手出しすることになること、さらには王子という立場で危険なことに手を出すことなどがあげられる。

「まあ、身内が口出ししたらもう関わっていないとは言えないからな」

あれ?僕は意見を言わない方が良かったのかな?

「それもそうか。じゃあ、お願いするよ。危険だけど、どうかよろしく頼むよ」

まあ、最終的に助けになれそうだし良かったのではないだろうか。

レクスも何か条件出してたし。



「それで肝心のエルフの居場所なんだけど、ここから東に行くとここよりも木々の立ち並んだ森がある。その森の中を歩いていたら嫌でもエルフに会えるよ」

仲介することになった僕たちはサテュロスさんから様々な情報を聞いていた。

「襲われるということですか?」

「まあ、それはないと思うんだけど、一応そうなったときのために僕からの紹介ということがわかるように精霊達に説明をお願いしておくよ」

「なるほどな。今日はこれで解散、明日も準備をする期間として明後日に行動を開始しよう」

その言葉で解散となった。

今日、明日は皆移動魔法を覚えたためそれぞれの自宅で寝るようだ。

ただ、ノインの家には一人増えるみたいだが、僕が口を出す話ではない。

僕自身が提案したわけじゃないけど付き合う前からマイと一つ屋根の下で暮らしたことがある。

それよりはよっぽど普通だろう。

別にそのとき僕にやましい気持ちなんてなかったよ?

それでも客観的に見たら確信犯的に見られそうでならない。

本当に僕の意思でそうなったのではないことを覚えておいて欲しい。



「久しぶりだねここで寝るの」

そう言うマイは既に家のベッドに腰を掛けている。

「そうだね」

僕もそう答えながら隣に腰かける。

「・・・・・・中々ゆっくり出来そうにないね」

確かに、後の予定がもう決まっているため休みがあっても精神的に休むことが出来るかと言われると少し怪しい。

「せめて明日はゆっくりしようか」

そう提案した後、横になりそのまま眠りについた。

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