第211話
僕たちは改めて精霊王と初めて会った場所、精霊王の間ということにしよう。
そこで精霊王の姿をしたサテュロスさんと今回のことについて話していた。
「いやぁ、巻き込んでごめんね。魔族の方に目を向けていたら、こんな近くで事件が起きるなんて」
「いや、問題ない。今回の件で帰りがいつになるか未定になることは伝えておいた。詳細まで知っているのは上層部だけだがな」
「ありがとね。今回の件をどうおさめるかだけど、今精霊達にエルフの様子を探らせているんだけど・・・・・・どうやらまた攻めてきそうだそうなんだよ」
「その対策は?」
レクスが代表して問う。
「まあ、色々策はあるんだけどやっぱり僕が出向くのが一番なんじゃないかなって思ってるんだけど君たちの意見を聞かせてくれるかな?」
「私は正直口を出せないな。他国の王子が内政に口を出すわけにはいかないからな」
正直レクスがなにか言うと思っていたので自分の意見をまだ言語化出来ていなかった。
誰も発言しない沈黙の中脳をフル回転させ意見を言語化させる。
「正直得策ではないと思います。疎遠になっていたとはいえ精霊王の居場所はエルフも知っていたのでしょう?」
「そうだね」
「なら、精霊王だからと攻撃されないとも限りません。報復を恐れて攻撃しないという可能性も予告なしに魔物に獣人の国を襲わせていることから限りなく低いと思います」
僕なりに考えた結果だった。
まあ、報復を恐れるなら獣人を襲わないよねっていう単純な考えだけどね。
「驚いた。君強いだけじゃなくて頭も回るんだね」
なんかすっごい意外そうに言われたのは気になるが納得してもらえたようだ。
「でも、僕がそんなすぐに負けるわけないでしょ」
サテュロスさんが強気だ。
「でも、もしものこと考えとかんといかんやろ」
「多分僕が行ったとしても襲われることはないと思うよ。何せエルフが崇めている大木の管理は僕の魔力でやってるからね。僕が死ぬことはその大木も死ぬということになるからね」
そういう前情報は先に言って欲しかった。
しかし、
「それでもあまり得策ではないと思います。
捕らわれたとなれば精霊、獣人共に王が不在となります。そうなったときまたエルフに攻められたらそれこそ被害が大きくなる可能性があります」
「まあ、その問題はあるよね。僕を除くと中々飛び抜けた実力を持っている獣人も精霊もいないからね。精霊はともかく獣人は力も重視して従うことが多い・・・・・・・・・もう一つ似たような案があるんだけど一応聞いてくれるかな?」
その言葉に全員が首を縦に振る。
「それはね、君たちが仲介するというものだよ」
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