第147話ご褒美
「改めて皆合格だよ」
カイとマイが元の場所に戻ると精霊王が改めて合格を告げた。
「それにしてもカイ、どうしたんだ?目が赤いぞ?」
「あ~、彼のが一番きつい試練だったからね。無理もないよ」
カイに内容を話させるのは酷だと思ったのか精霊王が話に割って入った。
「内容は後で話すよ」
少し疲れた声のカイが自ら後で話すと発言する。
「まあ、どうせ伝えないといけなくなるからね、良い判断だと思うよ。
試練を受けてくれた君たちにご褒美をあげようかな。君の暴走、それが獣人の魔化と同じような状態だ。それを沈めることが出来たのはマイだ。もう分かったよね?これは根本的解決は出来ないけど魔化した状態で捕らえられている獣人を元に戻すことが出来るんじゃないかな。
それと、海底への行き方だけど行きたくなったら僕が連れていってあげるよ。まあ、僕もこの状況は看過出来ないからね。
というわけで、今日のところは帰って良いよ。皆に幻覚に近いものを見せたけど、あれはすごく脳を疲れさせるんだ。だから、せめて一日、長めに三日休んでも良いと思うよ。期間はまだあるんだし気軽にね」
精霊王がそう言うと、周りの風景が急に変わり謁見の間に戻っていた。
「それぞれの試練内容はまた後日話そう。今日はもう解散だ」
レクスがいつもの調子でそう言うが若干疲れが見えた。
「そうだ。少なくとも明日は休みにするんだったら王城に送っていこうか?明日の夕方ぐらいに迎えに行くけど」
「あ!」
こいつ、忘れてたな。
「おいおい、忘れてたのか?これは報告しとかないとな」
「い、いや違う。その手があったかと思っただけだ」
「ふ~ん、正直に言わないなら送っていかないよ?」
「なっ!・・・・・・ああ、そうだ。色々あって忘れていた」
初めは言い返そうとしてたけど諦めたな。
送ってやるか。
「じゃあマイすぐ帰るから部屋で待ってて」
レクスだけ送ることも出来るのになぜ自分も行くのか。それはローゼさんに報告するためである。
後は一応家の様子も見ておこうと思ったのだ。
移動魔法を使いレクスと共に王城のレクスの部屋に来た。
そこには、
「遅いわよ!」
ご立腹のローゼさんがいた。
これは報告しなくてもレクスは怒られそうだな。
「じゃあ、明日の夕方迎えに来るから」
飛び火を受ける前に移動魔法で家に逃げた。
中は全然変わっておらず何もなかったようだ。
確認を終え、戻ろうとしたとき視界が回転を始めた。
そして、そのまま意識を失い倒れた。
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