第143話精霊王 2

「ん?なんや、ここは・・・」

「悪いね、こんな荒々しくしちゃって」

リーセスの目の前にいたのは精霊王。

「いや、皆が無事ならかまへんけど」

「それは安心して良いよ。初めに言ったけど君たちを害するつもりはない。君にはちょっと助言をしておこう。君を薄々気づいているだろうけど、まだ死神から逃れきれてないよ」



レイが目を覚ますと近くに精霊王がいた。

「あの・・・・・・」

「ああ、目が覚めたかい?早速で悪いけど君の恋人の本当の顔を見たことがあるかい?」

「えっと、どういう・・・」

「あの表面的な明るさあれは演技、いや自分を守るための武器とも言えるか。その武器をはずした姿を見たことがあるかい?」

レイは未だに言葉の意味が理解できなかった。

「まあ、これだけじゃわからないか。直接見てくると良い、本当の彼の顔を」



ノインは何事も起きてなかった。

しばらくして精霊王が戻ってきた。

「さあ、君が最後だ」

「もしかして皆を・・・・・・」

精霊王の言葉に最悪の展開を想像してしまう。

「あ~、それに関しては心配ないよ。だから安心して欲しいな。

僕の見立てでは君はここに来ない予定だったんだけどね。来たからにはなにかしてあげようかな・・・・・・

そうだ、君は双子の妹の恋を応援してるんだってね?」

「あ、ああ」

「僕は今、その恋のキューピットになるか破局の悪魔になるかの狭間にいる、と言ったら君はどうする?」


「なん・・・だって」

「答えるんだ、僕を殺すかい?それとも二人を信じるかい?」

ノインはあの二人の邪魔をしているという精霊王への怒りでいっぱいになっていた。

しかし、それと同時にあの二人のこれまでの様子を思い出した。

「・・・・・・二人を信じる」

「うん。合格。いや、ごめんね。急遽だったから凝ったやつは用意できなくてね。これなら初めから受け入れるのを六人にして考えとくべきだったかな」

「あの、えっと・・・・・・」

雰囲気がガラリと変わった精霊王に困惑するノイン。

「ああ、待っていたら皆も戻ってくるだろうからそこでくつろいでると良いよ」

そう言うと精霊王はその場から姿を消した。

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