第142話精霊王

僕たちを迎えたのはおそらく精霊王だ。

理由は彼の傍らにそびえているニゼリアさん。

「レクス殿、警戒しすぎだよ。僕は君たちに危害を加えるつもりはない」

「それは何となくわかったが・・・・・・あなたは・・・・・・」

「鋭いね。口に出さないでくれたこと感謝するよ。と言っても君たち全員にむけて話すことはないから一人ずつ来てくれるかな」

そういわれた瞬間意識が遠退いていった。



目が覚めると目の前には精霊王がいた。

「まずは君からだ。君は自分を抑えることが出来るかい?」

その問いに僕は答えることが出来ない。

以前死神の目が発動した際、あのままだったら抑えることが出来なくなっていただろう。

「なるほど。自分の状況をちゃんと理解しているようで一安心だ。じゃあ、この試練も乗り越えて欲しいな」



マイが目を覚ますとそこには精霊王がいた。

「君は、婚約者のことを本当の意味で愛しているかい?」

突然の恥ずかしい問いにすぐには答えられないマイ。

「まあ、恥ずかしいよね。これから見る映像を見てもまだその愛が消えないか確かめて見ると良い」



「レクス殿先程は声に出さなかったこと、本当に感謝するよ」

レクスは意識を失うことはなく小さな個室に入って精霊王を待っていた。

そのレクスの部屋に先程の言葉と共に精霊王が入ってくる。

「今は精霊王として話させてもらうよ」

「ああ、何かしらの事情があるのだろう?」

「察しが良いね。ところで僕の正体に気づいたのは『勘』かな?」

「そうだが・・・・・・」

「やはりね。彼を呼ぶついでだったとはいえ君にもためになる話をしよう」

「・・・・・・」

無言のまま精霊王を見つめるレクス。

「『勘』に頼ろうとしたね。僕が本当に安全なのか見極めるために。しかし、発動しなかった、そうだろう?」

「・・・・・・ああ」

図星であったため少し返しが遅くなる。

「不思議に思ったことはないかい?百発百中の『勘』。しかも自分で発動出来るとき時と出来ない時がある。極めつけが親や祖先にその力を持つものがいないこと。どこから来た力なのか知りたくないかい?」

その言葉にレクスは動揺を隠せない。

ずっと自分の力を疑問視していた。だが、その力の招待は王城の書庫の本を探しても見つかることは無かった。

「話しても良いんだけど他の人のところにも行かないとだから映像を見せてあげよう」

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