第141話精霊王のもとへ

「そんなことはないと思うよ」

「なぜ言い切れる?」

だって執事まで使って会いに来て欲しいって言うくらいだからね。

ただ、その事を言って良いのかわからないため、いつぞやのレクスの真似をすることにする。

「勘」

まあ、嘘ではない。絶対大丈夫とは言い切れないわけだし。

「勘か・・・・・・なら信じよう」

レクスって他人の勘まで信用すんのか?

まあ、うまく話がまとめられそうだから良いか。


その後、結局明日の朝に精霊王に会いに行くということになった。

やはり、レクスを仲間に引き込むと後は楽だった。



翌朝、謁見の間にて獣人の王に精霊王に会いたいという話をした。

「よし、わかった。精霊王がいる場所へはこの部屋のどこかから行ける。俺は邪魔にならないために出るから頑張ってくれ」

そう言って獣人の王は謁見の間から退出しどこかへ行ってしまった。

「とりあえず何かないか探してみる?」

「そうやな」

前世のゲームでこういうことになれていた僕とリーセスはすぐさま動き始めた。

マイとレイは戸惑いながらもそれぞれについていく。

そして、ノインとレクスが取り残された。

「お前が取り残されるのは珍しいな」

「いや、しょうがないだろ」

「お前の双子の妹はついって行ってるぞ?」

「昔だったら立場逆だったのにな」

そう自嘲気味に言うノイン。

「良い変化と捉えれば良いだろう。さて、私たちも探してみるか」

「おう」

ノインは相変わらずレクスにため口だ。



「こういうのはやっぱり隠し扉があったりするよな?」

「そうやな。なんならなんかせんと開かん扉やったりするんとちゃう?」

カイとリーセスは思いの外前世で同じようなゲームをしていたらしく、自分達がゲームの世界に来たという感覚で楽しんでいた。


しばらくして、

「見つからんな」

「他に何かないのか?」

レクスのその言葉にしばらく考え一つの可能性を思い付く。

「マイ、あのアクセサリーに魔力を流してみよう」

「え?うん」

同時に魔力を流すといつもは光るだけのところ今回はどちらとも光が延び同じ点を指した。

すると次第にその壁が透けていった。隠し扉みたいなものだったのかな?

「おお、なんやそれ?」

「そんなものがあるとは聞いていなかったが」

「まあまあ、道があったんだし進もう」

なんとか話をそらし先に進むことにする。

進む先にはすぐに部屋があった。

そこに入ると、

「よく来てくれたね。歓迎するよ」

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