第139話獣人の王
そうして数日後。
目的地である亜人の聖地の中心にある獣人の国に着いた。
今日はその国の王に会うそうだ。なんでもライオンの獣人らしい。
百獣の王と言われるから獣人の国の王なのかな?
「ねえ、ミリア。獣人の王ってどんな人?」
数日間の間で大分打ち解けたミリアに聞いてみた。
「会ったことないから分かんないです!」
どうやら聞く相手を間違えたようだ。
「でも、変わって間もないから皆様子見してるです」
以外と良い情報を聞けたかもしれない。
「ちなみに変わったのはいつ?」
「えっと、20年前位って聞いたです。」
いや、普通に様子見の段階とうに越してるだろ!
「それにしても王が変わるとは珍しいな」
レクスが会話に入ってきた。
「どういうこと?」
「王が変わるのは何かしらやらかすか500年に一度だ」
あ、獣人って長命種なのね。ってことはミリアも・・・・・・
「ミリアってもしかして・・・・・・」
「女性に年齢聞いちゃダメです。気でもあるですか?」
なに言っちゃってんだ、この子。
「あ・る・の?」
誰とは言わないが横から凄い冷気を感じる。
まだ冬で寒いのに余計に寒くなってしまう。
その後、必死に誤解を解いていると、
「ははは、面白いです。変なこと聞いたかいがあったです」
変なことっていう自覚あったのね。
・・・・・・まさか、ミリアに嵌められた?
なんというか一生の不覚というのがピッタリな心情である。
そんな会話をしている内に王がいるという森の入り口に辿り着いていた。
城の代わりに森って・・・・・・
まあ、自然の迷宮と考えれば良いのか?
入り口には門番と思われる獣人がおり、ミリアが話をつけてくれその門番が森を案内してくれることになった。
◆
少し歩くと謁見の間に着いたようで立ち止まった。
「入って良いぞ」
来たのを察したのか木々の中からそう声が聞こえた。謁見の間といっても森の中。
しかし、一ヶ所の扉以外は木々が立ち並び隙間なく壁となっている。
これは凄いな。
そう思いながら開かれた扉から中へ入っていく。
「よく来てくれた。君たちを歓迎しよう」
僕たちを迎えてくれたのは王と思われる人物だった。
見た目は20代位でまだ青年と呼べるような顔立ちだ。
さすがに生まれてすぐ国王とかはないだろうから見た目と年齢は違うのだろう。
長命種の年齢を見た目で判断してはならないのだろう。
「私はレクス=ウェンテライウ。早速ですまないが用件を聞かせてもらおう」
急にシリアスな雰囲気になる。敵対するつもりはないと言っていたのにどういうつもりなんだ?
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