第136話水上の移動手段
数日後。僕たちは無事サウンゴに着いていた。
しかし、
「すみません。船はお諦めください」
船に乗れずにいた。なんでも遭難事故が多発しており沖に出た船が行方不明になっているらしい。
原因は未だわかっておらず調査に出た高性能の船まで行方不明になったのだという。
そのため漁が出来ずこの町の活気も衰退しているらしい。
◆
「どうする?」
「どうするもなにも船がないことにはな」
レクスは何を言っているのだろうか。
「いや、別に空を飛んでいくか水面を歩いていくかすれば良いじゃん」
「・・・・・・ふぅ。まあ良いか。どちらにする?」
なんだ?長い間からのため息は。
「水面を歩いていくのは危険とちゃう?船が遭難しとんやろ?」
「でも、この町の人が困っているから歩いていって原因を突き止めた方が良いと思います」
レイってこんなに喋る子だったっけ?
「それはそうやな」
すごい手のひら返しだな。そして、なんだろうか。この尻に敷かれている感。
早くないか?僕が言えたことでは無かったかもしれない。
「ふむ、では原因探しも兼ねて歩いていくか」
◆
海の近くの砂浜に来ている。今回、水面を歩いていくわけだが忍者のような芸当は出来ないため魔法である。一度傘の代わりに使った魔法を靴底に起動すれば自然と歩けるわけだ。
ようは風で床を作ってその上を歩く感じだ。
皆の足裏に魔法を起動し海の上の旅に出た。
出発してすぐに気づいた。海の上を歩けるのは良いが遠すぎるということに。
そこで僕はあることを思い付く。
「皆、僕の周りに集まって」
皆に近くに集まってもらいそれぞれの足裏に起動していたものをひとまとめにし大きくする。
そしてその大きな板の表面をクルクル動かし、下側に回ると突起が出て推進力を出させる。
エスカレーターを水上で再現した感じだ。
後はこの魔法を魔方陣にし、交代で魔力をながし続けたら良い。
速さは歩くのよりもちろん速く、船と同等かそれ以上の速度が出ている。
◆
しばらく進んでいると小島とその島を囲むように大きな渦が出来ているのを確認できた。
渦の流れからしてその島に引き付けるような流れになっていそうだ。
多分遭難の原因はこれかな。
まだ、はっきりと見えたわけではないが船が何隻かある気がする。
移動魔法を駆使すれば助けることは出来るだろう。しかし、この渦を何とかしない限りまた遭難する船が出てくるだろう。
これならいっそ魔獣の影響の方が倒して終わりで簡単だったのかもしれない。
どうすべきか考えるのだった。
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