第129話す……

翌日。

リーセスは朝から焦っていた。

冬休みは今日を含め後三日。

つまり最終日を除く今日と明日で告白しなければいわば公開処刑されてしまう。

それに強制的に告白させられるよりは自分からしたいという気持ちが強かった。

「おはよ」

そう考えているとレイが後ろから挨拶してきた。

「お、おはよう」

緊張してしまい普段通り話せない。

「どうしたの?」

「な、なんでもない」

「?」

首をかしげながらこちらを見るがその後なぜか顔をそむけ去っていった。

どうしたんだろう。


この言葉のやりとりから分かるように初めとは比べものにならないほど自然体で話すようになっている。

だからこそ緊張している事を気づかれかけたのだ。



そうしてそれはノインにはすぐにばれていた。

というよりもノインはサイルに二人が付き合ったのかを報告するように言われていた。

その際サイルがリーセスをけしかけたという情報も提供されていたため先ほどのやりとりから気がついたのだ。

そこでノインは二人きりにさせようと考える。

ノインとしては長かった作戦も終盤だという実感からこのチャンスを逃したくなかった。

そこで二人には友達と遊びに行くと言い外出した。

その際二人が付き合うことになったのかを確認する方法などは考えていなかった。



さて、家で二人きりになったリーセスとレイだがリーセスが緊張しているせいか会話が出会った当初の頃ほどに少なくなっていた。

レイもリーセスが普段と違うことに気づいてはいるがどうすれば良いのかわからずこの状態となっている。

「ちょっとエエか?」

リゼイル達がいないためいつも通りの口調で話しかける。

「どうしたの?」

「えっと、その・・・・・・なんちゅうか、す・・・・・・」

「す?」

レイはここである可能性を見つけ出す。

「前髪、上げて」

「え?」

リーセスとしては何がなんだかわからない。

しかし、素直に前髪を上げた。

一旦仕切り直さないと言えないと考えたのだ。

「!」

リーセスは驚きのあまり声が出なかった。

それはレイが突然おでこ同士をくっつけてきたのだ。

今まさに告白しようとしていた相手にそうされるのは予想外であり困惑した。

「あれ?熱がない」

レイが導きだした可能性は熱があるというもの。

手でもできるはずなのだがそうしなかったのは家庭の影響かはたまた・・・・・・



その日は結局告白が出来ずに終わり、後一日に追い込まれた。

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