第127話再会 2
リーセスの様子をみると少し困ったような顔をしていた。
聞いた話によるとおそらくこの人達とは操られる前に知り合っている。
つまり死神の件については知らないはずだ。
おそらく話すことをためらっているのだろう。
話すと巻き込む事になる可能性があるから。
「つい先日気がついたんです。その時にはこの王都にいて、自分が何をしていたのかを聞かされました。操られていたとしても許される事ではないと思ってます」
死神の件は話さず自分が何をしていたのかを隠すことによって注意を分散させうまくはぐらかしている。
さすが陽キャ。
僕にはここまでの会話テクはない。
「それで納得すると思ってるんですか?そもそもそういう手法を教えたのは僕ですよ?」
おっと、陽キャだからというわけではなかったようだ。
サイルさんがちょっと怖く感じてきた。
絶対口では勝てなさそう。
結局リーセスは正直に話し始め、先ほど隠していた自分がやったことについても簡単に話した。
「立派になったな」
「そうね」
「無差別に人を殺してなかったようで安心しました」
さ、サイルさん。
言っていることが怖い。
でも、なんでそんなことを考えたんだろうと思い聞いてみると、
「それはなリーセスがいなくなった日村人全員が外傷もなく殺されていたんだ」
「ちょっと、もう少し言い方があるでしょ」
「そうですよ」
リゼイルさんが責められ始めた。
だが、リーセスはそれを見て笑っていた。
そうして場の雰囲気は暗さを一切感じさせない位明るくなり再会を喜ぶものになった。
「なあ、リーセス。お前ら付き合ってんの?」
これはリーセスとレイの様子を見ていたリゼイルさんの言葉だ。
二人とも目に見えて動揺し互いの出方をうかがっている。
やっぱ仲良いな。
「お前ら、早くくっつかないと後悔するぞ」
リゼイルさんはお酒を飲んで酔っ払っているのか言うことが少し過激になっている。
リーリエさんも飲んでいるのだがサイルさんだけ飲んでいなかった。
「サイルさんはお酒は良いんですか?」
「はは、僕も再会を祝して一杯と行きたいところですけど酔っ払った二人を宿まで送らないといけないですから」
サイルさん大変だな。
「お疲れ様です」
「ありがとうございます。ところでやはりあれは付き合ってますよね?」
リーセスとレイのことだ。
「一応まだなんですよね」
「本当ですか?これはやっぱり告白の仕方も教えないといけませんかね?」
さ、サイルさん?
この人めちゃくちゃ凄腕の詐欺師にもなれそう。
この後少しの間サイルさんとリーセスが別室で話していたらしい。
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