第126話再会
夜と呼べる時間だが人がまだ起きている時間帯なので家に行ってみることにした。
なぜ家の場所を知っているのかって?
ノインと共に二人(リーセスとレイ)の様子を見ていたことがあるからだ。
もちろん隠れて。
じゃないと本当の二人の会話が聞けないから。
別にバレるかどうかヒヤヒヤしながらつけていくのが楽しくなっていたわけじゃないよ?
うん、本当に。
というわけで偶々知っていたのだ。
マイはなぜ僕が家の場所を知っているのか不思議に思っているようだった。
家の扉をノックする。
しばらくして中から小さな足音が聞こえてきた。
「どうしました?ってカイか。どうしたんだ?こんな時間に。なんか見慣れない人もいるけど」
出てきたのはノインだった。
これはノインの作戦のひとつでもある。
家に来客が来ても自分が対応することで二人の時間が長くなるというものだ。
二人がカップルに中々ならないためノインの作戦もまだ続いていたのだ。
「ああ、リーセスの知り合いらしくてさ会いたいらしいんだ。今大丈夫か?」
「大丈夫だけど本当に知り合い?」
「ではリーセスにCランクで男二人女一人のパーティーが来ていると伝えていただけたら確認できると思います」
サイルさんがそう言う。
やはりサイルさんが代表して話すことが多いな。
どちらかと言うとリゼイルさんの方が強そうでリーダー感があるんだけど。
ノインは伝えてくると家の中に帰っていった。
そして再び扉が開いたとき出てきたのはリーセスだった。
つまり本当の知り合いだったのだろう。
そこでひと安心する。
死神からの刺客とかだったら洒落にならないし。
後ろからノインとレイもついてきた。
「三人とも無事だったんですか?」
あれ?口調が・・・・・・
「ああ、まあな」
「元気そうで安心しました」
「見ない間にこんなに大きくなって」
三人が嬉しそうに口々にそう返す。
「とりあえず上がってください」
リーセスの口調がやっぱり変だ。
それと本当にこの家の住民っぽいな。
まあ本当にそうなんだけど。
◆
なんと言うか僕とマイは帰ろうと思ったんだけど流れで一緒家に上がることになった。
見た限り誰かの部屋と思われる扉が4つある。
双子のための家と聞いていたからなぜだと思いノインに聞いてみると、両親が時々様子を見に来てそのまま泊まっていくのだと教えてくれた。
つまりその両親の部屋と双子の部屋があるというわけだ。
それはさておき、
「事情を説明してもらえるか」
リゼイルさんのその一言が場の雰囲気を一気に暗くした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます