第105話ロヴァイトの相談

なんだろう。聞いといてなんだが不安になってきた。

「それは・・・・・・」

「教えてください」

マイもなぜみんなが集まっていたのか知らないらしい。

「・・・・・・しょうがないか。実は相談を受けていたんだ、お前たちについての」

そういうレクスの視線の先はロヴァイトさんだ。

ロヴァイトさんが相談者なのだろう。

「どんな?」

レクスはロヴァイトさんを見てうなずくのを確認してから話し始めた。

「簡潔に言うとお前たちの進展が見られないから別れるんじゃないかと普段近くにいる私たちに様子を聞き、早く進展させるためにはどうするべきかと相談されたんだ」

え?そんな別れそうな雰囲気出てたかな。

そんなつもりないけど。

「付き合い始めて約半年だろう。それぐらいで一つや二つくらい進展がないのはもしかして、と思ってしまった」

確かに最近進展はなかったかもしれないけれどそれまでに異常な速度で進展してるから普通よりも進んでいると思うんだけど。

僕の感覚がずれているのかな?

「そして、私たちが出した結論だがお前たちが早く結婚すれば良い。そうすれば解決だ」

あれ?やっぱり僕の感覚ずれてる?

こういうのを電撃婚と言うのだと僕は理解していたんだけれど違ったのかな。

皆がそれが当然と言う雰囲気を出しているから戸惑ってしまう。

というか僕がドラゴンと戦っている間によくその話をしていたな。

・・・・・・考えるのはやめよう。僕が信頼されていた、そういうことにしておこう。

ふとマイの顔が視界の隅にうつる。

あれ?

なんか赤くなって心ここにあらずみたいな感じになってる。

僕は結構なれてきたんだけど・・・・・・

変なことになれてしまったがまずはマイをなんとかしよう。

目の前で手を振ってみる。

反応はない。

声をかけてみる。

反応無し。

肩をゆすってみる。

反応無し。

・・・・・・どうすれば良いんだ?

みんな見ているのに手伝ってくれないし。

なんならその視線はなれてきている僕も結構きつい。

「どうしたの?」

時間差でマイが反応した。

わざとじゃないかと思うほどだったがこの様子はわざとではなさそうだ。

「結婚はまだ早いよね?」

これは僕の感覚が間違っていないことを確かめると同時に皆に納得してもらうための質問だ。

これでまだ早いと言ってくれたらそれで納得してもらえる。

一石二鳥の質問・・・・・・

「え?私はいつでも良いよ」

あれ?それは嬉しいけれど、やっぱり僕の感覚がずれているの?

おそらく前世日本人のリーセスを起こして訊きたくなったが簡単に信用してはダメだとやめた。

「さ、後はお前次第だぞ」

レクスがとどめの一撃とばかりにその一言。

「分かった。じゃあ、ここで宣言する。学校を卒業したらすぐ結婚する」

やっぱり卒業する前に結婚するのは僕の倫理観的に無理だ。

それに皆の前で帰ったら結婚しますなんて言う度胸がない。

今気づいたが僕が言ったことも相当やばい。

比較対象と比べてマシ過ぎて気がつかなかった。

というか言った後に気づいたんだけどこれ死亡フラグがたったかもしれない。

気をつけよう。それでどうにかなるかは分からないけれど。

「まあ、そこまで聞けたから良しとするか」

レクスはあの答えに満足してくれたようだ。

「一応言っておくが、俺はいつでも歓迎だからな」

ロヴァイトさん・・・・・・

初めの時とだいぶ印象が変わった、それだけ言っておこう。

「こういうときに自重しなくても・・・・・・」

レイには以前自重しろと言われたことがあったが今回のは自重というのだろうか。

ノインは笑顔、手でグッジョブってしている。

先ほどは真っ先に声をあげていたからなんかギャップを感じる。

「心配しなくても在学中に結婚しても俺がしっかりフォローするからな」

ベン先生は僕が在学中の結婚を不安に思っていると思ったのかその不安を取り除こうとしているらしい。

別にそういうわけではないのだが、こういう心遣いは嬉しい。

最後にマイの方を見ると・・・

「そ、卒業したら・・・すぐ?あと一年半・・・・・・」

すごくお取り込み中だから話しかけるのはやめておこう。

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