第103話決着

それはこれから先の無数の可能性。

僕が様々な威力で魔法を撃ちドラゴンを倒せないという流れが続く。

その中の一つ。

唯一ドラゴンを倒せている映像を見つける。

そしてそれを見つけた瞬間流れてきていた情報がすべてなくなり体がまるで定められているかのように先ほど見たドラゴンを倒せている映像を再現しようとしている。

それに身を任せていると勝手に魔法を撃ちドラゴンに炸裂した。

しかし、ドラゴンは倒れない。

一瞬の静寂がその場を支配する。


先に動いたのはドラゴンだった。

一歩前に出ようとしたがそれはかなわず崩れるように倒れ、動かなくなった。

それを確認した僕は気づけばまた真っ白な世界にいた。

違うことといえばすでに創造神がいることだ。

「お見事。これで使命を果たしたことになりあの魔法についてはチャラだ。もう使うなよ?使ったら次は・・・・・・」

こんなものではすまないということだろう。

「ご明察。まあ、今回はあのドラゴンを倒す手間が省ける可能性があったからこうなったんだよ。さすがにあれは僕が対処しないといけなくなる可能性があったからね。それにあんなの連れ込んだらあの二人になんて言われるか・・・・・・と話がそれたな。今回のはレッドに近いイエローカードだ。今後は気をつけろよ。さ、まだやることあるだろうから、じゃあな。君のこれからに期待しているよ」


何か言う暇もなく現実に戻された。

周りを見渡すと見えやすいところでリーセスが倒れていた。

僕に魔法をかけた後あそこに瞬間移動でもしたのだろう。

何気に使えていたんだよね。

一方的ではあったが約束は約束なのでしっかり連れて帰る。

後は頼むとはドラゴンのことかもしれないけれど、そこはこちらの都合の良いように理解させてもらおう。

彼には死神の情報を話してもらわなければいけない。

彼を浮遊魔法により適度に浮かせ彼ごと瞬間移動する。


移動先はアゴットさんがいるであろう本陣のテント。

そこにはしっかりアゴットさんがいた。

「よく帰ってきた」

本当に安心したような声でアゴットさんがつぶやく。

「ありがとうございます。えっと・・・こいつは今回協力してくれた奴です」

死神の使者は軍にも話がいっているはずなのでそう言えば伝わるのだがこいつが罪に問われることがあればそれこそ死神の情報を訊くことが出来ない。

「そうか。その者の事は後で良い。早くスタールさんに無事を伝えなさい」

その言葉に頷き自分のテントへと瞬間移動した。

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