第102話ドラゴン 3
(結構・・・・・・キツいなこれ。こりゃ気抜いたら・・・死ぬわ)
一人ドラゴンと対峙しているリーセスは苦戦しつつもドラゴンの攻撃を躱していた。
(補助系の魔法しか使えんのでは・・・・・・どうにもならんな)
彼は補助魔法に特化しすぎているため攻撃魔法を使えない。
相手にダメージを与える方法は毒魔法と幻惑魔法によりダメージを受けたと錯覚させるもののみ。
毒については一度かけ耐性が上がったためかからない。
幻惑魔法の方も体の大きいドラゴンのどこが急所なのかが分からない限り有効打にならない。
そのため膠着状態が続いていた。
正確にはリーセスの体力のみが減っていきドラゴンはまだまだ余裕そうである。
隙を見て小刀で攻撃しようとするが相手が口を開けると噛み付く攻撃なのか水と氷による攻撃なのか判断に時間がかかり中々出来なかった。
急に背後から気配を感じる。
その気配とある魔法によりそれがカイであることはすぐに理解できた。
「遅いで。何してたん?」
こういう危険な状況だがわざと明るく訊いてみる。
「悪い、すこし話してた」
「誰とやねん!こっちはずっとここで苦戦しとったんやぞ!」
漫才のツッコミぽく言っているものの内心は少し怒りの感情もある。
「代わりに良い情報がある。あいつの弱点はちょうど良い攻撃だそうだ」
「なんや、その分かりにくい弱点は」
「それは僕じゃなくて神様に言ってくれ」
神様に言えという言葉を不思議に思いつつちょうど良い攻撃という意味を考えてみる。
と言っても回避しながらなので途切れ途切れだ。
そして思い出す。
カイの魔法の後から火による攻撃はなく代わりに水と氷の攻撃しか撃ってないことに。
つまり強すぎる攻撃はそれに何らかの力により適応してしまうためそうならないギリギリを狙わなければならないということだ。
それを簡潔にカイに伝える。
自分ではできないということが分かっていたからだ。
ドラゴンの攻撃を避けているとリーセスからの助言がとんできた。
距離が離れているのになぜ声が聞こえているのかということを考える余裕はなかったがリーセスの言っている意味をしっかり理解できた。
しかし、それでもどうやってその調整をするのかが重要になりそうだ。
まず違う魔法を使うことは大切だと思う。
今は水と氷だから次は雷だろうか。
問題は威力だ。
その問題点をリーセスの元に瞬間移動しドラゴンの攻撃を避けながら伝える。
「まあ、そうなるよな・・・・・・しゃあない。今からいろんな未来見せたるからそこで正解を見てこい。ただ、それ使ったら僕は動けんなるから後は頼んだで」
そう言われた瞬間僕の頭にとてつもない量の情報が流れ込んできた。
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