第100話創造神
僕は夢を見ていた。
それはこの世界に転生してからの記憶。
夢特有の経緯が曖昧になっている節はあるが気づかなかった。
まず思い出すのはソラとの日々。
訓練漬けだったがとても充実していた。
それから王都に行ってからの日々。
レクスとの出会いは本当に人生を変えたと言っても良いと思えるほどのことだった。
そこから少々振り回された気もするが・・・・・・
マイとの出会いもそれからの日々も本当に幸せだった。
そして時は過ぎ夏休みの記憶へ。
そこで一日寝込んでしまう日があったのを思い出す。
何かを作っていた時それが起こった。
作っただけで高熱が出て、初めは風邪でも引いたのかと思ったがちょうど24時間経つと治ったためあれを作ったためだと自分で理解しそれを二度と作ることはなかった。
それを思い出したとき意識がはっきりした。
しかし、周りの様子は考えていたものと全然違った。
真っ白で何もない世界。
ソラと話していた空間に似ている場所であった。
もしかしてと周りを見渡すがソラはいなかった。
どれ位経っただろうか。
何もなく早く行かなければと焦っていたため体感時間はとても長かった。
この空間に来客者が現れた。
急に僕の後ろに現れたため警戒を強める。
「いや、悪いな。少し会議が長引いちゃって・・・・・・まあ、僕が寝過ぎたからなんだけど・・・・・・」
そう言うのは金髪、青い目のチャラそうな若い男だ。
「何者でしょうか?」
戦闘の意思がなさそうなので出来るだけ丁寧に訊いたつもりだ。
焦りもあり考える余裕はあまりなかったが。
「そんなに焦んないでよ。現実世界の時間はここよりゆっくり流れているから」
どうやら焦りが伝わっていたらしい。
「そうそう、僕が何者かだったね。君にも分かるように言うと創造神だよ」
と続けたがその内容はあまりにもそんなに軽々しく言うものではなかった。
「驚いているところ悪いけど本題に入るよ。君が作成した蘇生の魔法陣。完全に成功したんだよ」
僕が誰にも言ってない蘇生の魔法陣のことを知っているあたり本当に神なのかもしれない。
しかし、成功しているなら何故ここにいるのかという疑問が湧いてくる。
「ああ、当然の疑問だな。それは成功してしまったから見過ごせなくなったんだよ」
声に出していないのに何故か当然のようにそれを読み取って話してくる。
「悪い、話してなかったな。心を読んでんだ」
これはもう神以外では考えられないな。
そうだとすると見過ごせなくなったというのはどういうことなのか疑問とともに不安が込み上げてきた。
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