第72話雨の休日

数日後。

今日は学校は休みだった。

外は大雨。この世界に来てから1番と言っても良いほどの雨だ。

そのため今日は家でゆっくり過ごすことにした。

ライも家にいるけど僕達に気を遣っているのかほとんど自分の部屋にいるかリビングの端で寝転んでいる。

時々構ったりもするが、正直世話をしている感が無い。

なぜなら水は僕が魔方陣で作った蛇口をもしたもので勝手に飲むし、食料も自分のインベントリに保管して好きな時に食べている。

食べ過ぎたりもしないから本当に手間がかからない。

ちなみにインベントリは僕の記憶をもとに再現したら出来たようだ。

他の魔法は使うことがないからとやらなかったみたい…………………………そういえばロヴァイトさんとの訓練の後に必死に回復魔法だけ練習していたのを見た気がする。


手間がかかるほど可愛いと言うが、僕は全然手間がかからなくても可愛いと思う。

これを親バカと言うならそう呼んでくれ。


ちなみにライは今自分の部屋にいるためマイとの二人きりの時間を過ごしている。

もしあのままここを去っていたらと思うと幸せに思うと同時にソラへの感謝が溢れてくる。

「あ、今ちがうこと考えてたでしょ」

少しムスッとしながら言うマイ。

「ごめん。ちょっとソラのこと考えてた」

「そう………なんだ」

これは言い方を間違えたな。

空気が重くなってしまった。

なんとか元に戻さないと。

「うん。ソラのお願いを改めて叶えないといけないと思ってさ」

「平和にすることともう一つの体を助ける、だっけ」

「そう。多分平和にするっていうのは今起ころうとしている王国と帝国の戦争が終わったら成功ってことで良いんだろうけど………………もう一つの体については多分魔族の大陸にいるだろうから難しそうなんだよね」

「確かに魔族の大陸は難しそうだね。でも、今は今出来ることからやれば良いんじゃない?」

「それもそうだね。まあ、今できることって様子見位しか無いけどね」

「じゃあ私との話に集中出来るね」

と笑顔になるマイ。

か、可愛い過ぎ…………


毎日のように話しているのに全然話のネタが無くならない。

これは前世の記憶があり元々話のネタが多いこともあるがそれよりもマイが聞き上手という面が大きいだろう。

僕の話を上手に引き出し適度に質問や感想を言う。

前世と今世を合わせても友達が数えるほどしかいない僕には到底出来ないことだ。


昼を過ぎた頃。

ドンドンと家の扉が叩かれた。

ああ、もう。今あの名作RPGシリーズの中でも1,2を争うほど良いストーリーのめちゃくちゃ良いところを話していたのに。

そう思いながらも玄関に行き扉を開けると、

雨に濡れ、とても焦っている様子のレクスがいた。

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