第62話魔法祭2
翌日。
昨日のようになるかと少し身構えていたがそうはならなかった。
しかし、売っている商品の名前が変わっているところが多い。
僕達がやった劇を思わせるような名前になっている。
商人がやることじゃない?
昨日の事だよ?
皆、将来商人になれば安泰かもしれないな。
ここであることに気づく。
元々知られているような話ではこんなに話題になることは無かったのではないかと。
今日は一緒に行動する事になったレクスに聞いてみる。
「ちなみにあの劇の話って誰が創ったの?」
「ん?言ってなかったか?ローゼに頼んだら結構あっさり創ってたな」
そこから僕を主役にするという計画を立てていたのか。
でも、何でローゼさんなんだ?
「あ、そうだったんですね。それなら納得です」
「何でそれで納得出来んの?」
「恋愛小説が好きらしくて」
「いつの間にそんな話聞いたんだ?……あっ!あの時か。レクスの宿題……」
「おい!その話を蒸し返すんじゃない」
「え~。どうしよっかな~」
「おい!」
「カイ君、もうすぐ人がいっぱいいるからそれくらいに」
「そっか~。残念」
「ふぅ、助かったスタール」
「助けたつもりはありませんよ?カイ君との時間が減ったのは事実ですから」
レクスに対するマイの遠慮というものはほぼ無くなっているのだろう。
しかし、レクスはそこでニヤッとする。
「それはすまなかったな、マールス夫人」
「えっ?いや、あの……」
言われたマイはもの凄い勢いで赤くなる。
レクスは勝ち誇った顔をしている。
だけど……………
「それ僕には効かないよ?」
「ぐぅ。……………ほら人が近づいてきたからいつも通りにしろ!」
「必死だな」
「うるさい!」
そこで本当に人ごみが近づいてきたのでそれ以上はイジることは出来なかった。
「そういえば昨日は何をされていたのですか?」
「うん?ああ、ローゼと色々見てまわっていた」
「それはそれは良かったですね」
「おい、気持ち悪いぞ」
「おっとこれは失礼しました」
レクスから舌打ちが聞こえたが聞かなかったことにしよう。
それからしばらく楽しんでいると、
「魔獣の群れだ!!」
この大声に楽しい雰囲気が一切無くなった。
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