第61話劇をして

なんだかんだで色々サービスされていると時間がきて今日の魔法祭が終わった。

明日は劇をやらないで良いので気楽……………だと思っていたが今日のが続くならそれはそれで嫌だな。

そう思いながら家で過ごしている。


「凄く盛り上がっていたね。私劇とか初めてだったけどちゃんと出来てた?」

「凄く良かったよ。そうじゃないとあそこまで盛り上がらないよ」

「カイ君は演技慣れてたよね」

「僕は前世で小さい頃は年に1回やっていたからね」

そう、学芸会だ。

僕は幼稚園生と小学生合わせて8回経験している。

よく上手いと言われる事もあってか2、3度位主役を任されたこともある。

セリフを覚えるのが面倒くさくなってそれ以降はやったことがあるからと主役を辞退するようになった。

今回は不覚にもレクスによって主役をせざるおえなくなったのだが。

その事をマイに説明すると納得したという顔になった。

「本当に上手くてカイ君の皮を被った他人かと思ったよ」

それ程だったか。

前世で俳優やってたらもしかしたら……………

って顔が中の下位だった僕は無理だな。

「前世の僕と少し重なっていたっていうのもあると思うよ」

「前世はあんな感じだったの?」

「あそこまででは無いけど友達は片手で数えられる位だったし。休みは友達と遊ぶよりも1人で過ごすことが多かったしね」

「寂しく無かったの?」

「今思えば寂しかったかもしれないけど前にも話したことがあるネットというものが影響して人付き合いが本当に難しかったんだよ。騙された人の話なんて度々聞いたし。僕はこの世界の方が好きかな。ってこっちでも友達そんなにいないけどね」

ネットへの不満から始まり最終的には自虐で終わるという彼女に話すことかと思うような内容を話すと急に近づいてきたマイに抱きしめられた。

僕は座っていたので必然的に柔らかいものを顔に感じる。

僕の理性を保つため離れようとするが強く抱きしめられているため出来ない。

本気を出せば出来なくもないがマイにそんなことは出来ない。

「ちょっ!マイ?」

「私は何があってもカイ君の側から離れませんから」

自分の友達がいないのをネットのせいにしたのにネットの無いこっちの世界でも友達が少ないって言ったら本当に寂しい人に見えるな。

慰めようとしているであろうマイに感謝を伝えその日は寝るのだった。

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