第21話ナカルー王国

次に行く国はナカルー王国。

レスタリー王国の西側にある。

その国はこの世界初の宗教の発祥地でその信者が多く住んでいる。

その宗教というのがカーム教。

何というか周りに気を使い自己犠牲の精神を持ちながら生活しているところを神様に見ていただくことで死んだ後天国に行けるでしょう。

って感じの教えだと聞いた。

簡単に説明して貰ったので詳しいところまでは分からない。

今ある宗教はこの教えの解釈の違いで地域によって変わっていったものらしい。

実質この世界唯一の宗教だろう。

なんか大分変わってるところもあるみたいだけど。

それがあるから熱烈な信者は皆ナカルー王国に住むか住みたいと思っているらしい。

レクスは王族なのであまり宗教は信仰しないようにしているみたいだ。

マイは信者ではあるが一応そうであるという感じらしい。

アゴットさんやその他の人達も信者はいたが熱烈な信者はいなかった。

そういえば昨日の夜も2人部屋でベッドは1つだった。なかなか寝付けなかったが前よりマシになった気がする。なれたのかな?

今度は1人で寝れなくなれそうで怖い。

というか女性としては付き合っているとはいえ初めて会ってまだ1週間とちょっとの男と同じベッドで寝ることに抵抗はないのだろうか。

最初のやつはそうせざる終えない状況だったがそれ以降は避けることも出来たはずだ。

レスタリー王国の時は自分からお願いしてたから大丈夫なのかな。

「考え事?」

僕が何かを考えていることを感じとったのであろう。マイが聞いてきた。

ちなみに当然のようにネックレスを身に付けている。

これは正直に話すべきなのだろうか。逆に聞いた方が安心出来るけど曖昧な反応だったり嫌と言われたらショックが大きい。

正直に言うとも限らないし。

いくら嫌でも本人の前で嫌なんて中々言えないし。

ただ他に何も思い浮かばないので聞いてみた。

「マイは僕と2人部屋で泊まること嫌じゃないのかなって思ったんだ」

マイは少しムスっとしながら

「カイ君は嫌なの?」

と聞いてきた。目がちょっと潤んでいる。

これは早く否定しないと。

「いや、逆に嬉しいくらいだよ。ただ会って1週間ちょっとの男と泊まることに抵抗ないのかなって……………」

「私はカイ君が嬉しいなら全然一緒に泊まるよ」

いや、それをレクスの前で言っちゃったら……

「ではやはり今回も2人部屋にしておこう」

やっぱり……………でもまあ良いや。

どうせ抵抗なんてしても無駄だし。

「なんだ。もう抵抗しないのか?つまらんな」

からかわれるのにも慣れてきたな。

これは慣れて良かったのか疑問ではある。


翌日の朝着いた。

例のごとく僕とマイは観光だ。

幸いこの国は大聖堂などの観光名所がある。

レクスと昼食前に集まることを約束し観光を始めた。

色々な観光名所を見てまわった後最後に大聖堂を見に来た。

とても立派で白い建物なのに全く汚れてないように見える。これは凄いな。

上の方まで掃除が行き届いている。

そして大きな鐘が目立っている。

結婚式とかで鳴らす鐘みたいだな。本当にそれようかもしれないけど。

この世界の結婚式がどんな感じなのか知らないから分からないな。

「そんなに聖鐘が気になるの?」

マイに

「いや、立派だなと思って」

「ふ~ん」

「あ、もうそろそろ約束の時間だね」

「そうだね。レクス様を待たせないようにしないと」

「そこまで気にしなくても良いんじゃない?」

「だって次期国王なんだよ?」

「それはそうだけど……………まあ取りあえず行こうか」

そしてレクスと待ち合わせ場所で集合した。

「観光出来たか?」

「ああ、出来たけど何で出発の準備をしてるんだ?」

「少し帝国に怪しい動きがあるみたいでな。

出来るだけ早く帰ることが出来るように昼食を食べたら出発するぞ」

「怪しい動き?」

「何でも出兵の準備をしているらしい。」

「どこかと戦争をするのか?」

「多分な。どことするのかが分かっていれば良いんだが旅の途中だとそこまで詳しいことは分からん。だからお前達も準備をしてくれ」

「わ、分かった」

「わ、分かりました」

その後昼食を食べ準備をした。重い空気がその間ずっと流れていた。

「後、タキア王国に行く予定だったが断りをいれておけば大丈夫だろう。王都に戻るぞ」

こうして何かが起きる予感と共に馬車に乗るのだった。


タキア王国の王城の一室その国の国王と怪しい人物が話していた。

「準備は整ったのか?」

「はい、最上級50匹の群れを用意出来ました。また、帝国にも動いて貰いこの国に王子が来ないように細工もしておきました」

「帝国にまで顔がきくのか。さすがだな。期待しておるぞ」

「ありがとうございます。では失礼します」

こうして怪しい人物はその部屋を出た。

「最上級の群れがどうなったにしてもこの国は終わったな」

そう笑いながら呟き姿を消した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る