第3話訓練の日々

転生してから1年たった。だから、今は6歳。食料などの生活に欠かせないものはソラが揃えてくれる。

そして、ここがどんな場所かも分かってきた。

この外は森のようで見渡す限り町はない。

初めダンジョンみたいだと思っていたが、それは見た目だけ。何階層もあるわけではなく、恐ろしい魔獣がいるわけでもない。

何部屋かあり、もう家みたいな感じだ。見た目はダンジョンだけど。

そう、恐ろしいといえばソラだ。僕がサボろうとしたりサボったのがバレたとき、倍の時間訓練させられる。

ソラはドSだったのだ。

今からでも名前をドS妖精と変えてやりたい。あれ?妖精ではないんだっけ?まあ、そんなソラの監視があったため訓練をサボることなど出来ず………

そのおかげか魔法も結構使えるようになってきた。ソラが言うには一般的な魔法を習っている学生くらいだとか。ちなみにその魔法の学校は15歳かららしい。

そこであることが気になった。

「普通は何歳から魔法使うんだ?」

そう独り言を言っていると、

「早い子で10歳位かな。」

近くにいたソラが答えた。

へ~、10歳位なのか。って僕まだ6歳だし初めて魔法使ったの5歳なんだけど………

「なんで俺………じゃなくて僕5歳から魔法使えてんの?」

「魔法は自我がしっかりしていれば使えるんだ。初めから強い魔法が使える人はいないけど。」

なるほど、僕は5歳の体だったが中身は前世の記憶を持っている。そのおかげで魔法が使えたのか。

「そうそう、今日から訓練のメニュー増やすよ。そろそろ体力を付けてほしいし。」

「どんな訓練をするのですか?」

訓練の内容がどんなものなのか恐すぎて敬語になってしまった。

「簡単だよ。走るだけ。最初は30分位で徐々に長くしていこう。」

…………走るのだけは勘弁してください。

面倒くさがりにとって天敵と言ってもいいだろう。だって毎日やるとすると変わり映えないし、何より全身を使うからその後はきっと筋肉痛だ。その痛みに耐えながら生活するのはしんどい。

あっ!!そうか魔法で直したら良いのか。面倒くさいことには変わりないけど。

「魔法で直したりしたら筋肉つかないよ。だから僕が適度に直してあげるから自分で直したりしないように。したらどうなるか分かるよね?」

出たよ、ドS発言。しかも、妙に迫力がある。これは素直に聞かないとさらに訓練を増やされるやつだ。

「分かったよ……」

「うん。いい子だね。」

俺はこの先一生ソラに逆らえない気がしてきた。

まさかこんなSだったなんて…………人は見かけによらないとはよく言ったものだ。

人じゃないけど。

見た目は無害で優しそうなんだけど、中身はドS、鬼畜と言っても良いかも知れない。

そうしてまた今日の訓練が始まった。


訓練が終わった。走るのヤバイ。

しかも、これまたソラのドSが発動し僕が遅くなってくると近くに魔法を撃ってくる。しかも全力で走らないと避けれないやつ。死なないように手加減してるって言ってたけど多分それは回復魔法ありきだ。前世の病院では処置出来ず死んでしまうだろう。そんな魔法をくらったら相当痛いはずだ。そんな思いしたくない。これは大ピンチかも知れない。走る訓練でソラが魔法の手加減をミスって僕死んじゃうかも。そう思い、

「お前ミスって僕を殺さないよね?」

と聞いてみた。すると、

「ミスするわけないじゃん。それとも即死級の魔法を撃ってあげようか?」

「すいませんでした!!!即死級の魔法は勘弁してください!」

「そう?」

ソラのドSをまた、発動させるところだった。危ない、危ない。

もう発動してたかもしれないけど。

こうして走る訓練は毎日の訓練に組み込まれるようになった。




そこから2年たち8歳になりました。この2年間は地獄だった。走るのに慣れてきたら腕立て伏せが追加されそれに慣れてくると腹筋やら背筋やら徐々に追加されて言った。

そんなこんなでメジャーな筋トレはほとんど取り入れられた。魔法はと言うとどの国の軍に入っても1、2を争うレベルだとソラは言っている。8歳でそのレベルって軍が弱いのか僕が強いのか。今後強くなれるかもという期待はあるが今は訓練が憂鬱過ぎてあまり今後のことを考えてなかったりする。

そして、また新たな訓練が始まろうとしていた。

「これからは剣術の訓練もいれていくよ。」

「僕剣術したことないよ?」

そう前世でも剣道に憧れていたことはあった。しかし、習い事は面倒くさい。

よって経験がないのである。

「僕が人の姿になって教えるよ。ただ時間制限があるから教えられる時間が限られてるんだ。」

「時間制限って?」

「人型になるのは消耗が激しいんだ。調子にもよるけど一日2時間が限界だね。」

「じゃあ一日1時間にしません?」

ドSによる剣術の訓練…………恐ろし過ぎる。そう思い、いかにも気遣っているような感じで言ってみた。

「君、サボろうとしてない?」

何!?心をよまれた!?

「決してそんなことはございません!!」

こういう時は即座に否定すべきだ。じゃないと訓練が厳しくなってしまう。そんなこんなで剣術の訓練が始まった。


初日は意外と剣の振り方だったので楽だった。これなら全然いけるぞ。


2日目、………………初日の訓練に戻りたい…………

素振りを何回やらされたのか覚えていない。それほど剣をふった。

何でも体に刻み込まれるまでやれとのことで………もう考えないようにしよう。

鬼畜め!!もうやめたい…

「何か言った?」

ソラは本当に心を読めるのかも知れない。

その後ソラを宥めるのが大変だった。

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